素晴らしい風景!!

色々歩いた山や国内の風景等をご紹介いたします。

▲ ゴンドラ山頂駅から入笠山へ ▲

2023年09月28日 | 南アルプス

南アルプス 北端にある花と星の名山を歩いてきました。

入笠山(標高 1955m)は富士見町と伊那市に跨り、赤石山脈(南アルプス)の最北部に位置し、❝ 花の百名山 ❞としても人気の高い山です。

山のほとんどを針葉樹林に覆われたの豊かな山でもあります。                            高原状の山頂付近には大小の湿原と池、そして草原が点在し6月中旬にはスズランをはじめノハナショウブ、クリンソウ、ヤナギランなど可憐な花々が咲き競う山であります。

最初の予定ではゴンドラリフトを利用せず、沢入登山口からの入山を計画していましたが、途中に『入笠山マイカー規制』 の看板に沢入駐車場は利用できません。                      駐車は富士見パノラマリゾートをご利用くださいと表示されており、戻った。

富士見パノラマリゾートはスキー場であり、駐車場は広々していた。

こちらのゴンドラリフトが通年運行されているため、四季を通じて多くのハイカーや登山者で賑わっているようです。

到着、7時 40分。                                                  ゴンドラリフトの乗車券は8時 15分から発売しますとのことで、それまでに登山準備をした。

8時 12分、乗車券販売窓口に向かう。                             乗車券を購入し富士見パノラマリゾートの建物内に入ると、広いスキー場のゲレンデに出た。広々していて、とても気持ち良い。

ゲレンデを左手に見ながら北へ進むと、「ゴンドラすずらん」と書かれた建物が見え、まだ準備中で少し待ち8時半に乗車。                                         山麓駅の標高が 1050mで山頂駅が 1770mの標高差 720mを約 15分ほどで運んでくれた。   そのゴンドラが凄い急斜面をスイスイと登って行くのを見て、8月から全然歩いてなかったのでゴンドラリフトを利用して正解だった。

ゴンドラには自分が一番乗車であったので、山頂駅にはまだ誰の姿もなかった。

山頂駅出発、8時 55分。まず一番近い 「入笠湿原」を目指す。

入笠湿原は入笠山麓の標高 1734mに位置する面積約 1.85ヘクタールの湿原で、変化していく状態によって「低層湿原」・「中間湿原」・「高層湿原」の3種類に区分されており、入笠湿原は「高層湿原」にあたるそうです。

歩き出して直ぐに迎えてくれたクガイソウとノコンギク、ヤマハハコ。                        春から秋にかけて様々な花が楽しめる湿原ですが、やはり春は素晴らしい花園になります。

入笠湿原入口に到着、9時 10分。

入笠湿原には折々の季節の花が咲き誇りますが、特にスズランの大群落地として有名で、6月中旬の花期には湿原一帯がスズランの甘い香りに包まれるそうです。

9月下旬の今では、ノコンギクやエゾリンドウが沢山見られた。

湿原内は木道で、歩く場所は限られている。

花の良い時期に来れば、木道から見るスズランやエゾリンドウ、ヤナギランが一面に咲く景色は圧巻であろうと想像できる。

入笠湿原内にある案内板。

湿原を抜け、広い道に出て山彦荘 の前を左折し、沢入登山口方面からの道とのT字路を直進すればマナスル山荘前に着く。

山彦荘前からお花畑に向かう。

前方の山の斜面に広がる 「お花畑」 が見えてきた。お花畑入口通過、9時 36分。

お花畑で見た有毒の『ホソバトリカブト』

華奢な草姿の『キオン』

高原に秋の訪れを告げる花として人気の『マツムシソウ』

花期は8月上旬で、葉がヤナギに似て花がランの様に美しいピンクの花をつける、秋には長い白毛のある種子を多数風に乗せる『ヤナギラン』

頭花は茎の先に直立して付き、秋の野で普通に見られる『ノハラアザミ』

御所平からは左手にお花畑、右手に牧場を見ながら 15分ほど急登すると入笠山山頂への分岐点に出る。どちらに進んでも山頂に出る。入笠山登山道分岐通過、9時 57分。

右は岩場コース、左は迂回コースと表示されていたが、岩場コースに挑戦。            岩場コースを緊張して登ったが、ただ登山道に岩が少し有るだけの普通の道でした。

10 時 12分、入笠(にゅうかさ)山山頂に到着。

ガイドブックには、入笠山からの展望は実に雄大で、東面には釜無川を隔てて八ヶ岳の峰々が、南面には南アルプス北部の雄峰「甲斐駒ヶ岳」や「仙丈ケ岳」が大きく迫る。そして西面に中央アルプス、北面には北アルプスも美しいと書かれております。                    また、天文ファンにとっては近くに高い山がないので空が広く、流星群の観測などに人気の山だとも書かれていました。

