世田谷美術館の「白洲正子展」へ。
白洲正子さんの目を通して、
巡礼、仏教及び仏教美術にふれる展覧会。
GWさなかということもあり、
さすがに混んでましたが、
新緑眩しい砧公園も清々しく、
足をのばして良かったです。
さて展示品には、
白洲さんの数々の遺作から抜粋した文章が添えられてました。
かいつまんで読みつつも、
率直なものの見方、感じ方についはっとさせられます。
展示のひとつの女神座像は、
すっかり彩色は落ちて木肌でしたが、
解説によると、
「厄を払う赤」に塗られていたとのこと。
私はそのような、今は見えない色を観じたい、
と強烈に思います。
時空を超えて、そのときその色に込めた思いを感じたい。
日本には宗教はないともいうが、
自然と切り離した宗教観は絶対ありえない。
木や石から仏像や神像を彫り、
手を胸の前で合わせて拝む。
何事かおわすかは知らねども、
何事かを感ずる心。
白洲さんは人が見落としてしまいそうな、
例えば小さな仏像などを好まれたそうですが、
手のひらサイズの仏像をみると、
そっと手にとりたくなりますよね。
名もなき人々の
「祈り」
の本質を、そこに観る思いがしました。