厭エンの解字をやり直しました。
厭 エン・ヨウ・オウ・オン・あきる・いとう・いや 厂部 yàn・yā・yǎn・yān・yì

解字 金文は「口+月(肉)+犬」で意味は、あきる・いとう(いやがる)意味で使われている。なぜ「あきる・いとう」意になるのか明らかでない。覚え方として「犬が口で肉(月)を食べ飽きる」としておきたい。篆文になると口の中に点がはいり厂ガン(がんだれ)がついた。[説文解字]は、この猒エンの部分について「猒エンは飽(あき)る也(なり)。甘に従い肰エンに従う」とし、口に点が入った部分を甘カン(口に物をふくむ形)としている。そして厂ガンがついた厭エンは「厭は笮サク(迫りおおう)也(なり)。厂ガンに従い猒エンの聲(声)。一に曰(いわ)く合う也(なり)」とする。合う也(なり)は満足する意と思われる。なお、楷書は甘⇒日に変化している。
[説文解字]の説明だけでは全体の意味を把握するのはむずかしいが、厂ガンが厓ガン(がけ)に通じることから、上から押す・押さえつける意味も出てきて以下のような多様な意味をもつ字となった。
意味 (1)満足する。「厭足エンソク」(十分になって満足する)(2)あきる(厭きる)。十分すぎていやになる。いや(厭)。「厭味いやみ」「厭倦エンケン」(あきていやになること。厭も倦も、あきる意)(3)いとう(厭う)。きらう。「厭戦エンセン」(戦争を嫌う)「厭世エンセイ」(世の中がいやになること)「厭離穢土エンリ(オンリ)エド」(この世をけがれたものとして厭(いと)い離れること)(4)おす。おさえつける。「厭抑ヨウヨク」(厭も抑も、おさえる意)(5)呪術で抑え込む。はらう。しずめる。「厭勝ヨウショウ・エンショウ」(まじないをして人をおさえ(=勝つ)しずめる。また、そのまじない)「禁厭キンエン」(まじないをして悪事・災難を寄せつけない=禁ずる)
覚え方 がけ(厂)のした、日と、月みながら、犬とくらすの、もう、いや(厭)、あ(厭)きた。
イメージ
「あきる」(厭)
「おさえつける」(圧・魘・黶・靨)
音の変化 エン:厭・魘・黶 アツ:圧 ヨウ:靨
おさえつける
圧[壓] アツ・オウ・おさえる・おす 土部 yā
解字 旧字は「土(つち)+厭(おさえつける)」 の会意形声。厭には、もともとおさえつける意があるが、主にあきる・きらうなどの意で使われるので、土をつけて、おさえる意をはっきりさせた字。新字体は、壓から猒を省いた圧になった。
意味 (1)おさえる(圧さえる)。おす(圧す)。へす。「圧迫アッパク」「圧縮アッシュク」「圧力アツリョク」「血圧ケツアツ」(血管内の血液の圧力)(2)おさえつける力。「気圧キアツ」「電圧デンアツ」(電位の高さの差)
魘 エン・うなされる 鬼部 yǎn
解字 「鬼(おに)+厭(おさえつける)」 の会意形成。夢で鬼に抑えつけられて、うなされること。※提案:新字体の圧にならって、「厂+鬼」と書いたらどうか。また、自己流の速記で使える。
意味 (1)うなされる(魘される)。おそろしい夢をみる。「悪夢に魘(うな)されて目が覚めた」「魘夢エンム」(不吉な夢。恐ろしい夢。悪夢)「魘魅エンミ」(妖術で人をのろうこと)「魘死エンシ」(夢にうなされて死ぬ)(2)おそわれる(魘われる)。
黶 エン・ほくろ 黒部 yǎn
解字 「黒の旧字(くろ)+厭(押される)」 の会意形声。皮膚の上に押されたようについている黒い点。ほくろの意となる。※提案:新字体の圧にならって、「厂+黒」と書いたらどうか。また、自己流の速記で使える。
意味 ほくろ(黶)。黒子とも書く。「黶子エンシ」(ほくろ)
靨 ヨウ・えくぼ 面部 yè・yǎn
解字 「面(かお)+厭(押される)」 の会意形声。顔面に指で押されたようにできる、小さなくぼみ。えくぼ。※提案:新字体の圧にならって「厂+面」と書いたらどうか。また、自己流の速記で使える。
えくぼ(ウィキペディアより)
意味 えくぼ(靨)。和訓の「えくぼ」は、笑ったとき、ほおにできる窪みの笑窪(えくぼ)からきている。「靨笑ヨウショウ」(顔にえくぼを作って笑う)「片靨かたえくぼ」
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
厭 エン・ヨウ・オウ・オン・あきる・いとう・いや 厂部 yàn・yā・yǎn・yān・yì

