漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「殸ケイ」<たたいて音をだす> と「声セイ」「馨ケイ」

2014年01月31日 | 漢字の音符
 ケイ・キョウ・セイ  殳部         

解字 甲骨文は、吊るした石板をバチでたたいて鳴らしている形。篆文と楷書は、「声(つるした石板)+殳(たたく)」の会意。石の板(この部分は石の原字)を紐でぶら下げ、バチでたたいて音を出すさまで、石の楽器を表わす。磬ケイ(うちいし)の原字。
意味 (1)楽器の一種。石の楽器。(=磬) (2)石の楽器の音。こえ。(=聲)

イメージ  
 「たたいて音をだす」
(磬・声・謦)
 たたいて出た音が「つたわる」(馨)
音の変化  ケイ:磬・謦・馨  セイ:声

たたいて音をだす
 ケイ  石部
     編磬 
解字 「石(いし)+殸(たたいて音をだす)」の会意形声。殸はもともと石板をたたいて音をだす形。そこに石をつけてもとの意味を強調した字。打って音を出す石の楽器をいう。
意味 (1)打ち石。 (2)「へ」の字形の中国古代の打楽器。「磬鐘ケイショウ」(磬とつりがね)「磬声ケイセイ」(磬を打つ音)「編磬ヘンケイ」(磬をいくつも連ねて編成した楽器) (3)身体を楽器の磬のように折り曲げて礼をする。「磬折ケイセツ
[聲] セイ・ショウ・こえ・こわ  士部
解字 旧字はで 「耳(みみ)+殸(たたいて音をだす)」の会意。たたいて出る音を耳で聞くさま。転じて、耳をうつ音響や音声をいう。新字体の声は、旧字の上部左にある「声(つるした石板)」の字を取り出して「」に代えたもの。
意味 (1)こえ(声)。人のこえ。また音・ひびき。「音声オンセイ」「声域セイイキ」「声紋セイモン」 (2)こえを出す。言う。述べる。「声明セイメイ」「声援セイエン」「声色こわいろ」(音声の調子や口調) (3)うわさ。評判。「声望セイボウ」(名声と人望)
 ケイ・キョウ・しわぶき  言部
解字 「言(ことば)+殸(たたいて音をだす)」の会意形声。たたいて出したような音を言葉で発すること。
意味 しわぶき(謦)。せきばらい。軽いせき。「謦咳ケイガイ」(せきばらい。また、笑ったり語ったりすること)「謦咳に接する」(慣用句:尊敬する人に直接にお目にかかりお話を聞く)

つたわる
 ケイ・かおる・かおり  香部
解字 「香(かおり)+殸(つたわる)」の会意形声。伝わってくる香り。
意味 (1)かおる()。かおり(り)。かぐわしい。「ケイコウ」(遠くまで漂う香り) (2)良い評判。「ケイブン
<紫色は常用漢字>

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