滋賀・福井県境の野坂山地南部を貫く全長80Kmのロングトレイル。 これが現地では『中央分水嶺高島トレイル』と固有名詞化しています。 琵琶湖と若狭湾にはさまれた中央分水嶺は、1,000mに満たない山が連なり、ブナ、ミズナラ、アシュウスギの混生林に覆われていて、春は山野草、夏は琵琶湖水源の森の新緑、秋は混生林の多彩な紅葉、そして冬は積雪が多くスノーシュー登山に最適との事です。
今回は全長80Kmのうち、視界を遮るものがなく、素晴らしい眺望が楽しめる赤坂山(823m)付近の稜線を歩いて見た。
地質は花崗岩で、多くの寒地性植物が生育している。 展望と花の山と言われており、行く前から楽しみであった。 滋賀県高島市マキノ町のマキノスキー場手前の登山者専用駐車場に車を止め、7時出発。
ゲレンデの中央にある登山道を進み、ゲレンデ最上部から長い階段状の登山道が直登するかのように、まっすぐ伸びているのには、見て歩いてビックリした。
稜線で仲間と合流する計画で入山したので、最初は待たせないよう力んで取り付いたが、無理のない均等のペースで歩き続けられるように心掛けた。 歩き出して1時間、ブナの木平の休憩舎に到着。 陽だまりの中で風が無く、汗かきなので、Tシャツ1枚になりオープンシャツはザックカバーのようにして乾かした。
5分ほど登ったら左手に沢が見え、暑い体に水の流れが耳に心地よく聞こえた。 この辺りからブナ林の中をつづら折りに登高し、所どころに石畳の道が見られた。
また道の両側には色の違う沢山のイワカガミが出迎えてくれ、手にカメラを持ち疲れは消えていた。
次から次に沢山の群生が見られ、今後これほどのイワカガミを見ることは無いだろうと感じ、撮りまくった。 そんな事をしているうちに森林限界を抜け、笹原に出た。
粟柄越(あわがらごえ)到着8時45分。 ここは高島トレイルの起点『愛発越(あらちごえ)』から約13km地点である。 今歩いて来た道は、マキノと福井県とを結ぶ古道で、人馬が荷物を背負って往来した歴史の道です。
皆が待っていてくれると言っていたが姿が見えず、皆が来る方角の『赤坂山(823m)』に向かった。 稜線上には沢山のツゲの木が群生していた。それにサラサドウダンも見られた。
赤坂山登頂8時56分。 眺望最高だが風が強い。 トレイルの稜線上を探したが9名の姿は見えず、携帯電話をしたら何と!つながった。ビックリまだ先の「明王ノ禿」(みょうおうのはげ)にいるとの事で“綺麗だから来な”と言われ向かい、9時10分に全員と合流した。
誰もカメラなしとの事で、自分がカメラマンに変身し、皆の希望の場所で撮影し、私の来たコースにイワカガミが群生していたと話したら、予定のコースと外れるが少し下っても皆が見たいと言うので案内し、全員が大感激してくれたので良かった。
明王ノ禿は花崗岩の風化が進んだ山で、他の山姿とは一風変わり険しい感じで慎重な行動が要求される山であった。 そこから見る琵琶湖の景色は圧巻である。トレイル稜線からは日本海の若狭湾も見る事が出来た。 左手前方が琵琶湖です。
寒風(かんぷう)までの稜線上は陽だまりハイクで景色を楽しみ、おしゃべりを楽しみ、朝早くからの山歩きとなったが、皆さん満足そうで爽快なトレッキングが出来ました。