「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。
「納期に余裕があったとしても、手を付けるのはぎりぎりになってからです」
このような言葉をあなたは口にしていませんか?
頻繁に口にするという人もいれば、そうではないという人もいるでしょうが、あなたはどちらのタイプでしょうか?
弊社が研修を担当させていただく際に、企業によっては研修効果を高めるために事前に課題を設定し、それを踏まえて研修を進めて欲しいという依頼をいただく場合があります。
そういう時には、予め研修テーマに沿った課題を設定し、受講者には事前に取り組んでいただくことになります。課題は比較的時間に余裕をもって設定し、だいたい1か月前には配付し、余裕をもって課題に取り組んでいただくようになります。
しかし、実はこの納期設定がなかなか難しいと感じることがよくあるのです。
たとえば、どんなに余裕をもって設定したとしても、結局大半の人が納期(〆切)ぎりぎりに提出し、さらに2割くらいの人は納期にすら間に合わず、遅れて提出されることはよくあることです。
もちろん、こちらも予めそれを見込んだ上でスケジュールを立てていますので、ことさら驚きはしないものの、企業の業種や規模にかかわらず、このようなケースが少なからず見受けられるというのはどうしてなのでしょうか。
どうして人は納期ぎりぎりにならないと、手を付けられないのでしょうか。
「仕事が忙しくて研修の課題にまで手が回らない」、「課題はルーチンワークではないため、考えてやらなくてはならないので、手を付けるのが面倒くさい」、「研修の課題は仕事ではないため(仕事の一環としておこなっているのですが・・)、積極的にやらなくてもよいと思っている」など、様々な理由が考えられます。
しかし、理由の如何にかかわらず、余裕をもって取り組むのと、ぎりぎりになって慌ててやるのでは、課題の出来に違いがあるケースが少なくないはずです。
さらには、「納期のぎりぎりまで手が付けられない」というのは、仕事に限ったことなのでしょうか。
たとえば、消費税が10月1日から上がりましたが、前日の9月30日には駅の定期券の販売機や緑の窓口に長蛇の列ができていたことが報道されていました。
私はこの日は帰りが遅くなり、日付けが変わる頃に駅にいましたが、そういう時間であるのにもかかわらず、まだ長蛇の列が続いていました。もちろん定期券は継続であっても2週間前からしか購入できませんから、9月30日になってようやく購入できる日になったという人もいるはずですが、ぎりぎりで購入しようとした人が相当数いたのです。
また、少し前の話になりますが、来年の東京オリンピックのチケットの申し込みでも、締め切り直前にかけこみで申し込みをしようとした人が集中して、何時間も待たないとアクセスできなかった人もいたようです。
これらのことから考えると、人は納期や締切日ぎりぎりにならないとなかなか行動を起こせないというのは、仕事に限ったことではないようです。確かに、夏休みの宿題のことを思い起こせばそのように思えます。
では、どうすれば人は納期に余裕を持って行動することができるのか。これは人間の根本にかかわる問題のように思えますし、それゆえ解明もなかなか難しそうですが、これを解決できれば仕事の生産性向上にも大きな影響がありそうですので、冒頭の納期設定の問題を含め引き続き取り組んでいきたいと思います。