南会津流半農半スキー 和泉屋AK.T

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熊打ち手伝い

2014-04-27 22:33:28 | 里山の暮らし

さあ、トマトの育苗床も整い、あとは共同育苗で生産している苗の配布を待つばかり。

と、そんな時。親父の地元マタギ仲間から熊打ち手伝いの声が掛り行って来ました。

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地元マタギのヒロさんとコウイチさん。

今日はこの大先輩に教えを乞いながら、私は熊打ちの勢子(セコ)をやることになります。

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さっそく打合せをし、熊が潜んでいる倉(がけ)を目標に二手に分かれます。

私はヒロさんと同行。

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この歩いている杣道。実はいにしえの道なんです。

所どころに、このような石垣が残っている。今となっては熊打ちとか山菜取りでしか利用しない道ですが、昔は主要道だったのです。

と、そんな時。

ボッボッボッボッ…、不気味な重低音が。

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ヤマドリの雄でした。

雄鶏は我々に分かりやすく歩き回り、潜んでいる雌鶏に気づかれないよう注意を惹きつけるべくパフォーマンスをしていたのでしょう。

突然、離れた藪から雌鶏が追いかけるように飛んで行きました。

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ブナの大木には、熊棚がたくさん。

ツアー中には「ほら見て!」と得意満面に熊棚を指さすのですが、この熊打ちとなると冬眠から目覚めた熊が取りこぼしのブナの実を探しに来る場所として、放っておけない重要ポイントとなるわけです。

じっくり熊の痕跡を探します。

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中折れしたブナの大木に、穴が開いていました。

鉈でトントン叩きながら、中の様子を伺います。

穴の出入り口付近の様子から、熊が入った形跡は見当たりません。

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さて、熊が潜んでいると思われる倉(がけ)を取り巻き、鉄砲を打つ(タヅ)のヒロさんコウイチさんが配置し、おー!おー!と声を張り上げる勢子(セコ)の私がこの急斜面を追い立てることになりました。

しかし、今回はどうやらこの倉には熊が付いていなかった。

大きなカモシカだけが逃げて行ったとのことでした。

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よし、それならばと、熊が潜んでいると思われる次の場所へ移動です。

今度はコウイチさんの後に付いていきます。

それにしても、歩くのが早い!

地図もいらず、すべての尾根・谷を熟知しています。

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次のポイントでは、でっかい熊の足跡が!

無線でやり取りしながら緊張が走ります。コウイチさんと私は息をひそめ、追い立てられた熊が来るであろう道筋に待ちかまえます。

私はもう一つ向こうの沢に逃げ込んでいかないか監視の役目。

鉄砲をもたない熊撃退スプレーだけの私も、びくびくして待ちます。

目が離せない…。

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しかし、熊は別ルートからまんまと逃げてしまった。

包囲から逃げ出した足跡は沢を渡って向こうの山へ。

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今回も熊を射止めることは出来なかった。残念…。

でも今回もどきどきして楽しかった。

この鉄砲ぶちこそ野生動物と駆け引きをしながらやり合う、本来の南会津の暮らしではないだろうか。

人間も生態系の一つ。そういう意味ではこの鉄砲ぶち・マタギも重要な役割を果たしていると思う。

自分も、ただ自然の貴重さ、綺麗さ、素晴らしさだけをお客様へ伝えるのではなく、古来からの人間と自然のかかわり方を実践しながら、上辺だけでない本当の南会津の自然の良さを伝えられるような生き方をしていきたいと思うのでした。

もちろん、原発の無い世界で…。

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