ウサギなどの狩猟期間は2月15日までとなっている。有り難いことにテレマークレッスンやスキーガイドはそれはそれで忙しく、この先も狩猟に出向く機会がなさそうだ。ということで、ここらへんで固め打ちと以前から気になっていた窓明山方面のブナ森へ向かった。
国道から窓明山への登山道へ取りつく。
昨日までのぐさぐさな湿雪と新たな降雪ですねほどのラッセル。スキーで来る度に登り下りとも難儀させられる窓明への登り出し。
標高1,000mを越えるとようやく見通しの良いブナ森となる。
ウサギ狩りを効率よくするにはグループで巻き狩りをするのがよいのだけど、最近はウサギの数が減りそれを狙う猟師もいない。でも、先日運よく仕留めたウサギは本当に旨かった。またウサギを獲りたい…。
さあ、ここら辺でストックから鉄砲に持ち替え、忍び猟を始める。
標高を上げるにつれ雪も風も強くなってくる。視界も良くはない。
雪は横殴り、山はごうごうと唸り声が止まない。
やはり、当初予定の窓明1,500m付近のブナ森へは止めておくことにした。ずっと手前の巽沢山付近で泊まることにし、ここらへんでじっくり歩き回ることにする。
早いとこ寝床を作り、身軽にして巽沢周辺のブナ森のウサギを探そう。
轟音のブナ森を歩き回る。
尾根の斜面に、ふと立ち去るカモシカがいた。
どうやらカモシカは風雪を避けようと、大樹の陰にじっと身を忍ばせていたようだ。
なるほど、こういう時はほとんど動かず木の根元にうずくまっているのか。
ウサギもこういう場所に潜んではいないかと、大木の根元や穴を探し回る。
午後の4時まで探し回ったが、見たのはあのカモシカだけ。ウサギどころか小鳥さえほとんど見られない。
やはり親方たちが言う通り、天気が悪いと猟にならない。これで実感…。
外は吹雪でー8℃だが、中はー2℃。ウィスキーをちびちびやりながら、長い夜を過ごした。
明日は午前中から日本海の前線が近づく。早めに降りることにする。
寝床の入口からは気持ちの良いブナ森。昨夜の吹雪は止んでいた。
谷向こうの高畑スキー場方面から朝日が差してきた。
ほんのり赤味がかったブナ森。直ぐ降りるのももったいないので、新雪のパウダーをひとり楽しんだ。
泊り装備のザックに鉄砲担いでのパウダーは、荷の重たさを感じさせないほどの浮遊感!
興奮でひとり奇声を発し、せっかくのウサギも逃げただろう…。ま、いいや。
下山する頃には素晴らしい青空。諦めきれないぼくは、麓でも探し回るがやはり姿を見なかった。
うーむ、これでもしウサギが獲れれば最高だろうな。パウダーもいただいてウサギもいただく…。
狩猟期間終わりまで、あと1回は行きたいなあ。
帰り道、畑に立ち寄った。
降ったばかりの尾白山も、一段と白い。
我が家の積雪計は155㎝。これだけ雪が積もれば、春からのトマト栽培もいいだろう。
まだまだ先だが、少しトマトが恋しくなった。