昨日の 6時丁度に上高地バス ターミナルを出発し、16時 40分に予定の穂高岳山荘に到着した。 休憩を含めても 10時間 40分かかった行程である。 岳沢小屋までは順調であったが、重太郎新道に入り鉄梯子や岩稜帯の急傾斜に参った精である。
久し振りの登山で大変であった。夕食後は同室の隣の方にワイン を御馳走になり山 の話に花が咲いた。 福島の観光ガイド協会の方で年間 90日は山に入っているとのことであった。驚き そんなほろ酔い 気分と歩き疲れが合わさって、とても良く眠れた。
紅葉の時期で涸沢までは沢山の登山者が入り、涸沢ヒュッテに泊まった人の話では1枚の布団に 3人だったと聞きビックリした。 稜線上に出た穂高岳山荘や北穂高小屋は 1枚の布団に 1人と周りを気にせずユッタリと休めた。
穂高岳山荘のテラスから正面に見える常念山脈稜線上の空がピンク色に輝きだしてきた。5時 42分。 光りの右手、島のように見える長い稜線は八ヶ岳である。 それがピークで、以後太陽が顔を出すことは無く、終日明るい曇りであった。
朝食はノンビリ 6時に頂き、かもしか部屋の方々全員出発されていた。 私は上高地へ下るだけなので、山荘を 6時 45分に出発、下山開始した。
ソロ登山は楽しみも危険 部分も全て自分で対応できるようにし、慎重な行動をすれば自由で楽しいものである。 山荘からザイテングラートを下る登山者を眺め、自分もその中の 1人となった。
30分ほど下ったら昨夜ワインを御馳走になった 2名の方を発見し追いかけた。
ガイドの方なのでスマホより大きく、タブレットより小さい物を持ち、それを見ながら一緒に説明を受けた。 標高差、歩いた距離、地図上の現在地、文明の利器は素晴らしいがバッテリーのこともあるので、私も補助用として取り入れてみたいと思った。
ザイテングラートとはドイツ語の支稜を意味することに由来するようです。 氷河の削り込みにも耐えた固い岩盤でできており、岩稜には急な道が刻まれています。
そのザイテングラートを下から見上げたものがこれです。
段々、紅葉の名所である涸沢に近づくと目の覚めるような色鮮やかさに見惚れ中々進まない。
この曇り空で この鮮やかさ、昨日のような好天であれば、これ以上に素晴らしいだろうと思うことが悔やまれた。 中央のピークがこれから向かう屏風の耳(2565m)で、左手に白っぽくピラミッド型の山は常念岳(2857m)である。
ほぼ涸沢小屋位までの高度に下ってきた 。
涸沢のテント場 着、8時 15分。 今日はテントもまばらだが、今度の三連休はカラフルなテントの花が咲くでしょう。
今回は横尾に向かわず、パノラマコースで新村橋へ抜けようと考えていたので、涸沢ヒュッテを目指した。 綺麗に作られた石畳の散策路を初めて歩いたが中々気持ち良い。 涸沢ヒュッテ 到着、8時 20分。 15分の小休止を取り、涸沢の景色を楽しんだ。
ヒュッテを少し下った所に、横尾とパノラマコースの分岐点があった。8時 40分通過。
パノラマコースは今回初めて歩くコースで、地図上では上高地への近道に見えるがアップダウンが大きく、道も狭く切れ落ちた 個所が数ヵ所ありとのことであるが挑戦してみた。 石段の道を進んでミヤマハンノキなどの灌木帯に入る。 振り返ると涸沢ヒュッテの背後に涸沢カールや穂高連峰の山姿が望めた。
ダケカンバの林に入って行くと、岩場を何ヵ所も通る狭くて険しい道となり、前穂高岳北尾根に出るまで悪路が続いた。
北尾根に出ると左右に道があり右は前穂高岳山頂への真の岳人のみが歩けるというルートとのことであった。 左手の尾根を進むと、なだらかに下りチョットした広場に出る。何の表示もないが屏風のコル着、9時 50分。 ザックを置き、カメラと水を持って屏風の耳(2565m)に向かう。 昨日、前穂への登山を途中で断念 したので屏風の耳には、意地でも登頂したく頑張った。 屏風の耳 着 10時 15分。 屏風の耳から登って来た方向を振り返る。下に見える川は梓川。
これと言った山頂標示もなく三角点のみ。晴れてはいなかったが展望は最高でした。 涸沢カールの全貌が目の前 に広がり感動。 疲れていても こういう景色を見ると疲れは消え、次はどこへ行こう とか、また来ようなどと終わりがないのです。
前穂高岳から奥穂高岳、北穂高岳、右奥に槍ヶ岳と素晴らしいパノラマに感動しました。
ザックを置いた屏風のコルに戻り(10時 35分 着)10分ほど休憩。 コルを過ぎてからは、ビックリする様な個所はなく順調に闊歩した。 このパノラマコースは前半のコルまでは気の抜けない個所があったが、そこを慎重に通過すれば楽しいコースです。
紅葉を楽しみながらルンルンと下る。
奥又白谷河原 通過、11時 53分。
針葉樹林の平坦な道となり、石碑が 3つ建っている所を通り、堰堤が見え奥又白谷の川原を左手に見ながら林道を下る。
奥又白谷登山口 通過、12時 25分。
左手に梓川の流れを見ながら新村橋に向かう。 新村橋通過、12時 35分。
徳澤園 到着、12時 50分。 20分の休憩を取り、久し振りのソフトクリームを賞味した。
明神通過、13時 50分。河童橋通過、14時 30分。静かであった山旅が急にざわめき出した。 上高地バスターミナル 着、14時 35分。 14時 55分のバスで沢渡に下った。
日本に四季の良さがある様に、お天気も晴れ、曇り、雨など、それぞれに良さがある様に思います。
また、この後 上高地~岳沢~前穂~奥穂岳山荘を発信しますので、是非ご覧ください。
清水さんが歩けば白馬三山みたいに歩きたいですね。