福島原発の安全確保、安全協定の見直しと第一原発3号機でのプルサーマルの中止について佐藤雄平県知事に要望書を提出しました。(対応:原子力安全対策課)脱原発福島ネットワーク以下13団体
福島県知事 平成22年10月26日
佐藤 雄平 様
要 望 書
(福島原発の安全確保、安全協定の見直しと
第一原発3号機でのプルサーマルの中止について)
(要旨)
1、福島県は、東京電力に対し、第一原発5号機をはじめとする保安規定違反事件にみられる安全軽視・効率優先・県民無視の原子炉運転を見直し、安全管理体制の欠陥を是正するよう求めること。
2、福島県は、県民の安全・安心を確保するため、事業者・立地町との安全協定について、抜き打ち立ち入り権や勧告権など必要な見直しを行い、発電所の運転、保守、管理及びその他安全確保に関する事項を確認する際に専門的な助言・指導を得るため、あらたに、多様な専門家による「福島県原子力発電所の安全管理に関する委員会」を設置すること。
3、福島県は、東京電力に対し、12年前に製造されたベルゴニュークリア社製MOX燃料の品質保証に関する検査データの公開、新耐震指針による耐震安全性評価にもとづく高経年化対策報告書の提出、新耐震指針による再循環系配管の耐震強度の評価など、プルサーマルの安全性の検証に必要な情報公開と高経年化対策および耐震安全性対策をあらためて求めること。
4、福島県は、東京電力に対し、福島第一原発3号機での安全軽視のプルサーマルを中止するよう求めること。
5、福島県は、福島県エネルギー政策検討会「中間とりまとめ」の核燃料サイクル見直しから核燃料サイクル推進への方針転換およびプルサーマルの検証について、県民に説明し県民の声を聴く「県民の声を聴く会」を開催すること。
(理由)
東京電力福島第一原発3号機でプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料(MOX燃料)を燃やすプルサーマル発電の営業運転は、10年以上貯蔵の古い燃料を運転開始34年の老朽原子炉で使う世界初の実験です。
福島県民の反対を押し切り、原子炉の安全余裕を減らして事故リスクを拡大するプルサーマルの営業運転をはじめることは、福島県民の安全・安心を願う心を踏みにじるものです。
東京電力は、依然として、プルサーマルの安全確保に必要な情報公開を怠たり、高経年化対策と耐震安全性評価も不十分なままです。12年前に製造されたベルゴニュークリア社製MOX燃料の品質保証に関する検査データは、裁判所の指摘にもかかわらず依然公開しておりません。また、新耐震指針によって耐震安全性評価を行った高経年化対策報告書も未だ提出されておらず、新耐震指針による再循環系配管の耐震強度の評価も未確認です。
福島第一原発3号機は、8月21日MOX燃料を装荷しましたが、起動作業中に作業員の放射線内部被曝、残留熱除去系の放射能汚染水の水漏れ等安全に係る事故が続発した上、点検漏れで予定の時間に起動できず半日遅れの9月18日となりました。
プルサーマルを強行する一方、東京電力は福島原発で11件目の保安規定違反もやっていました。