ところが何と山頂に立ったら白一色の雲の中でした。

唯一山頂から見えたのが、麓の町「富士見町」でした。

花の百名山として人気のある『入笠山』には春の花の時期に再度訪れてみたい。

 

 

                   

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🔶 やどりき水源林散策 🔶

2023年09月17日 | 河川

私たちが安心して飲めるは、どの様にしてそれぞれの家庭に届いているのでしょうか ❓

豊かな生活を守るために、森林は大切な働きをしています。                   特に私たちが毎日使う水を安定的に確保するためには、水源地域の森林が元気で活力あることが大切です。

渓流散策と丹沢の成り立ちを、かながわトラストみどり財団『かながわインストラクターの会』の皆さんよるミニ講座を受け、各班に分かれて水源林散策をしてきました。   

今回歩いた水源林散策は、丹沢山地の鍋割山(標高 1272.5m)付近の源流より山地の雨水を集めて流れる中津川の上流部「寄沢」であります。

松田町寄地区を流れる中津川の上流に赤く塗られた「寄(やどりき)大橋」があります。

その更に上流に管理棟、集会棟 、休憩棟が建ち、林間広場のある集会棟前にてミニ講義を受講しました。

❝丹沢の成り立ち❞を勉強してから、各班に分かれて寄沢を上流へと進みます。

歩き始めの礫は小さいのですが、上流に向かって進んで行くと礫が段々大きくなっていきます。                                            水に洗われ露出した岩は海底の堆積物が隆起したもので、この地域では凝灰岩がが多く見られます。

上流に向かうと川幅が狭くなり、何度か渡渉箇所が現れるのですが、森の案内人さんがアルミの橋を渡して下さり水に入らずに済みました。

小さな石を「礫」と言います。                                岩石の風化岩片や河床などの堆積物を扱う地質学上の呼び名で、礫を直径2mm以上の岩片と定められています。

2~4mm未満が細礫、4~64mm未満が中礫、64~256mm未満が大礫、256mm以上が巨礫と言うように区分されています。

礫の種類には、石英閃緑岩、玄武岩、細粒凝灰岩、火山礫凝灰岩などがあります。

上流に進むと川幅は狭くなり、礫は次第に大きくなってきます。                         この辺りで見られる礫のほとんどが巨礫に区分されます。

寄沢の右岸左岸を交互に蛇行しながら上り詰め、川幅が狭くなり河川の上流を見ると枕状溶岩の巨礫が目に飛び込んできます。                                        巨礫の大きさは約3mあり、溶岩の色彩は青白く 20~50cm程の岩石が固結したように見えます。

枕状溶岩とは、長い枕の様な塊りの集合でできている溶岩。                            玄武岩質の溶岩が海底など水中に流出して急に冷やされた時にできるようです。

この枕状溶岩は 1700万年前ころ南の海の海底火山から噴出した溶岩が枕状の様な形に固まったもので、こちらの「やどりき水源の森」で見ることができます。

寄沢を枕状溶岩まで遡上し、帰りは林道を歩いて集合棟まで戻りました。

林道脇には森林再生パートナーとして寄付された沢山の企業・団体等の看板が見られ、また赤ちゃんの誕生したご家族から苗木を寄付して頂き、お子様の健やかな成長と苗木を重ね合わせた 「成長の森」が平成19年(2007)から始まり新たな森を育んでおります。

 

🍄 林道歩きで見つけたキノコ 🍄

『カワラタケ』                                      枯れた幹や切り株から瓦の様に重なって発生する。                         傘は触ると革質で固く、形は半円形で重なり合って生えています。

『カラカサタケ』                                           各種森林のほか、草地・竹林などに生える大型のキノコ。                             傘は直径 15cm以上で、これは低かったのですが 30cmほどになるようで、柄にリング状のツバが目立ちます。

次は木ですが、面白い名前の『アブラチャン』                                       落葉広葉樹林に自生する落葉小高木で、樹木全体に油分が多いことを指した名前です。     果実は液果で触ると脂っぽい感触があります。

『タマアジサイ』                                                日本固有種で山地の林縁や沢沿いに生える落葉低木です。                          つぼみが総苞で包まれて玉のようになることから、こう呼ばれています。

それほど好天でも無かったが今年は蒸し暑く、最後に同班の人と集合棟近くにある『滝郷の滝』へ行きマイナスイオンを浴びてきました。 

滝の高さは約 30m、幅は2m、上流部は左に曲がり薄暗いですが3段の滝とのことです。

                                           滝つぼ近くの地層は良く洗われていて、河原でよく見られる火山角礫岩であることがわかりました。

 

 

 


