中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第852話 社員は経営者の鏡

2019年10月23日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「話を聞いたら、その場ですぐに書くようにしています。書いたことは、後で繰り返し見ていますよ」

これは、私がこの1か月間にお会いした3人の経営者が語られた言葉です。

年代も性別も業種も異なる3人の経営者が共通して、「せっかく講演などに行って良い話を聞いたとしても、メモをしなければすぐ忘れてしまいますよ。講演ではテキストをもらうけれど見返すのも大変だから、自分にとって大事だと思うところをその場で記録しますね。社員に話をする際にも、メモがとても役にたっています」とおっしゃっていました。

この3人のうち、2人は九州で会社を構えられているのですが、県をまたいで遠路講演を聞きに行ったり、異業種の人と交流したりと勉強に余念がありません。

また、3人は「社長は会社にいるだけではだめだ。外の人と会っていろいろ情報収集をしないといけない」ということを繰り返しおっしゃっていましたし、このうちの1人は「もちろん同業者とも会うけれど、私は異業種の人に会うのが好きなんだ。情報収集をするなら、異業種の人だね。知らないことをたくさん知るチャンスになるよ」とも話されていました。

あわせて、それぞれの会社の業績をお聞きしたところ、いずれも「まあまあ上向きだね。利益が上がっているからね。次は社員に利益を公平に分配するために、評価を見直そうと思っている」とのことでした。

この3人に共通する特徴としては、皆、実に楽しそうによく語り、社員のことをよくほめて、さらにはこちらにも質問し、メモを頻繁にとられていることがあげられます。

逆に、このような経営者がいらっしゃる一方で「うちの社員はなかなか仕事を憶えなくて困る。同じ失敗ばかり繰り返す。あいつは何度言ったら理解できるんだろう?」と嘆かれる経営者もいます。

前述の視点から見ると、実はそういう経営者は私と話をしている際にメモをとることはほとんどないのです。

これらを通じてあらためて思うのは、「社員は経営者の姿勢を映した鏡なのではないだろうか」ということです。

もし、経営者が「社員が仕事をなかなか覚えない、メモもとらない」などと嘆かれるのであれば、それは自分も同じことをしていることの表れかもしれません。ぜひ、一度ご自身の行動を振り返っていただくことをお勧めします。

「社員を成長させたい、変えたい」と思うのであれば、まずは自身の行動を振り返り、変えるべきことは率先して変えること。そしてそれを社員に示すこと。経営者にはそれが何よりも必要なのではないでしょうか。

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