郡山市議会では、昨年9月議会に、核兵器禁止条約への参加を求める意見書の提出についての請願が、郡山地方労平和フォーラムから提出され総務財政常任委員会の審査では、賛成少数で不採択になりました。私は、紹介議員でもあり、本会議で賛成討論をしました。結果は、賛成が、虹とみどり、社民党、共産党、無所属の会反対は、志翔会、新政会、公明党、新緑風会、創流会。8対29賛成少数で不採択となりました。
その後、10月に2017年度ノーベル平和賞は、「核兵器廃絶禁国際キャンペーン」I CAN が受賞と発表されました。
賛成討論2017年9月19日
請願 第56号 核兵器禁止条約への参加を求める意見書の提出についての請願
に賛成いたします。
請願事項は、1、核兵器禁止条約に参加すること。2、核兵器禁止条約に参加するまでの間は、オブザーバーとして締約国会合および再検討会に参加することです。
本年7月7日、国連において「核兵器禁止条約」が122か国の賛同を得て採択されました。参加国、国際赤十字、多くのNGO、広島・長崎の被爆者、世界各地の核実験の被害者の方々たちの長年の訴えが実を結んだものと言えます。「核兵器のない世界」の実現への具体的な第一歩となった条約ですが、日本政府は交渉に参加しませんでした。
72年前1945年8月広島・長崎両市は、一発の原子爆弾により一瞬にして廃墟と化し、両市合わせて21万人を超える尊い命が奪われ、放射線による被爆者の心身の苦しみは、今尚続いています。
昨今世界情勢は、北東アジアの緊張、世界各国や地域の安全保障上の懸念への対応等が緊急課題となっており、これまで以上に「核兵器廃絶」に向けて国際社会が総力をあげて取り組む重要項目であることは否定できません。
本市は、1984年(昭和59年)6月15日『郡山市は日本国憲法の精神に基づいて、核兵器の完全廃絶と軍備縮小を全世界に訴え、人類の願いである世界平和の実現を希求する』と「核兵器廃絶都市宣言」をしており、さらに昨年5月には「平和首長会議」へ加盟しています。加盟都市は、本年9月1日現在、162か国7439都市、日本国内では1683都市で日本全国市町村の96.6%と100%に近い加盟率です。
本年8月9日平和首長会議国内加盟都市会議代表の松井一實広島市長、副代表の田上富久長崎市長から安倍晋三内閣総理大臣宛「核兵器廃絶に向けた取り組みの推進についての要請文」が提出されました。『「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という被爆者の思いを踏まえ、日本政府は、核保有国と非核保有国の橋渡し役を担い、NPT(核拡散防止条約)等の体制下での「核兵器禁止条約締約国会合」や「核軍縮会議」等に積極的に参加し、実効性のある「核兵器禁止条約」となるよう力を尽くしていただくことを強く要請する』等の内容です。
また、8月10日第9回平和首長会議総会で「核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議」も採択され、核兵器保有国を含む全ての国に対し、条約への加盟を要請しています。大量破壊兵器である核兵器の持つ非人道性は、議論の余地がなく、放出される放射線の影響は地球全体に広がり、長期間にわたって被害が続いていきます。戦争で核兵器を使用された唯一の被爆国として日本政府の使命は、「核兵器のない世界を実現させること」であることは明白です。国内96.6%の市町村が平和首長会議に参加しています。加盟都市の議会として、現在及び将来世代人類全体の存続を危うくしないため、意見書を国に提出することは、郡山市民の恒久平和への願いであると確信いたします。
参考:議会議事録(総務財政常任委員会)2017年9月14日
http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgi-bin/WWWframeNittei.exe?A=frameNittei&USR=fkskors&PWD=&XM=000000000000000&L=1&S=7&Y=%95%bd%90%ac29%94%4e&B=-1&T=-1&T0=-1&O=-1&P1=&P2=&P3=&P=1&K=780&N=2302&W1=&W2=&W3=&W4=&DU=1&WDT=1&EDIT_MODE=0
それでは、次に、請願第56号 核兵器禁止条約への参加を求める意見書の提出についての請願についての審査を行います。
なお、事前に請願文書表が配付されておりますので、請願文の朗読は省略したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
委員各位の発言を許します。八重樫小代子委員。
◆八重樫小代子委員 私は賛成の立場で発言をしていきたいと思います。
