増訂しました。
冬 トウ・ふゆ 冫部 dōng
解字 甲骨文は、糸の両端を結びとめた形の象形。糸の末端を結んで終結の意とするもので終の原字。もと、冬は終わる意味で使われていた。金文は間に日を加えて、太陽が終わりに近づく意(冬至)。篆文は日がはずれたが、下に冫(氷)を加えて氷のはる寒い冬を示す。旧字は、「夂(下向きの足:おりる)+冫(氷)」の会意に変化した。氷が降りてくる冬の意。よくみると、現代字は下が冫でない冬である。これでは冬に氷がこない。意味のない変化をしたものである。
意味 ふゆ(冬)。立冬から立春(2月4日頃)まで。「立冬リットウ」(二十四節季の一。太陽暦の11月8日頃)「冬眠トウミン」「越冬エットウ」「冬至トウジ」(二十四節季の一。昼が最も短い日。12月22日頃。)
イメージ
「ふゆ」(冬・鮗)
もとの意味である「おわる」(終)
「形声字」(疼・柊・螽)
音の変化 トウ:冬・疼 シュウ:終・柊・螽 このしろ:鮗
ふゆ
鮗 <国字> このしろ 魚部 dōng
このしろ(「玉島魚市場 お魚情報」より)
解字 「魚(さかな)+冬(ふゆ)」の会意。冬が旬の時期である魚のこのしろ。
意味 このしろ(鮗)。鰶とも書かれる。ニシン科の海水魚。成魚は全長25センチほど。東アジアの内湾や河口の汽水域に群れで生息する。日本では冬を中心に11月~3月が旬の時期の魚。
おわる
終 シュウ・おわる・おえる 糸部 zhōng
解字 「糸(いと)+冬(おわる)」 の会意形声。もと、冬の古音はシュウ。冬は甲骨文字で分かるように糸の両端を結びつけた形で終わる意味であった。それが、太陽が終わる「ふゆ」の意味になったので、そこに糸をつけて元の意味である終わる意を表わす。
意味 (1)おわる(終わる)。おえる(終える)。はてる。しまう。「終結シュウケツ」「終業シュウギョウ」「終幕シュウマク」 (2)おわりまでずっと。「終日シュウジツ」「終生シュウセイ」
形声字
疼 トウ・うずく 疒部 téng
解字 「疒(やまい)+冬(トウ)」の形声。トウは痛トウ・ツウに通じ、痛むことをいう。
意味 うずく(疼く)。いたむ。ずきずきいたむ。「疼痛トウツウ」(うずき痛む)「疼腫トウシュ」(うずきはれる)
柊 シュウ・ひいらぎ 木部 zhōng
ヒイラギ(ガーデンストーリー「ヒイラギ」より)
解字 葉にトゲのあるヒイラギは日本で、「疼木ひいらぎ」(痛い木の意)と書かれ、触れると痛いヒイラギの木を表した。また「疼木」から疒(やまいだれ)をはずして一字にした「柊」とも書かれ、この字が定着した。しかし、この字は国字かと思いきや中国にもあり、芭蕉に似た木を指すという。「ひいらぎ」の名は、ひりひり痛む意の、ひひらぐ(疼ぐ)木から。
意味 (1)[日]ひいらぎ(柊)。疼木とも書く。モクセイ科の常緑小高木。葉は光沢があり鋭い刺となった鋭鋸歯がある。節分の夜、この葉と鰯の頭を門戸に挿すと悪鬼を払うと言われる。(2)木の名。芭蕉に似た木。
螽 シュウ・いなご 虫部 zhōng
いなご(「いきものずかん」より)
解字 「虫虫(むし)+冬(シュウ)」の形声。シュウは衆シュウ(数が多い)に通じ、数が多く発生する虫のいなごをいう。[説文解字]は「螽、或いは虫に従い眾(衆)聲(声)。公羊經(春秋時代の儒家の経書)は此(かく)の如く作る」として「虫+衆」の字があることを示している。
意味 (1)いなご(螽)。蝗コウとも書く。いなむし。(2)「阜螽フシュウ」「土螽ドシュウ」は、いなごやバッタの類。(2)きりぎりす。「草螽ソウシュウ」(きりぎりす)「螽斯シュウシ」(きりぎりす。一度に99匹の子を生むとされ子孫繁栄のしるし)「螽斯詵詵シュウシシンシン」(夫婦和合して子孫の多いたとえ。詵詵は和らいで多く集まるさま)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
冬 トウ・ふゆ 冫部 dōng
