イリスの色いろのお話

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我が魂は輝く水なり~シアターコクーン観劇記

2008-05-14 21:31:52 | 観劇・アート
渋谷のシアターコクーンにて、
「我が魂は輝く水なり -源平北越流誌- 」
を観ました。

私は野村萬斎さんが大好きなので、彼が出演するだけで観に行く理由はありましたが、
蜷川幸雄さんの演出に、尾上菊之助さんとの共演も話題でした。
内容はとても深いものがあり、行ってよかったな~と感慨にふけっております。

萬斎さん扮する斎藤実盛は、60歳の老いた武士。
白髪に、姿勢や身体の使い方、話し方まで、本当に老人!
いつもの洒脱な萬斎さんとはうって変わっていました。
老いてなお、戦いに挑むことしか知らない戦士。
悲哀と、滑稽さとがないまぜになり、
見る人にはいろんな思いを抱かせたのではないでしょうか?
あらたな萬斎さんの魅力にふれた気がしました。
また、既に亡くなった息子役の尾上菊之助さんは、
気品があって、透明感ある存在感が、とても素敵でした。

戦の最中、誰もが少し、狂っている。
夢なのか、うつつなのか?
敵と味方、身内同士の思惑や、殿と家臣の関係性、、、
さまざまな感情が描かれます。

ラストシーンでは、実盛はせめて遠目には若者らしく、
と髪を染め、白粉を顔に塗って戦いに臨み、
若者、というよりは化け物扱いされたりもして。
そして、、、水のせせらぎを聴きながら、安らかに息を引きとります。

実盛の真っ白い顔にスポットが当り、すっと引いて暗転。

瞬間、「ああ、死化粧となってしまった!」
と思ったら、なんだかじ~んときてしまいました。

狂気、夢、老い、恋慕、、、
いろんな要素が折り込まれた舞台でした。

それにしても、やっぱり、萬斎さんて素敵な役者!!



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