漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「气キ」<水蒸気を含む空気>「気キ」「汽キ」と「乞キツ」

2013年04月11日 | 漢字の音符
 キ・ケ  气部きがまえ           

解字 雲気が空に流れ、その一方が垂れている形。水蒸気をふくむ空気の意を表わす。気・汽の原字。単独では使われず、部首「气きがまえ」になる。

イメージ 
 空のなかの「蒸気」(気・汽)
 氣の意味である、米をふかすとき蒸気が「ふき出る」(愾)
音の変化  キ:気・汽  ガイ:愾 

蒸 気       
[氣] キ・ケ  气部
解字 旧字は氣で「米+气(蒸気)」の会意形声。米をふかすときにふき出る蒸気のこと。転じて、气のもとの意味も含めて広く空気や自然現象、人や社会の動きなどにも使われる。新字体は、米→メに変化した。
意味 (1)くうき。すいじょうき。「空気クウキ」「水蒸気スイジョウキ」「気化キカ」 (2)自然現象。「気候キコウ」「電気デンキ」 (3)いき・呼吸。「気息キソク」(息づかい)「呼気コキ」(吐き出す息) (4)ようす・けはい。「気配ケハイ」 (5)心のはたらき。「気力キリョク」「短気タンキ
 キ  氵部
解字 「氵(水)+气(蒸気)」の会意形声。气には蒸気の意があり、氵(水)をつけて水蒸気の意に限定した。
意味 ゆげ。水蒸気。「汽車キシャ」「汽船キセン」「汽笛キテキ

ふきでる
 ガイ・カイ・キ・いかる  忄部
解字 「忄(心)+氣(ふき出る)」の会意形声。心から感情がふきでること。
意味 (1)いかる(愾る)。いきどおる。「敵愾心テキガイシン」(相手に対する怒りから発する強い闘争心) (2)なげく。ため息をつく。


    キツ <雲気があがって上空でただよう>
 キツ・こう  乙部

解字 雲気が上って上空でゆきづまり、ただよっている形の象形。もと気と同字。のち分化して雲気の「気」、「乞」(乞求。こいもとめる)となった。古くは雲気に卜(うらない)し祈ったので、乞(こいもとめる)意となった。
意味 こう(乞う)。こいもとめる。「乞食コジキ・コツジキ」「乞命キツメイ」(命ごいをする)「乞巧奠キコウデン・キッコウデン」(陰暦七月七日、織女星・牽牛星に手芸等の上達を祈る行事。現代の七夕祭)

イメージ 
 「もとめる」
(乞)
  雲気がただよう「空の上」(屹)
  雲気が上空で「ゆきづまる」(吃・迄)
音の変化  キツ:乞・屹・吃・迄

空の上
 キツ・そばだつ  山部
解字 「山(やま)+乞(空の上)」の会意形声。山が空の上までそびえたつこと。
意味 そばだつ(屹つ)。山が高くそびえる。「屹立キツリツ」(そびえ立つ)「屹然キツゼン」(①そびえ立つさま。②周囲から独立しているさま)

ゆきづまる
 キツ  口部
解字 「口(くち)+乞(ゆきづまる)」の会意形声。口の中で言葉や息がつまること。
意味 (1)どもる(吃る)。言葉がつかえる。「吃音キツオン」(どもること) (2)息がつかえる。「吃逆しゃっくり」「吃驚びっくり・キッキョウ」 (3)(喫キツに当てた用法)飲む。食べる。吸う。「吃煙キツエン」(=喫煙)
 キツ・まで  之部
解字 「之(ゆく)+乞(ゆきづまる)」の会意形声。ゆきづまる所までゆく意で、およぶ意と、そこまでの意となる。
意味 (1)およぶ。いたる。 (2)まで(迄)。「今迄いままで」「是迄これまで
<紫色は常用漢字>



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1 コメント

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はじめまして、初コメントです! (めぐみ)
2013-04-11 23:33:21
はじめまして!めぐみっていいます、他人のブログにいきなりコメントするの始めてで緊張していまっす(▼-▼*) エヘ♪。ちょくちょく見にきてるのでまたコメントしにきますね(*^^*)ポッ
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