古代から信仰の対象として日本人に崇められてきた名峰『富士山』。 我が国、日本のシンボルの山であり、是非一度は登ってみたい❝富士山❞。
ここでは富士山の八合目から日本最高峰の「剣ヶ峰」(3776m)をご紹介いたします。
(写真は一部古く、他は2015(H27)年9月5日撮影)
今年2020(令和2)年、夏の富士登山は新型コロナウイルスの関係で全ての登下山道は閉鎖されています。 ご注意ください。
それでは利用させて頂きました山小屋『白雲荘』さんから出発です。 まず白雲荘さんに設置された山の神様に安全登山を祈願致します。
《六根清浄》(ろっこんしょうじょう)について 霊山などに登山する際、金剛杖を携え「六根清浄」・「六根清浄」と唱えながら登ります。 それによって登山者の心身が清らかとなり、その功徳によって無事に登山ができる様に祈るもので、六根の罪の懺悔を説いた『観普賢菩薩行法経』(かんふげんぼさつぎょうぼうきょう)という経典に基づいているのだそうです。
《六根》とは 眼根(げんこん)⇒視覚器官と視覚能力 耳根(にこん)⇒ 聴覚器官と聴覚能力 鼻根(びこん)⇒ 嗅覚(きゅうかく)器官と嗅覚能力 舌根(ぜつこん)⇒味覚器官と味覚能力 身根(しんこん)⇒触覚器官と触覚能力 意根(いこん)⇒ 思惟(しゆい)器官と思惟能力 以上の6種をいい、この六根が清浄になることを「六根清浄」というそうです。
これは昭和の時代に母と富士登山をした時の思い出です。 手に持つ杖が「金剛杖」です。
富士山の八合目から上は浅間神社の境内になります。
富士山は、聖徳太子が初めて登り、役の行者(えんのぎょうじゃ)が登山を広めたと伝えられています。 日本各地には、富士山に登ること、見ることもできなかった遠方の方々が、故郷の山を富士山に見立てて、「〇△〇富士」と名付けた『ふるさと富士』が沢山あります。
外国人登山者としては、英国の大使オールコック氏が初登頂されました。 また1872(明治5)年に女人禁制が解除されるが、それ以前の1832(天保3)年に尾張徳川家の奥女中「高山 たつ」が男装をして登頂しているそうです。
富士山は石川県・岐阜県の県境にある《白山》と富山県の《立山》と共に❝日本三霊山❞と言われています。 (参考書籍:新版「日本三百名山 登山ガイド」山と渓谷社)
浅間神社の境内に入った八合目から山頂へは厳しい登りが続きます。
八合目から90分、ゆっくり登っても120分頑張れば、富士吉田口の山頂「久須志神社」に到着します。 最後の最後、「アッ鳥居が見えた。」と思っても中々着かない。
標高3710m久須志神社前に登頂。「やった~」
水分補給して、休憩し落ち着いたら、神社に無事登頂お礼の参拝を済ませ、御鉢巡りに進もう。
御鉢巡りは、山頂の噴火口を一周するもので、雄大な景色を眺めながら約1時間で廻ることができます。 私達は久須志神社から時計回りに御鉢巡りを始めました。
御鉢巡りはハイキング気分なのですが、きつい登りも有りますし高山病になられた方には大変辛いものがあります。 私達の登山は9月上旬で、下界ではまだ夏の余韻に浸っている頃ですが富士山頂にはツララが見られました。 100m上がる毎に0.6℃気温が下がる事に頷けます。
歩き出して間もなく、左手下方に1707(宝永4)年に噴火活動してできた宝永山が見えます。 山頂の右手に宝永火口があります。
浅間大社奥宮や銀明水があり、また登山口の富士宮ルートや御殿場ルートの山頂到着地点でもあり、賑やかな山頂です。
ここまで来ると日本最高峰の『剣ヶ峰』3776mは直ぐ目の前です。行ってみよう。 気象観測所が見える最高峰までの登りがきつい。 でも最後の力を絞り出す。
剣ヶ峰にある二等三角点の標示板
剣ヶ峰から俯瞰した噴火口
世界文化遺産である日本の霊峰。 新型コロナウイルスの終息を願い、来年は登山できることを心からお祈り致します。