中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第917話 ステイホーム週間は本を読もう(番外編1)

2020年05月07日 | 仕事

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。さて、ステイホーム週間が明けましたが、今回と次回は「番外編」と題してこのブログの筆者、芳垣と平野の著作を紹介いたします。手前味噌も味噌のうちということで何卒ご容赦ください。

「突発的な仕事に先手を打つ 残業ゼロのビジネス整理術」芳垣玲子  (著)

「整理術」の本はたくさん出版されています。それらをざっくりと2つに分けるならば、個人向けか企業向けになります。前者は近藤麻理恵氏(こんまりさん)の「人生がときめく片づけの魔法」が最も有名です。ただ、この本は「整理術」というより「スピリチュアル版☆お家の収納術」です。企業で実践するのは極めて危険です。私のよく知る某社の社長はこれにハマり、仕事の書類や多くの専門書を「ときめかないから」といって捨てまくってエライ目にあいました。

 さて、「突発的な仕事に先手を打つ 残業ゼロのビジネス整理術」は、職場で実践する整理術を解説した本です。家庭向きではありません。というのも、ビジネスの現場でしか登場しない様々な物事(ものごと)を対象にしているからです。

 ここで物事を「物」と「事」に分解してみます。この本は、職場にある書類や文具、備品といった「モノ」よりも、仕事という「コト」そのものに焦点を当てています。
 では、仕事とは何か?それは、時間と労力を費やしてそれに見合った対価を得るための行為です。机の上に山積みされた書類やファイル、それ自体が仕事ではありません。それらはあくまでも仕事という行為の「影」のようなものです。たとえば、今現在とりかかっている仕事が急に無くなってしまったら、関係する書類は無用の長物になってしまいます。無用どころか早くシュレッダーで裁断した方が良いかもしれません。

 また、仕事はルーチンワーク(スケジュール通りにこなす定型的な仕事)ばかりではありません。突発的に割り込んでくる仕事も多くあります。
 ひとつ例を挙げてみましょう。あなたが、今日は定時で帰れそうだと思っていたら、突然上司に「○○君、ちょっといいかな?」と手招きされました。仕方なく行ってみると、分厚いファイルを渡されました。上司は続けて「このデータ、明日の10時までにプレゼン資料にまとめておいてくれる?実は、さっき専務に呼び付けられて、明日の午後の会議で使いたいって言うんだよ。急だよね~。でも仕方ないよね。悪いけど頼むよ。」と言いました。ほんと悪いよ!専務もあんたも!と言いたい気持ちを堪えて残業に突入・・・ビジネスパーソンなら誰でも経験したことがあるはずです。

 本書は、まさにタイトルにあるように、突発的な仕事の発生を事前に抑えるための「手の打ち方」を実践的に解説した本です。

 その背景にあるのは「渋滞」という考え方です。仕事が流れている状態を、高速道路を走る車にたとえています。予定通りに仕事が進んでいれば、快適なドライブをしているようなものです。ところが、車間距離が十分ではない場合、側道から急に車が割り込んでくると、ついブレーキを踏んでしまいます。すると後ろの車もブレーキを踏み、そのまた後ろも・・・という具合にあっという間に車の流れが滞ります。これが、渋滞が発生するメカニズムひとつです。このメカニズムを仕事に応用して考えてみると、「急に割り込んでくる仕事」を減らせば仕事の渋滞は防げることがわかります。

 しかし、ほとんどの方は「上司の割り込み仕事に先手など打てるのか?まして顧客に対して先手など打てるわけがない!」とお思いのことでしょう。もちろん、突発的な仕事を100%完璧に阻止することはできません。野球選手で10割バッターなどいるわけがないのと同じように。

 しかし打率3割なら十分強打者です。突発的な仕事に対して「先手など打てるわけがない」と言うのは、バッターボックスに立ってバットを全く振らないのと同じです。考え方とノウハウを身に付ければ、十分に先手は打てます。しかも、それは上司にも顧客にも喜ばれることなのです。
 本書には、具体的な先手の打ち方から、職場の机の上の整理方法まで、具体的かつ非常にわかりやすく解説してあります。

 仕事の渋滞を減らして仕事をスムーズに流しましょう。それはまさに「働き方改革」を迫られているすべての企業に求められていることです。

是非、ご一読ください!

突発的な仕事に先手を打つ 残業ゼロのビジネス整理術

お問い合わせ【株式会社人材育成社】 

人材育成のホームページ