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第919話 研修を見直す絶好のチャンス

2020年05月10日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

新型コロナウイルスの影響で、4月はほとんどの企業が新人研修を縮小したり、実施を見送ったりしました。たしかに集合研修は「3密」そのものです。人事部門の育成担当者の方々は、かなりご苦労されたのではないでしょうか。

新人研修の重要性は、育成担当者ではなくても十分お分かりいただけると思います。研修では、組織人として仕事を進めるために必要な考え方、企業理念や経営方針、法令の順守や社会人としてのルールについても学びます。3月までは「お金を払って学ぶ」学生だった人たちが、4月から一転して「お金を得るために働く」組織の一員になるのですから、まさに頭の中身を入れ替えるくらい大変かつ大切な研修です。

それほど重要な研修ですが、私たち社外講師に依頼してくる内容は「マナーとコミュニケーションを2日で教えてください」といったものがほとんどです。もちろん、それはとても大事なことなので、全力投球で務めています。

ただし、名刺交換やお辞儀の仕方など「型」を知るには動画で十分です。後は、職場の先輩や上司が行う「正しい所作」を見て学べばよいのです。コミュニケーションの基本である報連相(報告・連絡・相談)も同じように、動画を見た後で職場でのやりとりを観察して身に付けて行けば問題ありません。実際、今年は「動画配信とレポート提出、加えてZoomやSkypeを使った質疑応答で新人研修は終了」という企業もたくさんありました。

「職場の上司や先輩は教えることに関しては素人だけど、外部講師はプロなのだから、そんな無責任なことを言うのはおかしい。」そうお思いの方も多いでしょう。

では、皆さんの会社の「上司や先輩」は名刺交換もお辞儀もロクにできないのでしょうか。あるいは、まともに報連相をすることができず、ミスが頻発して1日中職場が混乱をしているのでしょうか。私は決して新人研修が必要ないと言っているのではありません。「型」は動画や本でしっかり学ばせ、「実践」は職場の人たちに任せるべきなのです。

「親の背を見て子は育つ」ではありませんが、新人は職場の上司や先輩の「悪い面」を見て育ちます。どんなに優れた外部講師に徹底的にマナーや報連相を叩きこまれても、上司や先輩が実践していなければ意味がありません。

「いや、多少意味はあるのでは?」と思った方に申し上げます。何の意味もありません。

新人研修が本当に必要なのは、実は上司や先輩その人です。仕事を進めるときの正しい所作、ミスの起きないコミュニケーション、そして社会人としてのルールをしっかりと学び(思い出し)、それを新人に「身を以て」教えなければなりません。

企業は人で成り立っています。新人を育て、戦力化していくことは企業の明日を作ることです。「上司や先輩」の立場にある方々は、その目的をしっかり理解し、計画的かつ継続的に育成していかなければなりません。

また、それは新人に限らず、すべての社員が「育成される対象であるべきだと考えます。たとえば、上司であっても、マナーが悪かったり連絡ミスがあったりしたら、それを指摘することも必要です。

最後にもう一つ大事なことをお伝えしておきます。大人は放置しておくと上司や先輩の「悪い面」しか見ようとしません。正しく大人を教えるには技術が必要です。だからこそ我々のような研修会社があるのです。人を育てる、すなわちOJT(On the Job Training)のスキルを身に付ける研修に関しては、(PRになってしまいますが)当社の最も得意とするところです。

「3密」の新人研修ができない今こそ、「人を育てるスキル」を身に付ける絶好のチャンスです。

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