北アルプス表銀座コース起点の山『燕岳』(2763m)のご案内です。 中々個人では、一歩を踏み出すタイミングがつかめず、勝手に「私にはアルプスなど無理だろう?」と考えられている方々を、空がすぐそこに迫ってくる大迫力の頂きに、一歩近づくお手伝いをして来ました。
安曇野ICを11時に降り、車窓から富士山に似た有明富士を正面に眺めながら中房川の渓谷に入る。 細い登りの舗装道路を進み中部電力第四発電所を通過し、間もなく行くと右手に大露天風呂が自慢の「有明荘」が見え、その先700mが中房温泉登山口であった。 お昼と登山準備を済ませ12時出発した。
中房温泉への橋の手前にある売店の横から登山道に入る。 最初から急登が続き樹林帯の中をただひたすら登る。 中房川の川音が段々と小さくなり聞こえなくなった頃、12時35分第一ベンチに到着した。 樹林帯の中の開けた場所に丸太で作られたベンチがあり5分休憩。 ベンチの後ろから少し下った所に合戦尾根唯一の水場があり、水量は細いが湧水とのことである。
登路は今迄と同様の急登が続いた。 しばらくすると樹林を切り開いて荷揚げ用のケーブルが頭上をかすめて走っている。 このケーブルの下を抜けたら第二ベンチの前に出た。13時09分着。 5分休憩、水分補給をして頂いた。
第二ベンチからは登りも気持ち楽になり、ダケカンバの白い幹が目立った。 急斜面の尾根に作られた登路であり、焦らずじっくり歩いて頂いた。 第三ベンチ到着、13時48分。 ガスの中であり、長休みで体が冷えてもいけないので5分休憩。
第三ベンチを通過してからの登路には花崗岩を見かけるようになり、燕岳に来たんだとの思いがよみがえった。
登山路に変化が出て来たので雰囲気も変わり、初めての方々も快調に歩いて下さった。 富士見ベンチ到着、14時30分。 5分休憩。
燕岳の東側はガスが溜まり易く、湿気でキノコやコケは元気そうであったが、始まって来た紅葉は少々繊細さを欠いていた。 そんな事を感じながら30分ほど歩いていたら「合戦小屋まで、あと10分」の標示板を見つけ、頑張った。
合戦小屋到着、15時15分。宿泊は出来ないが売店があり休憩はできる。
7~8月であれば合戦小屋の名物「スイカ」が食べられたのだが、9月の末では以前食べた事を思い出すだけでした。仕方なくポカリを飲んだ。5分休憩。
合戦小屋から次第に視野が開け、曲がりくねったダケカンバとクマザサ、ハイマツの緩斜面を通り抜けると丸坊主の台地に出た。合戦の頭である。15時40分通過。
青空が見え始め、ガスの切れ間から時折槍の穂先が顔を出して迎えてくれた。
燕山荘への登路は稜線の右斜面を進み、小さなピークを2つほど越え燕山荘直下を右へトラバースすると北アルプスが一望できる稜線に出る。
左手には燕山荘がお出迎え、今までの疲れが吹き飛ぶ瞬間である。 16時30分到着、お疲れ様でした。
槍穂高遠望