一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

桃泥棒、再び

2017-06-30 00:13:09 | プライベート
26日(月)に叔父が私に教えてくれたのだが、先日ウチの向かいの住人が、ウチの桃の実を盗んでいる男がいるのを目撃したという。時刻は夜中。
それについては私も心当たりがあって、21日だか22日だかの深夜、ウチの庭から妙にガタゴト音がするので、様子を見に行ったことがあった。誰もいなかったが、あの時だったのだろうか。
桃泥棒には4年前の7月中旬にも遭ったが、あの時と同じヤツだろうか。
ともあれ26日夜、叔父の話を両親に告げると、そういえば25日(日)の朝方、家のブロック塀の傘にあたる部分が、何個か崩れ落ちていたという。前夜に泥棒が塀の上に乗って、壊してしまったということか。
ウチの塀は造られてから半世紀以上経っているから、風化も始まっている。だから私は桃の木にクスリを散布する際も塀には触れないようにしているのだが、泥棒はお構いなしだから、平気でその上に登る。
オヤジは、桃を盗むのか構わないが、塀を壊されるのは許せん、と憤った。いや、桃を盗むのだってヒドイだろう。
それにしても、この時期の桃はまだ大きくなっていないから、食べたって美味くない。それをどうして盗んでいったのか訳が分からん。
だが実際は、陽が当たるところはけっこう大きくなっていたようで、翌日オフクロが様子を見てきて、「道路際に赤くなっていた実をごっそり持っていかれた」と落胆した。
まったく頭にくる話だが、私が聞いた庭の物音と、泥棒が出没した日が合わないみたいで、そこはよく分からなかった。向かいの住人が見た泥棒は、いつだったのだろう。
ともあれこうなったら、ホントに防犯カメラを付けようか。
だけど桃の実を守るためにカネを遣うなら、そのカネで高価な桃を買え、って話だ。
しかしせっかく育った実をこうもちょくちょく盗まれ壁まで壊されたら、やっぱり反撃したくなるではないか。

まあとりあえずブログに書いて、わずかにウサを晴らした次第。
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宮宗紫野女流初段指導対局会のお知らせ

2017-06-29 00:08:33 | 女流棋士の指導対局会
大野教室では月に1回、女流棋士の指導対局会を実施しています。7月は、9日(日)に宮宗紫野女流初段の指導があります。
宮宗女流初段は5月に結婚し、世の男性ファンを嘆かせました。それが理由ではないでしょうが、まだ空きがあります。

6月28日現在、

A.11時00分~12時30分 残り2名
B.14時00分~15時30分 残り1名
C.16時00分~17時30分 残り1名

となっています。
指導対局料は、一般:4,000円、川口大野教室支部会員:3,500円。ほかに別途2,000円で大野八一雄七段との指導対局もできます。
詳しくはこちらへどうぞ。
8月のお知らせもあります。
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6月17日の4時から男(後編)

2017-06-28 00:06:27 | 新・大野教室
4局目はKaz氏と指す。Kaz氏もかなりの将棋バカで、休日は業務もあるだろうに、寸暇を割いて将棋を楽しんでいる。今日はKahoちゃんに負けたらしく、その敵を私で討つつもりのようだった。
私の先手で、▲5六歩△8四歩。先日のU戦のゴキゲン中飛車がおもしろかったので、本局も中飛車に振ってみた。

第1図以下の指し手。△6五銀▲同銀△同桂▲6六角△8六歩▲5四歩△同歩▲同飛△6四銀(第2図)

Kaz氏は△6五銀とシンプルな仕掛け。これで居飛車がよければ苦労はないが、Kaz氏は研究範囲のようだ。▲同銀△同桂は当然として、角の移動場所にすっかり考えてしまった。
私は迷ったすえに▲6六角。△1三角には▲4六銀と辛抱するつもりだったが、△1三角では△5七銀もあり、先手がおもしろくない局面になった。
本譜は△8六歩で、これも着実な攻めだ。私は△5七銀を避けつつ▲5四歩△同歩▲同飛だが、Kaz氏に△6四銀と厚く受けられ、指す手に窮した。

第2図以下の指し手。▲6四同飛△同歩▲7三銀△5二飛▲6四銀成△5七桂不成▲5三歩△6二飛▲6三銀△4九桂成▲6二銀不成(第3図)

ここで△3四歩が突いてあれば▲3四飛と取れるが、無理。居飛車側は、角交換拒否の余得がここにも現れている。
私は▲6四同飛と切って▲7三銀だが、こんな手しかないようではダメである。
居飛車は△5七桂不成が実現して好調。▲5三歩には△同銀もあったと思うが、△6二飛の切り返しも厳しい。私は▲6三銀と投入せざるを得ず、負けを覚悟した。
△4九桂成に私はポン、と▲6二銀不成だが…。

第3図以下の指し手。△6二同金▲4九銀(途中図)

△5三銀▲同成銀△同金▲6五桂△5四金▲7二飛△6二歩▲同飛成△5二金打▲8二竜△6五金▲5三歩(第4図)

