解字をやり直しました。
言 ゲン・ゴン・いう・こと 言部
解字 甲骨文字第1字は、刃物(∇)の下が伸びて口(くち)が付いたかたち。口から連続して出る音声が刃物で区切られる意で、音がひとつひとつ区切られて言葉になる意。第2・3字は∇の下から伸びた線に一やVがついた形で、刃物である辛シンの甲骨文字と同じ形になっている。甲骨文字の意味は、「いう・報告する・通達する[甲骨文字辞典]」で、区切ってはっきり言う意味になっており、これが言(ことば)の始まりである。金文は甲骨第3字のVが曲線化した形。篆文で上に短い一が追加された。隷書(漢代)では第2字で、口の上のすべてが横の線に変化し、現代字の言に続く。
音符「言ゲン」は、厳密にいうと音符となる字はない。会意文字を集めているので、発音はバラバラである。言は部首となる。
意味 (1)いう(言う)。はなす。述べる。「言論ゲンロン」「断言ダンゲン」 (2)こと(言)。ことば(言葉)。「言行ゲンコウ」「遺言ユイゴン」
参考 言ゲンは、部首「言ごんべん・ことば」になる。左辺や下部に付いて、言葉・言葉を発する・言葉を使う意を表す。言部は常用漢字で68字(第6位)、約14,600字を収録する『新漢語林』では332字が収録されている。主な字は以下のとおり。
訂テイ(言+音符「丁テイ」)
訪ホウ・たずねる(言+音符「方ホウ」)
詳ショウ・くわしい(言+音符「羊ヨウ」)
詰キツ・つめる(言+音符「吉キチ」)
語ゴ・かたる(言+音符「吾ゴ」)
請セイ・こう(言+音符「青セイ」)
警ケイ(言+音符「敬ケイ」)
誉[譽]ヨ・ほまれ(言+音符「與ヨ」)
誓セイ・ちかう(言+音符「折セツ」)など。
イメージ
「はっきりという・いう」(言・信・詈・罰)
「仮借カシャ(当て字)」(這)
音の変化 ゲン:言 シャ:這 シン:信 バツ:罰 リ:詈
はっきりという・いう
信 シン・まこと イ部
解字 「イ(人)+言(はっきりという)」の会意。一度はっきりと言ったことを押しとおす人の行為。
意味 (1)まこと(信)。「信義シンギ」 (2)信用する。「信任シンニン」 (3)ニュース・たより。「音信オンシン」「風信フウシン」
詈 リ・ののしる 言部
解字 「罒(=网。あみ)+言(はっきりという)」の会意。罪人を罒(網)で捕らえて言(はっきりという)こと。ののしる意となる。
意味 ののしる(詈る)。きびしく非難する。「詈言リゲン」(ののしる言葉)「罵詈バリ」(罵も詈も、ののしる意)
罰 バツ・バチ 罒部
解字 「詈(ののしる)+刂(刀)」の会意。詈って刀でこらしめること。
意味 (1)ばつ(罰)。しおき。こらしめ。「処罰ショバツ」「罪つみと罰バツ」「罰則バッソク」「体罰タイバツ」「罰金バッキン」 (2)ばち(罰)。罪のむくい。「天罰テンバツ」
仮借カシャ(当て字)
這 シャ・ゲン・この・はう 辶部
解字 「辶(ゆく)+言(いう)」の形声。本来は言葉を出しながら迎えにゆく意だが、この・これの意に仮借カシャ(当て字)された。また、日本では幼児が言葉を出しながら行く意から、「はう」という動詞に用いる。常用漢字でないため、二点しんにょう。
意味 (1)この。これ。「這般シャハン」(これら。このたび)「這裏シャリ」(このうち) (2)[国]はう(這う)。はらばう。「這子ほうこ」(はいはいする人形)「這松はいまつ」(地を這うように枝がのびる松)
<紫色は常用漢字>
お知らせ
主要な漢字をすべて音符順にならべた、『音符順 精選漢字学習字典 ネット連動版』石沢書店(2020年)発売中です。
