増補改訂しました。
侯 コウ・きみ イ部
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/2a/d5b2d0e8340036cd99a753b1764323fa.png)
解字 甲骨文は「厂(石の略体)+矢」 の会意。[甲骨文字辞典]は、「甲骨文字では地方領主の意味で用いられている。厂は反ハンにおいては(石器の武器を手でもつ形で)石製の武器として用いられているので、地方領主を石器や弓矢のような原始的な武器を持った勢力と見なした文字と考えられる」としている。金文は甲骨文と同じ形で、意味は諸侯(天子から受けた封土の人民を支配した人)および、官爵名として用いられている。
篆文で上に人がつき、地方領主が人であることを示したものであろう。現代字は篆文の人の腕と厂のタテ線がむすびついてイとなり、人の残りと厂のヨコ線⇒ユに変化した侯となった。音符イメージは「身分の高い人」に設定した。
意味 (1)きみ(侯)。封建時代の領主・大名。「諸侯ショコウ」「王侯オウコウ」 (2)爵位の第2位。「侯爵コウシャク」 (3)まと(侯)。弓矢のまと。「射侯シャコウ」(まとを射る)「侯鵠コウコク」(まと、方十尺なるを侯といい、四尺なるを鵠という)
覚え方 「ひとゆや(イユ矢)で侯」と覚えると書きやすい。
イメージ
「身分の高い人」(侯・候・猴)
「形声字」(喉・篌)
音の変化 コウ:侯・候・猴・喉 ゴ:篌
身分の高い人
候 コウ・そうろう・うかがう イ部
解字 「イ(人)+侯(身分の高い人)」 の会意形声。身分の高い人のそばについて仕える人。イ(にんべん)が重なるので、真ん中のイをタテ線にした候となった。意味は貴人のそばにつかえる意のほか、貴人をまつ、貴人の安全のためまわりの様子をうかがう等の意となり、さらに転じて「きざし」などの意に拡がった。
意味 (1)貴人のそばに仕える。「伺候シコウ」(おそばに奉仕すること) (2)まつ。待ちむかえる。「候補コウホ」(補任を待つ) (3)うかがう。ようすをみる。さぐる。「斥候セッコウ」(敵状さぐる少数兵士)「測候ソッコウ」(気象を観測する) (4)きざし。しるし。「気候キコウ」「兆候チョウコウ」 (5)そうろう(候)。有る・居るなどの謙譲語・丁寧語。「候文そうろうぶん」
猴 コウ・さる 犭部
解字 「犭(けもの)+侯(身分の高い人)」 の会意形声。身分の高く衣冠をつけている人が、ケモノのように礼儀がないさまを言ったことから、転じてサルの意となった。
意味 さる(猴)。ましら。「猿猴エンコウ」(猿も猴も、さるの意)「沐猴モッコウにして冠す」(服装が立派でも野卑で粗暴な人のたとえ。沐猴はサルのたぐいのこと。サルが立派な冠をかぶる)「狙猴ソコウ」(さるの異称)
形声字
喉 コウ・のど 口部
解字 「口(くち)+侯(コウ)」の形声。[説文解字]は「咽(のど)也(なり)。口に従い侯の聲(声)」とし、口のおくにある咽(のど)で発音はコウとする。咽喉インコウと続けて用いる。口の奥から、食道と気管の別れ口までを喉(のど)という。
意味 (1)のど(喉)。のどぶえ。「喉舌コウゼツ」(のどと舌。転じて、言論・言語のたとえ)「喉頭コウトウ」(のど仏の部分。ここを動かして食道へゆく物と気管にゆく空気を切り換えている)「喉笛のどぶえ」(のどの気管へ入るところ)「喉元のどもと」 (2)かなめ。要所。「喉衿コウキン」(のどと、えり。物事の中心になる部分)「咽喉インコウ」(①のど。②のどくび。大切な部分・急所)
篌 コウ・ゴ 竹部
解字 「竹(たけ)+侯(ゴ)」 の形声。もと「空侯クゴ(コウコウ)」とよばれた楽器に、竹かんむりを付けて楽器の「箜篌クゴ(コウコウ)」をあらわす字。
意味 「箜篌くご」とは、ハープに似た弦楽器。かかえて両手でかき鳴らす。「竪箜篌たてくご」ともいう。別名「百済琴くだらごと」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/f2/a7ea40dac551a5ce65baa51cee36ba9e.png)