解字 甲骨文は、糸の両端を結びとめた形の象形。糸の末端を結んで終結の意とするもので終の原字。もと、冬は終わる意味で使われていた。金文は間に日を加えて、太陽が終わりに近づく意(冬至)。篆文は日がはずれたが、下に冫(氷)を加えて氷のはる寒い冬を示す。旧字は、「夂(下向きの足:おりる)+冫(氷)」の会意に変化した。氷が降りてくる冬の意。よくみると、現代字は下が冫でない冬である。これでは冬に氷がこない。意味のない変化をしたものである。
意味 ふゆ(冬)。立冬から立春(2月4日頃)まで。「立冬リットウ」(二十四節季の一。太陽暦の11月8日頃)「冬眠トウミン」「越冬エットウ」「冬至トウジ」(二十四節季の一。昼が最も短い日。12月22日頃。)
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「ふゆ」(冬・鮗)
もとの意味である「おわる」(終)
「形声字」(疼・柊・螽)
音の変化 トウ:冬・疼 シュウ:終・柊・螽 このしろ:鮗
ふゆ
鮗 <国字> このしろ 魚部 dōng
このしろ(「玉島魚市場 お魚情報」より)
解字 「魚(さかな)+冬(ふゆ)」の会意。冬が旬の時期である魚のこのしろ。
意味 このしろ(鮗)。鰶とも書かれる。ニシン科の海水魚。成魚は全長25センチほど。東アジアの内湾や河口の汽水域に群れで生息する。日本では冬を中心に11月~3月が旬の時期の魚。
おわる
終 シュウ・おわる・おえる 糸部 zhōng
解字 「糸(いと)+冬(おわる)」 の会意形声。もと、冬の古音はシュウ。冬は甲骨文字で分かるように糸の両端を結びつけた形で終わる意味であった。それが、太陽が終わる「ふゆ」の意味になったので、そこに糸をつけて元の意味である終わる意を表わす。
意味 (1)おわる(終わる)。おえる(終える)。はてる。しまう。「終結シュウケツ」「終業シュウギョウ」「終幕シュウマク」 (2)おわりまでずっと。「終日シュウジツ」「終生シュウセイ」
形声字
疼 トウ・うずく 疒部 téng
解字 「疒(やまい)+冬(トウ)」の形声。トウは痛トウ・ツウに通じ、痛むことをいう。
意味 うずく(疼く)。いたむ。ずきずきいたむ。「疼痛トウツウ」(うずき痛む)「疼腫トウシュ」(うずきはれる)
柊 シュウ・ひいらぎ 木部 zhōng
ヒイラギ(ガーデンストーリー「ヒイラギ」より)
解字 葉にトゲのあるヒイラギは日本で、「疼木ひいらぎ」(痛い木の意)と書かれ、触れると痛いヒイラギの木を表した。また「疼木」から疒(やまいだれ)をはずして一字にした「柊」とも書かれ、この字が定着した。しかし、この字は国字かと思いきや中国にもあり、芭蕉に似た木を指すという。「ひいらぎ」の名は、ひりひり痛む意の、ひひらぐ(疼ぐ)木から。
意味 (1)[日]ひいらぎ(柊)。疼木とも書く。モクセイ科の常緑小高木。葉は光沢があり鋭い刺となった鋭鋸歯がある。節分の夜、この葉と鰯の頭を門戸に挿すと悪鬼を払うと言われる。(2)木の名。芭蕉に似た木。
螽 シュウ・いなご 虫部 zhōng
いなご(「いきものずかん」より)
解字 「虫虫(むし)+冬(シュウ)」の形声。シュウは衆シュウ(数が多い)に通じ、数が多く発生する虫のいなごをいう。[説文解字]は「螽、或いは虫に従い眾(衆)聲(声)。公羊經(春秋時代の儒家の経書)は此(かく)の如く作る」として「虫+衆」の字があることを示している。
意味 (1)いなご(螽)。蝗コウとも書く。いなむし。(2)「阜螽フシュウ」「土螽ドシュウ」は、いなごやバッタの類。(2)きりぎりす。「草螽ソウシュウ」(きりぎりす)「螽斯シュウシ」(きりぎりす。一度に99匹の子を生むとされ子孫繁栄のしるし)「螽斯詵詵シュウシシンシン」(夫婦和合して子孫の多いたとえ。詵詵は和らいで多く集まるさま)
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