1日(土)に東京・竹橋で第9期マイナビ女子オープンの一斉公開対局があった。私は見に行かなかったが、雑感を記してみよう。
午前の1組・中村真梨花女流三段―渡部愛女流初段戦は、短手数で中村女流三段が勝った。
渡部女流初段は中村女流三段に全敗だそうで、実力差はそんなにないはずなのに、不思議だ。私は「相性」という言葉は使いたくないが、渡部女流初段は中村女流三段に、指しにくさを感じているのではなかろうか。1つ勝てば流れが変わると思う。
11組決勝の中井広恵女流六段―清水市代女流六段戦は、清水女流六段の快勝。
上の続きではないが、中井女流六段も清水女流六段に相性が悪い。対清水戦の連敗が、だいぶ伸びている。
中井女流六段の将棋は本格的で、女流棋士の中では最も男性棋士に近いと思う。ほかの女流棋士とは格が違う。もっといえば、現在の女流棋士界で、里見香奈女流名人・女流王位に対抗できるのは、中井女流六段だけだと信じる。その中井女流六段がどうして清水女流六段に勝てないのか、ホントに理解に苦しむ。
もちろん清水女流六段も強豪なのだが、中終盤で重たい手を指して自滅する時があるのに、中井戦だと不思議にそれが出ない。重たい手が重厚な手になって、中井女流六段を困らせるのだ。
とにかく中井女流六段は清水女流六段によく負ける。タイトル戦の星も含めて、ここまで負けることはないじゃないかと思うわけである。
里見女流二冠は4組で、貫禄の予選抜け。これで公式戦20連勝を達成し、中井女流六段の19連勝を抜いて、女流連勝新記録となった。
里見女流二冠は、病を得ながらの対局は相当のハンデとなっているはずだが、この20連勝中、里見女流二冠が不利になった局面は1回もなかったのではないか。
もうほかの女流棋士とは大駒1枚違う感じで、今の彼女に勝てそうなのは加藤桃子女王・女流王座と、西山朋佳奨励会二段ぐらいしか思い浮かばない。奨励会員の女流棋戦参加を認めてから、女流棋界は序列がおかしくなってしまった。
9組決勝の藤田綾女流初段―竹俣紅女流1級戦は、竹俣女流1級の勝ち。
これ、棋譜を見たら、藤田女流初段が初歩的なトン死を喰らっていた。
私程度の棋力でプロの将棋をどうこう言えないが、あの局面で△8二玉と逃げるプロがいますかね。先手の持駒を錯覚していたとしか思えない。もし不詰めだと思って逃げたんだったら藤田先生、これから相当勉強しないとヤバイですよ。
一方の竹俣女流1級は、予選の2勝で、かなりの懸賞金を手にしたらしい。新懸賞金女王の誕生となった。
7組決勝の飯野愛女流1級―高浜愛子女流3級戦は、飯野女流1級の勝ち。
この将棋、高浜女流3級の2級昇級がかかっていた。「女流3級」とは見習いみたいなもので、2年間でそれなりの成績を挙げられないとプロを剥奪、研修会戻りとなる(その場合、齢30を越えている彼女がどう扱われるのかは分からない)。高浜女流3級はプロ申請後の成績がパッとせず、これが事実上のラストチャンスだった。
それでこの将棋、繰り返すが、飯野女流1級が勝った。こう書くと必ず「米長哲学を実践した」という人が現れるが、私はあんなもの、ないと思っている(これについては「将棋ペン倶楽部」に投稿するつもりなのだが、なかなか筆が進まない)。
両者は同時期に研修会で戦った仲らしいから、飯野女流1級だって、そんなにリキを入れていたわけではないと思う。
ただ、力が抜けたからいい手が指せちゃう場合もある。「ええい行っちゃえ!!」という手が負けを恐れぬ好手だったりするわけだ。
それより何より、肝心の高浜女流3級がふだんの実力を出さねば話にならない。内容は完敗だったらしいが、結局、高浜女流3級が弱かった、ということである。彼女はここまで対女流棋士会女流棋士に全敗らしいから、仮にここで女流2級になったとしても、その後の苦労は目に見えている。早いうちに己の限界が見えて、かえってよかったのではないだろうか。
山田久美女流四段は初戦に敗れ、来期またもチャレンジマッチ行き。他棋戦でタイトル戦に登場しようが、マイナビには一切関係ないのだ。
田村真理子アマ、佐藤陽子アマは無念の敗退。でも、今までどおり努力を続ければ、いつか予選を突破できる。このまま将棋への情熱を失わないことである。
マイナビ恒例の懸賞金は、200本を越えたらしい。1本1万円とか1万5千円とかいう額は、労働者には大変な額なのだが、受け取る側は、どう認識しているのだろう。
LPSA勢は、本戦進出1人もなし。LPSAの体たらくは今に始まったことではないのでもう慣れっこだが、ついにこの結果になったか。
