

15年前の2005年(平成17年)12月25日、鉄道史上忘れられない大事故が発生した。地元を走る羽越線の特急「いなほ」が脱線横転し、乗客5名が死亡、32人が重軽傷を負った事故である。(当初16年前と記載していたが間違いでした。訂正します。)
事故発生場所は、地元からだと100キロほど下り方向、庄内地方の北余目駅と砂越駅の間。最上川にかかる鉄橋の南端。秋田発新潟行の特急いなほ14号6両編成が強風で脱線、転覆した。
庄内地方を訪れていた時に、ふと思い出す。いつもは列車あの窓から祈りを捧げていたのだが、クルマを走らせていたら風雪に見舞われて、事故現場を訪れようと思った。確かこんな季節の、こんな天気の日に起こった事故だったなと。
現地は、確かに風当たり強そうな場所。川の土手から駆け下りるようなところだから風当たりが強そうだ。一面田んぼで、畜舎が建つその脇に、JR東日本により慰霊碑と施設がある。施設はこじんまりしているが、きれいに整備されている。
受付にはJRのOBだろうか、ガードマン風の制服の初老のおじさんがいた。ここを訪れるのは、亡くなられた方の遺族やその友人、JRのOBなど限られているようだが、極稀にまれに鉄道ファンもいると言いながら、わざわざ守衛所から出てきて慰霊碑に案内してくれた。
建物は二つあって、慰霊碑をガラス張りの部屋から拝めるセレモニー的な施設、もう一方は休憩室なるもの(写真下)。事故の概要を知らせるような資料等はない。慰霊碑脇の石碑に、事故の概略が記されている。


事故は、12月25日の午後7時過ぎ、風雪により始発の秋田を出る時から遅れていた列車が、1時間以上遅れて酒田駅を発車して間もなくのこと。第二最上川橋梁を渡り終えたところに、竜巻と思われる突風に巻き込まれて脱線し、前3両が横転、先頭車両が畜舎の施設に激突したというもの。
30トンから40トンの電車がそんな簡単に横転する?意外だが風の影響によって横転するという事故はいくつかある。山陰本線のかの有名な余部鉄橋から列車が転落した事故(1986年)も、風速33メートルを超えると突風によるものだ。
余部鉄橋の事故から、JRは事故防止に努めていたし、風速計や安全施設の設置、運行にも慎重に対応する姿勢をとっていたのだが、いなほ14号の場合は、予期せぬ猛烈な突風(竜巻と考えられている)に見舞われたとされる。
私が訪れたのは12月23日、二日前。鉄道ファンとして呼び寄せられたような気がする。改めて事故の悲惨さを記憶に刻み、安全のためにと深く祈りを捧げました。
このとき慰霊碑に向かって施設内は花を飾る作業がされており、スーツ姿のJR関係者だろうか、数人がその様子を見に来ていた。当日(今日)は、慰霊のためのセレモニーがあるらしい。多くの方々が15年前の事故のことを記憶によみがえらせるとともに、JRをはじめ関係者は安全運行のための教訓としてほしい。
(写真下:異例のセレモニーに向け花を飾り付ける業者、現場近くの平岡踏切付近を通過する特急いなほ号(現在使用車両のE653系、当時は485系))

