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日本の昔話3・浦島太郎

2021-06-27 11:45:39 | 日本語・古事記・歴史・日本人

昔々浦島は 助けた亀に連れられて 竜宮城へ来て見れば 絵にも描けない美しさ   乙姫様のごちそうに 鯛や平目の舞い踊り ただ珍しく面白く 月日の経つのも夢のうち   遊びに飽きて気が付いて お暇乞いもそこそこに 帰る途中の楽しみは 土産にもらった玉手箱   帰ってみればこは如何に 元居た家も村もなく 道に行き合う人々は 顔も知らない人ばかり   心細さに蓋取れば 開けて悔しき玉手箱 中からぱっと白煙 たちまち太郎はお爺さん

 

小学校の学芸会で、弟は主役の浦島太郎を演じました。玉手箱のふたを開けて、お爺さんになるところ・・・・・よく覚えています。その他のあの頃の演目といえば、『舌切り雀』や『安寿と厨子王』・・・・・夫は『アリババと40人の盗賊』のアリババ役をしたのだとか。私は演劇はさっぱりで参加するだけの組、ほとんどセリフも動作もない『木』の役とか動物の役。まっすぐ顔を上げているだけでも苦痛でした。だけど他所の組や違う学年の劇は楽しく見ました。町には水飴売りの紙芝居もあったし・・・・・というわけで、全国の子供たちは、絵本を読まなくても、みんな知っているお話だったと思います。

そんな中でも浦島太郎は特別です。竜宮城へ行ったのですから。竜宮城へ行ったことのある日本人は、この浦島太郎と私のブログの中のカテゴリー『父の背負子・随想古事記』で取り上げた山幸彦だけです。山幸彦はナギサタケウガヤフキアワセズノミコトのお父様であり、我らが皇統の始まりニニギノミコトの第三皇子です。このお話については以前の記事を見ていただきたいと思います。浦島太郎が竜宮城に行くきっかけは、亀を助けたことです。そして太郎の心根の優しさが、竜宮王の招待状を受け取ることになります。そして乙姫様と出会います。乙姫様ですから、多分竜宮王の二女姫です。大歓待を受けて、夢心地。2・3日(だったか、2~3年だったか)過ぎたと思える頃、親思いの太郎はふと年老いた母のことを思い出します。そして暇乞いをして、再び亀に乗って故郷に戻ります。浜辺について帰路に就いたものの、太郎は異変に気付きます。顔なじみが誰もいない・・・・・家のあったところに家もない・・・・・あまりのことに年寄りに尋ねてみれば、大昔に太郎という若者が年老いた母を残していなくなってしまった・・・・・と聞いたことがあるとか・・・・・。自分の持っているものを全部失った太郎は、ただ一つ持っているもの・竜宮城のお土産・決して開けてはならないと言われた『玉手箱』に気が付きます。開けてはならぬと言われても今更どうしよう・・・・・太郎は玉手箱を開けます。出てきたものは、白煙。太郎はたちまち、お爺さん。

この後どうなったのか、このお話が何を言いたいのか・・・・・今でもわかりません。西洋にも開けてはいけない箱を開けたお話がありますよね。『パンドラの箱』・・・・・こちらは、開けて出てしまったものが、この世の禍の数々。ありとあらゆる悪が人間界に飛び出して、最後に小さな光『希望』が箱の底に残っていたというお話。それから人間は希望のみを道連れに頑張ることになりました。でも浦島太郎は煙とともに何もかも失ってしまいました。何なのでしょう。

 

浦島太郎が亀を助けた浜辺はどこかご存じですか。私は母から、それが『ヨサの浜辺』だと習いました。『ヨサの浜辺』ってどこでしょう。私は子供心に若狭湾のどこか・・・・・という風に長いこと思っていた記憶があります。でもそれは、瀬戸内海の明石の近くだと言われているらしい・・・・・確かに住吉の翁もその辺に住んでいただろうし、竜宮城があってもいいかな・・・・・住吉の翁が竜宮王かもしれないんです。高砂でも、「いざ住之江につきにけり・・・・・」ですから、結婚の神様なんです。山幸彦も豊玉姫と結婚したし、太郎も乙姫様と結婚したのかもしれません。『ホツマツタヱ』では、若姫の回歌の恋文をもらったアチヒコが相談したのも住吉の翁だし・・・・・もう一つ気になる連想は、柿本人麻呂の『よさみの郎女』。よさみの郎女は猿沢の池に身を投げたのですよね。ともかく『ヨサ』という地名は何かあると思わざるを得ません。何かヒントがあったら、教えてください。

 

 

日本の長寿の印である『鶴と亀』・・・・・オオヤマツミの長女でありコノハナノサクヤヒメの姉君であるイワナガヒメ・・・・・彼女は陸に住んでいた竜宮族のお姫様。上陸組です。乙姫様は、海に住んでいた竜宮王のお姫様。ここから私の主張である『蛇族』と『鳥族』につながります。『亀』は蛇の仲間です。『鳥』は陸に住んだ『蛇族』の印です。空を飛ぶ竜です。地上にいるのは『大蛇』、海中にいるのは『亀』や『ワニ』です。こうした東アジアで国を作ったのが天帝一族・・・・・天帝の印が竜と鳳凰であるのは、その名残です。そしてそれが今も生きているわが日本は、易姓革命を是としなかった世界唯一の国家です。このアイデンティティを記事にしたのが、ブログ・父の背負子随想古事記というカテゴリーに発表したものです。読んでいただいて、一人一人の日本人としてのアイデンティティを確認してください。私達は天帝国家に生きています。

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