「箜篌くご(信西古楽図)」(日本国語大辞典より)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
侯 コウ・きみ イ部
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解字 甲骨文は「厂(石の略体)+矢」 の会意。[甲骨文字辞典]は、「甲骨文字では地方領主の意味で用いられている。厂は反ハンにおいては(石器の武器を手でもつ形で)石製の武器として用いられているので、地方領主を石器や弓矢のような原始的な武器を持った勢力と見なした文字と考えられる」としている。金文は甲骨文と同じ形で、意味は諸侯(天子から受けた封土の人民を支配した人)および、官爵名として用いられている。
篆文で上に人がつき、地方領主が人であることを示したものであろう。現代字は篆文の人の腕と厂のタテ線がむすびついてイとなり、人の残りと厂のヨコ線⇒ユに変化した侯となった。音符イメージは「身分の高い人」に設定した。
意味 (1)きみ(侯)。封建時代の領主・大名。「諸侯ショコウ」「王侯オウコウ」 (2)爵位の第2位。「侯爵コウシャク」 (3)まと(侯)。弓矢のまと。「射侯シャコウ」(まとを射る)「侯鵠コウコク」(まと、方十尺なるを侯といい、四尺なるを鵠という)
覚え方 「ひとゆや(イユ矢)で侯」と覚えると書きやすい。
イメージ
「身分の高い人」(侯・候・猴)
「形声字」(喉・篌)
音の変化 コウ:侯・候・猴・喉 ゴ:篌
身分の高い人
候 コウ・そうろう・うかがう イ部
解字 「イ(人)+侯(身分の高い人)」 の会意形声。身分の高い人のそばについて仕える人。イ(にんべん)が重なるので、真ん中のイをタテ線にした候となった。意味は貴人のそばにつかえる意のほか、貴人をまつ、貴人の安全のためまわりの様子をうかがう等の意となり、さらに転じて「きざし」などの意に拡がった。
意味 (1)貴人のそばに仕える。「伺候シコウ」(おそばに奉仕すること) (2)まつ。待ちむかえる。「候補コウホ」(補任を待つ) (3)うかがう。ようすをみる。さぐる。「斥候セッコウ」(敵状さぐる少数兵士)「測候ソッコウ」(気象を観測する) (4)きざし。しるし。「気候キコウ」「兆候チョウコウ」 (5)そうろう(候)。有る・居るなどの謙譲語・丁寧語。「候文そうろうぶん」
猴 コウ・さる 犭部
解字 「犭(けもの)+侯(身分の高い人)」 の会意形声。身分の高く衣冠をつけている人が、ケモノのように礼儀がないさまを言ったことから、転じてサルの意となった。
意味 さる(猴)。ましら。「猿猴エンコウ」(猿も猴も、さるの意)「沐猴モッコウにして冠す」(服装が立派でも野卑で粗暴な人のたとえ。沐猴はサルのたぐいのこと。サルが立派な冠をかぶる)「狙猴ソコウ」(さるの異称)
形声字
喉 コウ・のど 口部
解字 「口(くち)+侯(コウ)」の形声。[説文解字]は「咽(のど)也(なり)。口に従い侯の聲(声)」とし、口のおくにある咽(のど)で発音はコウとする。咽喉インコウと続けて用いる。口の奥から、食道と気管の別れ口までを喉(のど)という。
意味 (1)のど(喉)。のどぶえ。「喉舌コウゼツ」(のどと舌。転じて、言論・言語のたとえ)「喉頭コウトウ」(のど仏の部分。ここを動かして食道へゆく物と気管にゆく空気を切り換えている)「喉笛のどぶえ」(のどの気管へ入るところ)「喉元のどもと」 (2)かなめ。要所。「喉衿コウキン」(のどと、えり。物事の中心になる部分)「咽喉インコウ」(①のど。②のどくび。大切な部分・急所)
篌 コウ・ゴ 竹部
解字 「竹(たけ)+侯(ゴ)」 の形声。もと「空侯クゴ(コウコウ)」とよばれた楽器に、竹かんむりを付けて楽器の「箜篌クゴ(コウコウ)」をあらわす字。
意味 「箜篌くご」とは、ハープに似た弦楽器。かかえて両手でかき鳴らす。「竪箜篌たてくご」ともいう。別名「百済琴くだらごと」
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「箜篌くご(信西古楽図)」(日本国語大辞典より)
<紫色は常用漢字>
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