解字 金文は「口+月(肉)+犬」で意味は、あきる・いとう(いやがる)意味で使われている。なぜ「あきる・いとう」意になるのか明らかでない。覚え方として「犬が口で肉(月)を食べ飽きる」としておきたい。篆文になると口の中に点がはいり厂ガン(がんだれ)がついた。[説文解字]は、この猒エンの部分について「猒エンは飽(あき)る也(なり)。甘に従い肰エンに従う」とし、口に点が入った部分を甘カン(口に物をふくむ形)としている。そして厂ガンがついた厭エンは「厭は笮サク(迫りおおう)也(なり)。厂ガンに従い猒エンの聲(声)。一に曰(いわ)く合う也(なり)」とする。合う也(なり)は満足する意と思われる。なお、楷書は甘⇒日に変化している。
[説文解字]の説明だけでは全体の意味を把握するのはむずかしいが、厂ガンが厓ガン(がけ)に通じることから、上から押す・押さえつける意味も出てきて以下のような多様な意味をもつ字となった。
意味 (1)満足する。「厭足エンソク」(十分になって満足する)(2)あきる(厭きる)。十分すぎていやになる。いや(厭)。「厭味いやみ」「厭倦エンケン」(あきていやになること。厭も倦も、あきる意)(3)いとう(厭う)。きらう。「厭戦エンセン」(戦争を嫌う)「厭世エンセイ」(世の中がいやになること)「厭離穢土エンリ(オンリ)エド」(この世をけがれたものとして厭(いと)い離れること)(4)おす。おさえつける。「厭抑ヨウヨク」(厭も抑も、おさえる意)(5)呪術で抑え込む。はらう。しずめる。「厭勝ヨウショウ・エンショウ」(まじないをして人をおさえ(=勝つ)しずめる。また、そのまじない)「禁厭キンエン」(まじないをして悪事・災難を寄せつけない=禁ずる)
覚え方 がけ(厂)のした、日と、月みながら、犬とくらすの、もう、いや(厭)、あ(厭)きた。
イメージ
「あきる」(厭)
「おさえつける」(圧・魘・黶・靨)
音の変化 エン:厭・魘・黶 アツ:圧 ヨウ:靨
おさえつける
圧[壓] アツ・オウ・おさえる・おす 土部 yā
解字 旧字は「土(つち)+厭(おさえつける)」 の会意形声。厭には、もともとおさえつける意があるが、主にあきる・きらうなどの意で使われるので、土をつけて、おさえる意をはっきりさせた字。新字体は、壓から猒を省いた圧になった。
意味 (1)おさえる(圧さえる)。おす(圧す)。へす。「圧迫アッパク」「圧縮アッシュク」「圧力アツリョク」「血圧ケツアツ」(血管内の血液の圧力)(2)おさえつける力。「気圧キアツ」「電圧デンアツ」(電位の高さの差)
魘 エン・うなされる 鬼部 yǎn
解字 「鬼(おに)+厭(おさえつける)」 の会意形成。夢で鬼に抑えつけられて、うなされること。※提案:新字体の圧にならって、「厂+鬼」と書いたらどうか。また、自己流の速記で使える。
意味 (1)うなされる(魘される)。おそろしい夢をみる。「悪夢に魘(うな)されて目が覚めた」「魘夢エンム」(不吉な夢。恐ろしい夢。悪夢)「魘魅エンミ」(妖術で人をのろうこと)「魘死エンシ」(夢にうなされて死ぬ)(2)おそわれる(魘われる)。
黶 エン・ほくろ 黒部 yǎn
解字 「黒の旧字(くろ)+厭(押される)」 の会意形声。皮膚の上に押されたようについている黒い点。ほくろの意となる。※提案:新字体の圧にならって、「厂+黒」と書いたらどうか。また、自己流の速記で使える。
意味 ほくろ(黶)。黒子とも書く。「黶子エンシ」(ほくろ)
靨 ヨウ・えくぼ 面部 yè・yǎn
解字 「面(かお)+厭(押される)」 の会意形声。顔面に指で押されたようにできる、小さなくぼみ。えくぼ。※提案:新字体の圧にならって「厂+面」と書いたらどうか。また、自己流の速記で使える。

意味 えくぼ(靨)。和訓の「えくぼ」は、笑ったとき、ほおにできる窪みの笑窪(えくぼ)からきている。「靨笑ヨウショウ」(顔にえくぼを作って笑う)「片靨かたえくぼ」
<紫色は常用漢字>
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