平和な生活が一瞬にして崩れ去る。
2011年3月 11日 14時 46分、三陸沖の宮城県牡鹿半島の東南東 130Km付近で、深さ約 24Kmを震源とするマグニチュード 9.0 の地震が発生しました。
東北地方は過去に幾度となく地震や津波の被害を受けた歴史があり、先人より津波警報が出たら直ぐ高台へ避難するようにとの聞き伝えがあり、地域の人々全員が助かった地区があります。
自然災害は、いつどこで何がどの様に起こるか? 図り知ることは出来ません。
でも、過去に発生した事例の対処法は前記の「聞き伝え」を含め色々研究されています。
その地震による津波の影響で東京電力福島第一原子力発電所が水素爆発を起こし、強制避難を強いられた被災者の皆さんが国に対して損害賠償を求めた集団訴訟をし、11年越しの被災者皆さんの願いは届いたのでしょうか?
2022年6月17日、福島第一原発事故で被害を受けた住民の方々が国に損害賠償を求めた『避難者集団訴訟』で最高裁の判決が出されました。
🌟 国の責任は認めず 🌟
原子力発電所事業は『国策民営』で過酷事故など一切起こらない ❝安全神話❞ のみが強調され進められてきました。
確かに既存の原発の発電費用は比較的安い、温室効果ガスが出ないといった利点はあるが、ひとたび事故が起きた時の被害や原発から出る『核のゴミ』の処理方法で、それぞれ原発を抱えた地域ともめています。
四国の愛媛県西宇和郡伊方町にある伊方原発は中央構造線という大きな断層の上にあり、1992年、四国電力伊方原発は、非常用発電機が動かなかったり、燃料切れが起これば、福島と同様の事故となるため、最高裁では「深刻な災害が万が一にも起こらない様に」と 2002年に判決を出し、現在は操業停止中の様であります。
その判決が出されてから、9年もの時間があったにもかかわらず①津波が弱点であること。②炉心溶融になる可能性がある。ことが議論されていたにもかかわらず、東京電力も国も動かなかった。
1999年9月 茨城県東海村にあった核燃料会社のウラン加工工場で起きた臨界死亡事故でも、国の初動対応は遅く、非常に適切な避難要請は、村長の判断で行われたとのことです。
2011年に福島第一原発から5Kmの場所に現地対策本部が設置され、経済産業省や自衛隊、東電などから150人が集められたそうです。それでも、深刻な原発事故は想定しなかった。
その後、原発が水素爆発すると、対策本部のセンター内の放射線量が急上昇し、事故の4日後に全員が撤退を始めたとのことです。
近くの双葉病院にいた患者さんは置き去りにされ、1ヶ月で約50名の患者さんが亡くなられています。
強制避難を命じられた10万人近い住民の誘導も行わず、自治体任せであったとのことです。
事故が起きたのも、事故後の被害が拡大し長引いたのも、安全への配慮、責任が放棄されたためではないのか?
人の生命・身体は勿論、環境にも取り返しのつかない危害を及ぼす原発災害を、万が一にも起こしてはならない。
この様な思いがあればこそ、今回の様な結論(判決)には至らなかったように思います。
現在は音頭をとる人間はアチコチに居るようですが、全てのことに対して曖昧さを前面に出し責任者不在の状態。
東京五輪の経費の問題、森友・加計問題、桜を見る会、コロナ感染防止対策、財務省の公文書改ざんなど、責任の曖昧さが大手を振って歩き回る時代、何か可笑しいですね。
この原発事故の『避難者集団訴訟』の最高裁判決なんですが、裁判官4人のうち3人の多数意見で決まった。 裁判官は国家公務員で司法も国の関連会社化し、一般の会社ではありえないと思います。
この判決で政府も電力不足を理由に原発再稼働を堂々と進めるべく、政策運営の柱となる骨太の方針に『原発の最大限活用』を加えたようです。
ただ1人、反対意見を主張して下さった三浦 守裁判官がいました。 ❝ 水密化措置は十分可能であったと述べられ、実効ある対策をとらない東電を容認した国の責任を厳しく指摘した。津波予測をもとに国と東電が法令に従って真摯な検討を行っていれば、事故は回避できた可能性が高いとし、「想定外」という言葉で免責することは許されないとの立場をとられた。❞
御立派な裁判官でありエールを送りますが、国に逆らう人はきっと日向から消されてしまうのでしょうね。
この様に国は被災者に対して『起きてしまったことは仕方ない。後は自らで対応して下さい。』と言っています。
現在、国内で稼働中の原子力発電所は 54基あるようです。建設中もあるそうです。 その地域の自治体は国からアメをもらっているので仕方ないのかもしれませんが、地震大国であり、異常気象による被害の想定外が増加しています。
今回の最高裁の判決を見ると、今後どんな大きな事故が発生するのか分からない仮定のことについては一切考えないことを基本とした国で、今後はどこの地域の人々が泣くのかな? なんて余計なことを考えてしまいます。
もう直ぐ参議院議員選挙の投票日です。
以前国会で 118回も虚偽答弁をした人がいますが、普通の人間であれば恥ずかしくて人前に出られないと思いますが、平然として今回の参議院選挙の応援演説をしている。
きっと、応援演説も口から出まかせなんでしょうね。 どうせ国民なんか、すぐ忘れるから・・・・・。
皆さん、7月10日は参議院議員選挙です。忘れずに投票に行きましょう!
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