もう将棋の成績で期待するのはやめた。
午前の1組・中村真梨花女流三段―渡部愛女流初段戦は、短手数で中村女流三段が勝った。
渡部女流初段は中村女流三段に全敗だそうで、実力差はそんなにないはずなのに、不思議だ。私は「相性」という言葉は使いたくないが、渡部女流初段は中村女流三段に、指しにくさを感じているのではなかろうか。1つ勝てば流れが変わると思う。
11組決勝の中井広恵女流六段―清水市代女流六段戦は、清水女流六段の快勝。
上の続きではないが、中井女流六段も清水女流六段に相性が悪い。対清水戦の連敗が、だいぶ伸びている。
中井女流六段の将棋は本格的で、女流棋士の中では最も男性棋士に近いと思う。ほかの女流棋士とは格が違う。もっといえば、現在の女流棋士界で、里見香奈女流名人・女流王位に対抗できるのは、中井女流六段だけだと信じる。その中井女流六段がどうして清水女流六段に勝てないのか、ホントに理解に苦しむ。
もちろん清水女流六段も強豪なのだが、中終盤で重たい手を指して自滅する時があるのに、中井戦だと不思議にそれが出ない。重たい手が重厚な手になって、中井女流六段を困らせるのだ。
とにかく中井女流六段は清水女流六段によく負ける。タイトル戦の星も含めて、ここまで負けることはないじゃないかと思うわけである。
里見女流二冠は4組で、貫禄の予選抜け。これで公式戦20連勝を達成し、中井女流六段の19連勝を抜いて、女流連勝新記録となった。
里見女流二冠は、病を得ながらの対局は相当のハンデとなっているはずだが、この20連勝中、里見女流二冠が不利になった局面は1回もなかったのではないか。
もうほかの女流棋士とは大駒1枚違う感じで、今の彼女に勝てそうなのは加藤桃子女王・女流王座と、西山朋佳奨励会二段ぐらいしか思い浮かばない。奨励会員の女流棋戦参加を認めてから、女流棋界は序列がおかしくなってしまった。
9組決勝の藤田綾女流初段―竹俣紅女流1級戦は、竹俣女流1級の勝ち。
これ、棋譜を見たら、藤田女流初段が初歩的なトン死を喰らっていた。
私程度の棋力でプロの将棋をどうこう言えないが、あの局面で△8二玉と逃げるプロがいますかね。先手の持駒を錯覚していたとしか思えない。もし不詰めだと思って逃げたんだったら藤田先生、これから相当勉強しないとヤバイですよ。
一方の竹俣女流1級は、予選の2勝で、かなりの懸賞金を手にしたらしい。新懸賞金女王の誕生となった。
7組決勝の飯野愛女流1級―高浜愛子女流3級戦は、飯野女流1級の勝ち。
この将棋、高浜女流3級の2級昇級がかかっていた。「女流3級」とは見習いみたいなもので、2年間でそれなりの成績を挙げられないとプロを剥奪、研修会戻りとなる(その場合、齢30を越えている彼女がどう扱われるのかは分からない)。高浜女流3級はプロ申請後の成績がパッとせず、これが事実上のラストチャンスだった。
それでこの将棋、繰り返すが、飯野女流1級が勝った。こう書くと必ず「米長哲学を実践した」という人が現れるが、私はあんなもの、ないと思っている(これについては「将棋ペン倶楽部」に投稿するつもりなのだが、なかなか筆が進まない)。
両者は同時期に研修会で戦った仲らしいから、飯野女流1級だって、そんなにリキを入れていたわけではないと思う。
ただ、力が抜けたからいい手が指せちゃう場合もある。「ええい行っちゃえ!!」という手が負けを恐れぬ好手だったりするわけだ。
それより何より、肝心の高浜女流3級がふだんの実力を出さねば話にならない。内容は完敗だったらしいが、結局、高浜女流3級が弱かった、ということである。彼女はここまで対女流棋士会女流棋士に全敗らしいから、仮にここで女流2級になったとしても、その後の苦労は目に見えている。早いうちに己の限界が見えて、かえってよかったのではないだろうか。
山田久美女流四段は初戦に敗れ、来期またもチャレンジマッチ行き。他棋戦でタイトル戦に登場しようが、マイナビには一切関係ないのだ。
田村真理子アマ、佐藤陽子アマは無念の敗退。でも、今までどおり努力を続ければ、いつか予選を突破できる。このまま将棋への情熱を失わないことである。
マイナビ恒例の懸賞金は、200本を越えたらしい。1本1万円とか1万5千円とかいう額は、労働者には大変な額なのだが、受け取る側は、どう認識しているのだろう。
LPSA勢は、本戦進出1人もなし。LPSAの体たらくは今に始まったことではないのでもう慣れっこだが、ついにこの結果になったか。
もう将棋の成績で期待するのはやめた。