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▲ 憧憬の夏山 ▲

2023年09月08日 | 北アルプス

今年(2023)の夏は 暑いだけで不安定な気象状況が続き、2050年頃になると、日本の夏は気温が40度を超える日が有るとテレビで聞きました。 

世界各国での気象異変により発生した災害を目にすると、納得できる感じがします。

 

6月頃から暑くて「熱中症に注意」と叫ばれる中、野外での作業中に熱中症に罹ってしまった私としては、中々「山に行ってくる。」とは言えなくなり、悶々とした夏を過ごしました。

そんな事で以前に山仲間の皆さんと歩いた夏山をご紹介いたします。

北アルプスの中央部に位置する黒部五郎岳(標高 2840m)~三俣蓮華岳(標高 2841m)~双六岳(標高 2860m)付近のご案内であります。

 

先ずは東側に壮大なカールを見せてくれる黒部五郎岳を目指します。

黒部五郎岳は美しいカールを抱える秀峰であります。                          一方、三俣蓮華岳は高山植物が咲き乱れるお花畑の美しい山として知られており、この二つの山を結ぶコースは、秘境ムード漂う雲上の楽園であり登山者を魅了させてくれます。

黒部五郎小舎に大きな荷を預け、荷を軽くして黒部五郎岳を目指します。

カール内に入り、東方向に目をやると遠く左から水晶岳(標高 2978m)、その右にワリモ岳(標高 2888m)、鷲羽岳(標高 2924m)の稜線が見えます。

大きな岩が集まった雷岩付近には綺麗な水が湧き出し、その美味しい水で喉を潤す。

山頂を目指し、カールの北側から稜線に向けて急な登山路に取り付く。

正面のどっしりした岩峰が黒部五郎岳の本峰で、右手の斜面を登り稜線に出た。       北アルプスにおける2回の氷河期のうち、黒部五郎岳のカールは年代が新しい約2万年前の氷河期にできたものとのことで、そのために痕跡も鮮やかに残ったものと推測されています。

山体は1億 8000万年前にできた古期花崗岩が占め、これが浸食に弱い粗粒だったために鋭利なピークは造られなかったようです。                                   東側が欠けた鍋の様に見えることから、かつては鍋岳とも呼ばれていました。

                                        

この尾根は 南側の稜線ルートであり、これを下れば今日の宿「黒部五郎小舎」の前に出るのだが、午後に雲が 出たら雷雨の恐れありと言うことで、「雲が出たらカールの道を引き返すように 」と小舎から観天望気の支持を頂き、往路を戻った。

黒部五郎岳と三俣蓮華岳の間に池塘が点在する草原が五郎平。                      この草原に建つ三角屋根の洒落た黒部五郎小舎がお世話になった山小屋であります。

翌日も好天に恵まれ、全員元気に三俣蓮華岳を目指す。

稜線に出るまでの登山道は岩のゴロつく狭い涸れ沢の急登であったが、歩き始めであり皆さん難なく登り切りました。                                            稜線に出たら抜戸岳から笠ヶ岳の稜線が目に飛び込み、皆さん益々元気。

尾根上の登山道には、花が終わり羽毛状になったチングルマが迎えてくれた。

三俣蓮華岳に近くなったら、左から祖父岳、ワリモ岳、右の大きいピーク鷲羽岳が見え、その下は黒部川源流にあたる。

先行する仲間たちは、既に三俣蓮華岳(標高 2841m)山頂に立ち周りの山岳風景を楽しんでいた。                                         三俣蓮華岳は富山県、岐阜県、長野県の三国の境として古来から重要視されてきました。

三俣蓮華岳を基点として北西に立山連峰、北東に後立山連峰、南には槍・穂高連峰につながる尾根が延び、それらの間から黒部川・高瀬川・神通川の各源流が発しています。

                                 

三俣蓮華岳山頂からの景色を楽しみ、次は丸山経由で双六岳を目指す。

双六岳に向かう稜線上の南東方向に槍ヶ岳など山岳風景を望みながら尾根を進む。

稜線上から来た道を振り返ると、雲ノ平を囲む東側の山塊、左が三俣蓮華岳、中央が水晶岳、右手が鷲羽岳であり、北アルプスの中央部に位置する山々であります。

双六岳(標高 2860m)山頂。                                      この山一帯の地質は石英閃緑岩を主とした深成岩であります。

双六岳山頂を通過すると進路を南東方向に向け、広い尾根道を槍ヶ岳に向けて進みます。

登山道脇に咲くトウヤクリンドウ。

双六小屋に到着。                                                正面の山は槍ヶ岳に向かう西鎌尾根の取付き、樅沢岳(標高 2755m)。

双六小屋からは南側にある双六池のキャンプサイトを抜けて行く。

この先は鏡池のある鏡平山荘を通過し、奥飛騨温泉郷の最奥にあたる新穂高温泉に下りました。

 

 

                             


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