言 ゲン・ゴン・いう・こと 言部
解字 甲骨文字第1字は、刃物(∇)の下が伸びて口(くち)が付いたかたち。口から連続して出る音声が刃物で区切られる意で、音がひとつひとつ区切られて言葉になる意。第2・3字は∇の下から伸びた線に一やVがついた形で、刃物である辛シンの甲骨文字と同じ形になっている。甲骨文字の意味は、「いう・報告する・通達する[甲骨文字辞典]」で、区切ってはっきり言う意味になっており、これが言(ことば)の始まりである。金文は甲骨第3字のVが曲線化した形。篆文で上に短い一が追加された。隷書(漢代)では第2字で、口の上のすべてが横の線に変化し、現代字の言に続く。
音符「言ゲン」は、厳密にいうと音符となる字はない。会意文字を集めているので、発音はバラバラである。言は部首となる。
意味 (1)いう(言う)。はなす。述べる。「言論ゲンロン」「断言ダンゲン」 (2)こと(言)。ことば(言葉)。「言行ゲンコウ」「遺言ユイゴン」
参考 言ゲンは、部首「言ごんべん・ことば」になる。左辺や下部に付いて、言葉・言葉を発する・言葉を使う意を表す。言部は常用漢字で68字(第6位)、約14,600字を収録する『新漢語林』では332字が収録されている。主な字は以下のとおり。
訂テイ(言+音符「丁テイ」)
訪ホウ・たずねる(言+音符「方ホウ」)
詳ショウ・くわしい(言+音符「羊ヨウ」)
詰キツ・つめる(言+音符「吉キチ」)
語ゴ・かたる(言+音符「吾ゴ」)
請セイ・こう(言+音符「青セイ」)
警ケイ(言+音符「敬ケイ」)
誉[譽]ヨ・ほまれ(言+音符「與ヨ」)
誓セイ・ちかう(言+音符「折セツ」)など。
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「はっきりという・いう」(言・信・詈・罰)
「仮借カシャ(当て字)」(這)
音の変化 ゲン:言 シャ:這 シン:信 バツ:罰 リ:詈
はっきりという・いう
信 シン・まこと イ部
解字 「イ(人)+言(はっきりという)」の会意。一度はっきりと言ったことを押しとおす人の行為。
意味 (1)まこと(信)。「信義シンギ」 (2)信用する。「信任シンニン」 (3)ニュース・たより。「音信オンシン」「風信フウシン」
詈 リ・ののしる 言部
解字 「罒(=网。あみ)+言(はっきりという)」の会意。罪人を罒(網)で捕らえて言(はっきりという)こと。ののしる意となる。
意味 ののしる(詈る)。きびしく非難する。「詈言リゲン」(ののしる言葉)「罵詈バリ」(罵も詈も、ののしる意)
罰 バツ・バチ 罒部
解字 「詈(ののしる)+刂(刀)」の会意。詈って刀でこらしめること。
意味 (1)ばつ(罰)。しおき。こらしめ。「処罰ショバツ」「罪つみと罰バツ」「罰則バッソク」「体罰タイバツ」「罰金バッキン」 (2)ばち(罰)。罪のむくい。「天罰テンバツ」
仮借カシャ(当て字)
這 シャ・ゲン・この・はう 辶部
解字 「辶(ゆく)+言(いう)」の形声。本来は言葉を出しながら迎えにゆく意だが、この・これの意に仮借カシャ(当て字)された。また、日本では幼児が言葉を出しながら行く意から、「はう」という動詞に用いる。常用漢字でないため、二点しんにょう。
意味 (1)この。これ。「這般シャハン」(これら。このたび)「這裏シャリ」(このうち) (2)[国]はう(這う)。はらばう。「這子ほうこ」(はいはいする人形)「這松はいまつ」(地を這うように枝がのびる松)
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