この請願趣旨にも書いてありますけれども、7月7日に国連本部で核兵器禁止条約が圧倒的多数の賛成で成立をいたしまして、今後9月20日に各国の署名が集まり、50カ国の批准を得て発効するということになっておりまして、残念ながら日本はそれに参加をしなかったということになっています。核保有国と非保有国ということで、そこの溝ができてしまうと、また、より一層困難になるからというようなところで日本は参加しなかったということは聞いてはおります。そもそも核の傘という意味、いろいろな言い方があるかもしれませんが、核の傘に依存する日本ということでずっといますと、核そのものを認めてしまうというような誤解を招きかねないというようなことがあります。これについてもいろんな意見があるということを考えながら発言をさせていただいておりますが、この批准をされた条約の前文として、核兵器の使用がもたらす壊滅的な人道上の帰結を憂慮するとし、そして核兵器を完全に除去する必要性を強調しまして、そして広島、長崎の被爆者の訴えを酌み取り、核兵器使用の被爆者と核実験の被害者の受け入れがたい苦しみと被害に留意するという文言も盛り込んだということで、この被団連の方たち、被爆者の方たちがニューヨークに行きまして、ずっとこの間署名集めしたりロビー活動をされたりということで、批准をされたということに対して本当によかったなというようなことをおっしゃっているわけです。しかも被爆者の方たちは、もう高齢になりまして、我々が亡くなった後どうなってしまうのだろうかという、この不安を抱えながらされておりまして、やはり今私としては、いかなる核も人類とは共存しないということで、何とか日本も参加をしてもらって、この核兵器禁止条約が発効するように進めていっていただければというようなことを考えているところです。
被爆者の方たちが、この批准、採択というところに本当に涙を流しながらやっと形になったというところのことを酌んで、日本としても戦争の唯一の被爆者ということを認識をしながら、今後、世界のどこの国も核兵器をまた持たないという、日本はましてや非核三原則を持っているわけですから、率先して進めていくべきだと思いますので、この請願については賛成ということでしていきたいと思います。
○久野三男委員長 岡田哲夫委員。
◆岡田哲夫委員 私も賛成の意見を述べたいと思います。
核兵器禁止条約というのは、ぽっと最近の世論で出てきた条約ではなくて、日本の被爆者と原水爆禁止の運動が戦後70年間求めてきた条約なんですね。核兵器というのは一時、戦後5万発ぐらいに膨れ上がって、今、軍縮、あと近代化ということもあって1万数千発に減ってきているわけですが、ただ、1発でも爆発すれば地球上にとんでもない被害をもたらすということで、結局、今、核兵器を使うということは世界の世論を見てもできなくはなっているんですね、実質は。ただ、核兵器でもって安全を守るという核抑止力論というのが、やはり世界の大国の中で支配的な考え方を占めているというふうなことで、結局なかなか核兵器がなくならない状況が続いているということだと思うんです。
でも、そういった状況を見れば、何が核兵器をなくしていく力になるかといったら、やはり世界の世論が、その核兵器を持っている大国に対しても、核兵器をなくしていきましょうというふうなことを声をかけながら、その核でもって平和を守るという考え方を改めてもらうしかないと思うんです。その考え方は国連加盟国193カ国の中で今122カ国、日本を含まなくてもそれぐらいの流れになっているんですね。
だから、核、戦争でもって、広島、長崎に被害を受けた日本の政府が、その流れと一緒に、核兵器の全面禁止という形を求めていくのは当然な流れだと思っているんです。使えない核兵器で脅すというような、そういったやり方、安全保障の考え方そのものが、やはり私は時代おくれだと思うんです。だから、北朝鮮が今やろうとしていることは、本当に80年ぐらい前の、日本が世界に軍事力でもって自分たちの国の意思を示そうとするような、ああいった時代おくれの安全保障の考え方ではなくて、国際世論でもって北朝鮮の考え方も包囲して、核の政策なんかやめさせていくということが求められていると思っています。
ですから、今回の請願については賛成したいと思います。
○久野三男委員長 七海喜久雄委員。
◆七海喜久雄委員 私の場合は、不採択という考え方でお話をしたいと思いますが、確かに核兵器保有国と、それから持たない国があります。我が国の考え方としては、核兵器保有国とそれから非核保有国が対立を一層深めるような、そういった国連のもとでの同条約の交渉には参加しないということになったわけでありますが、その趣旨としては、核兵器保有国とそれから非保有国が協力して、現実的、実践的な取り組みをすべきであるというような考え方であります。この条約には核保有国は残念ながら一つの参加国もないということで、かえって両者の隔たりを深めて、核兵器のない世界の実現を遠ざける結果になるのではないかと懸念されるわけであります。つまり、両者の信頼関係を大切にしたいとの考えで、対立するようなこの条約には参加しないとしたもので、我が国の方向性からいっても、やはりこれは不採択にするべきだろうと思います。以上です。
