円山がカツラの山であることを知るには、春の始まりのほんの一瞬がいい。
山桜が咲く少し前に、カツラの新芽が山肌を赤く染めるから。
萌黄色のグラデーションに山が包まれるまでの、ほんの数日間。
これから始まる春爛漫に先立つ、謳歌の序章だ。
エゾエンゴサク、エンレイソウ、ニリンソウといった野の花も咲き始めていた。
きょうのお目当ては、スミレサイシン。春真っ先に咲く大型のスミレだ。
日当たりのよい斜面に、ぽつり、ぽつりと咲いていた。
カツラの巨木のまわりでは、シマリスやエゾリスが頬を膨らませて忙しい。
円山公園は桜を待ちきれない若者たちで大変な賑わい。
池を覗いたら、マガモに加えてオシドリのペアが泳いでいる。 小ぶりで粋な感じ。
酔客が近づくと、飛び立ってしまった。