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勘九郎坊や

2012-12-07 09:22:33 | マクロビオティック
あまり芸能ニュースは好きでありませんが、歌舞伎役者中村勘三郎さんの訃報は残念に思いました。この役者さんは私達が初めて伝統芸能としての歌舞伎を知る頃、多分中学生から高校生のころ『勘九郎坊や』として鮮烈な役者デビューをしています。それでかなり親近感を持っていました。

テレビで繰り返される『芸一筋とどんちゃん騒ぎが好き』という報道にかなりの違和感を感じます。どうして『どんちゃん騒ぎ』が『芸一筋』と矛盾しないのか・・・・・マクロビオティックの徒としては、とてもとても残念に思います。身体あっての芸なのでは・・・・・???身体が無ければ舞踊という、或いは歌舞伎という演劇は成り立たないのでは??????

数年前に久司先生がお示しになったことを思い出します。紀元前の事件を扱った聖書のお話です。ダビデとその友人ら10人は敵対するソロモン王に捉えられます。ソロモンはダビデを殺すことを惜しんで、自分の最強の戦士10名と闘って勝利をしたら開放してやろうと言います。それに当って武器でも何でも望み通りの条件を許すというのです。それに対するダビデの要望は何だったと思いですか?ダビデの希望は、

   これから試合までの10日間自分達がずっと食べてきた伝統的な食事、パルス(パピルスだったか?)のみを食べさせてほしい

というものでした。ソロモン王は言いました。『そんな粗末な食事ではなく、自分の食事を分けてやろう』。ダビデらはそれを有り難く受けたのではなく、有り難く固辞して『パルス』だけの食事を許してもらいました。多分『パルス』だったと思います。その時常識的に『パピルス(紙)?』と思ったことを思い出しますが、間違っているかもしれません。ですがその『パルス』というものが何だったかというと、食用の種実、つまり雑穀だったのです。

そしてダビデらは心身ともに回復して、ソロモンの戦士に打ち勝ち解放されます。苦難を乗り切るためにはダビデ(つまり人間)の伝統食でなければならなかったのです。これが必要にして十分な条件でした。現代社会を見渡せば、ソロモンの栄華が咲き誇っています。でもそれは社会の表側だけで、裏側は不健康が蔓延しています。不健康産業でみんなが生活をし仕事を得ています。社会の苦しみはそれでも今の段階ではやり過ごすことが出来るかもしれません。でももっともっとスパンの短い私達一人一人の人生では、それは待ったなしの問題です。裕福な勘三郎に象徴されるソロモンの栄華は、人生を短め人生という判断を狂わせ、達成すべきソロモン王国の安泰を約束してはくれません。追求すべき芸道人生を全うさせてはくれません。

私達はもっと厳しく考える時期に差し掛かっているのではないかと思います。個人より大きなスパンの社会も今に崩壊するでしょう。不健康社会だって、健康な人に支えられなければなりません。でも健康な人がいなくなるかもしれません。勘三郎の歌舞伎の新しい可能性を惜しんで記事を書きました。




それでは今日も:

     私達は横田めぐみさん達を取り戻さなければならない!!!

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