○久野三男委員長 そのほかにございますか。但野光夫委員。
◆但野光夫委員 核兵器が人類にとっての絶対悪であることは、これはもう間違いない事実なので、今回、国連においてこの条約において、核兵器を持つこと、つくること、広めることに罰則規定を設けたこの条約は画期的な条約であり、我が公明党も大変これは規範とすべき条約であろう、こう認識しています。
しかしながら、今、七海委員からもあったとおり、2012年から始まったこの核禁止条約の会議、この会議には、核保有国は一切加わらずにずっと議論が進められてきました。したがってこの5年間、核保有国と核を持たない国、この国の溝は深まるばかり。この会議で、残念ながら先ほどお話あった、核を絶対悪とする思想と核抑止力で安全保障のバランスを保つという、この両者の話し合いは一向に進まなかったというのが現実なんです。人類の願いはこの地球上から核兵器をなくすこと。決してこの条約を批准することでもなければ、今持っている人は少しでも減らすこと、なくすこと、ここに向かっていくべきことが、今最重要なことであって、ですから、この条約の考え方はすばらしいけれども、その成り立ちや、現にこの会議に参加したオランダは反対票を投じたし、シンガポールは棄権をしました。したがって、大国も参加をしていない、こういう中にあって、大国も参加をしている核拡散防止条約の実効規定をもう一度改める改定が2020年に行われます。この2020年に向けて現実性のある核拡散を防止し、核を少しでも減らしていこうと、最終的には核がなくなるのは一番いいのですけれども、これを核保有国と核を持たない国、これがお互いに話し合いができるように、その橋渡し役を務めるのは核兵器による被害を受けた我が国日本しかないと、こう認識しています。
したがって、我が党の主張により、この11月には広島において、保有国も、また核を持たない国も、その有識者、またさまざまな非核団体も集まっての賢人会議という会議が行われます。これも核拡散防止条約の改定に向けての打ち合わせです。
したがって、この条約に入るとか入らないとかという問題以前に、現実路線として今進めるべきことは、核を少しでも減らすこと。そのためには、対立してしまったこの溝を、どう対話の場をつくり、もう一度この思想を、核絶対悪である思想を世界に発信するのかと、これが大事だと思います。
今、日本の立場からすれば、僕も先ほど岡田委員が言われたように、核抑止力による安全保障のバランスは反対です。でも、現実にはそれで保たれているという現実もある。持っている人たちと持たないものの対話もなされていない。こういう中にあって、日本はしっかりとそういう場を設けて進めていくべきであると。
ですから、今、日本の立場をとっている、条約に参加をしていないという立場を認める上から、この請願には反対です。以上です。
○久野三男委員長 ほかにございませんか。渡部龍治委員。
◆渡部龍治委員 私も反対の立場で発言をさせていただきます。
現実と理想の部分というのは皆さんそれぞれ持っているわけで、特に今回の、私もその2020年の核拡散の改定の部分にすごい期待をしています。我々日本というのはやはり核の傘で守られてきているのは事実ですし、ほかの40カ国も参加しなかったというこの現実問題、これはあくまでも現実、目の前にあることを冷静に判断しているからであると考えますし、この核兵器禁止条約の中身のことを考えると、やはり保有国と持っていないものとの間の、かなり溝が深くなったなという感じしかないんです。
なので、冷静に考えれば、この条約をよしとするということよりは、この後拡散を防止する、やはり弾数を減らすというところに問題提起していく2020年の条約改定のほうに、私は重きを置くべきじゃないのかなと思っていますので、反対させていただきたいと思います。
○久野三男委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○久野三男委員長 なしと認め、これより採決したいと思います。
反対意見がありますので、挙手により採決いたします。
請願第56号 核兵器禁止条約への参加を求める意見書の提出についての請願については、採択とすべきものと決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔挙手少数〕
○久野三男委員長 挙手少数ですので、不採択とすべきものと決しました。