高い岩壁を穿(うが)って造られた観音堂で有名な『深草観音』は、甲斐国観音霊場六番札所で、別名「岩堂観音」とも呼ばれています。
この地は要害山 の南麓に位置する瑞岩寺(746年創建)の旧地で、石灯籠のある場所が山門跡と伝えられています。
御本尊 : 岩堂観世音菩薩 御詠歌 : かきわけて 来たれば深し 岩堂の 露のめぐみの あらんかぎりは
昔、観音堂への参拝は、この梯子を使ったのだろうか❓ 余りの長さに驚き
古くて危険であり、現在は登る人はいないようです。
急ではありますが大岩を削って造られた、修験者が歩いたであろう岩道を登る。
足場の狭い岩壁の道を進むと、一人がやっと通れるほどの岩穴が見えた。
この岩穴の中が深草観音堂になっていました。畳三畳ほどの広さです。
観音堂が明るいのは、正面の岩が明かり窓の様に開けられ、そこには先程見上げた鉄梯子の先端が届いていました。
恐る恐る覗いてみましたが、梯子の下部が見えません。
堂内の床が斜めで抜けそうな感じがしたので、素早く参拝を済ませ戻りました。
低山ではありますが、凄い深山を訪れたような気分になりました。
千手観音とは、別名「千手千眼観自在菩薩」とも言い、生きとし生けるもの全てを漏らさず救う、大いなる慈悲を表現する菩薩とのことです。
馬頭観音とは頭の上に馬の頭を冠の様に載せていますが、これは衆生の煩悩を食い尽くすことを表現し、どちらかというと憤怒の形相をしているようです。
片膝を上げ、そこに肘を掛けて指先を頬に当てている思惟の姿。足裏は両方を合わせており、輪王座と呼ばれる姿勢が如意輪観音の特徴だそうです。 どうすれば人々を救えるのかと悩んでいる姿だとされています。
観音様には六種の観音菩薩さまが揃っているそうです。 その六観音様を理解する前に、六道について書き記します。
仏教では「輪廻転生」という思想が基本で、死んだ後も別の生命に何度も生まれ変わるという考え方のようです。 死後に生まれ変わる世界は6つあり、これを「六道」というようです。
天道 : 苦しみの無い世界。 天道を担当の観音様 如意輪観音
人道 : 我々の住んでいるこの世。 准胝(じゅんでい)観音 or 不空羂索(けんじゃく)観音
修羅道 : 怒りや争いが絶えない。 十一面観音
畜生道 : 人間以外の生物が住む世界。弱肉強食。 馬頭観音
餓鬼道 : 飢えと渇きに苦しむ世界。 千手観音
地獄道 : この世で罪を犯すと落とされる世界。 聖観音
たとえどんな世界に生まれ変わったとしても、救済の道が有ることを六観音様が教えてくれています。