Kaz氏は深く考えず△6二同金と取ったが、ここは△4八飛がイヤだった。以下▲6一銀不成△3九金▲4八角△同成桂(参考1図)でどうか。以下▲5二銀不成or▲5二歩成で一手勝っている気もするが、よく分からなかった。

私が「▲6二銀不成と△同金はセットでしょ?」という感じで軽く指したのがテクニックで、ここを重々しく指すと、Kaz氏も△4八飛を考えたかもしれない。
本譜は▲4九銀と取り返した形が、妙に隙がない。振り飛車側から見るとスカスカだが、逆側から見ると、耐久性があるように見えるのだ。これはSar戦でいつも感じることである。ただし現実には駒損だから、形勢にまったく自信はなかった。
というところで△5三銀が若干ありがたかった。むろん▲5四桂を嫌ったものだが、遊んでいた成銀が駒台に乗ったのは大きい。
▲6五桂が先手で打てて、多少持ち直したと思った。
▲7二飛は、形は▲8二飛だが、潜在的な王手飛車のラインを避けた。Kaz氏は△6二歩から△5二金打と先手を取ったが、私は落ち着いて▲8二竜。▲7二竜だと△6三銀を嫌ったのだが、ついに王手竜のラインに入ってしまった。
Kaz氏△6五金に私は▲5三歩だが…。

第4図以下の指し手。△4二金寄▲5二銀△5一歩▲4一銀不成△同玉▲8四角△8八飛▲5八銀(投了図)
まで、一公の勝ち。

ここで△6六金か△3六桂がイヤだった。たとえば△6六金には▲5二歩成しかないが、△3六桂に▲同歩は△5五角で先手負け。よって▲1八玉(参考2図)と寄るが、後手に飛角銀銀と持たれ、先手は生きた心地がしない。

しかし即詰みはないようだ。ここでも△3三歩型が、私に有利に作用している。もっともこれは後手の作戦だったから、結果論とは言えるのだが…。
本譜は▲5二銀と打って、ややおもしろくなったと思った。後手はやっぱり壁角が痛いが、前述の通り、仕方ない。
△4一同玉に▲8四角が絶好の飛び出し。次に▲5一角成を見て、ここで有利になったと思った。
△8八飛▲5八銀に、Kaz氏はしばらく考えて投了。私は△6一銀の受けを考えていたから、意外だった。

感想戦。私は終始自信がなかったのだが、Kaz氏は第2図の△6四銀に▲同飛と切った手を褒めてくれた。
以下も私は持ち上げられっ放しで、私は戸惑うばかりだ。
W氏とOg氏も加わったが、盛り上がりは私の「▲6九金―▲4九銀型」で、これが意外に耐久性があることに、みな苦笑した。
なるほどこれはゴキゲン中飛車党が増えるわけだと思った。
KahoちゃんはChi戦も勝利し、今日は全勝に近い戦績だったようだ。現在は大野八一雄七段に横歩取りの定跡を教わっているが、中飛車党の彼女が居飛車を覚えたら、たいへんな実力になる。
もう6時半を過ぎているが、Kaz氏がまだ指し足りないようなので、Chi氏との対局を促す。私は相手がいなくなり、これで打ち止めのようだ。4局指して2勝2敗はこんなものか。
根付け職人の話を聞いていると、何となく元奨励会員のようだった。
Chi―Kaz戦が終わった。平手戦だったようで、Chi氏の勝ち。Kaz氏は本日、相当負けが込んだようだ。
さて、食事である。メンバーは大野八一雄七段、W氏、Og氏、根付け氏、Chi氏、Tod氏、Kaz氏、私の8人。レギュラーメンバーはおらず、異色の顔合わせである。
いつものインドカレー店に行った。ではとりあえず、席の配置を記しておこう。

      壁
  一公 根付 Og Tod

  Kaz 大野 Chi W   入口

今日は奥の部屋に入ってすぐ右に先客がいたので、いつもと勝手が違う。テーブルが足りなかったのだが、それを用意している間に私はそそくさと奥に入ってしまい、着席。いつもと反対の席になった。
食事中の話の中心は根付氏(Ham氏)で、自身の奨励会入会のエピソード、植山悦行七段とのコントのような裏話などをおもしろおかしく聞かせてくれた。
ただし声量が豊かで声も大きいので、ちょっと耳がギンギンした。あまり考えたくないが、この場にもしFuj氏がいたら、どんな勢力図になっていたのだろう。
カレー屋には閉店の11時までお邪魔する。私はドリンクも頼んだが、これで895円である。次回はもう少しサイドメニューを頼みたい。
帰りはKaz氏といっしょだった。彼は今日の私の将棋を「私との将棋で五指に入る名局だったと思います」とまで言った。
失職同然の私はうれしくもなく、「そんなことはない」と、否定するだけだった。
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6月17日の4時から男(中編)

2017-06-27 00:44:49 | 新・大野教室
Hanaちゃんは用があるとかで帰ってしまった。ずいぶん早いが、もう5時半を過ぎている。私が来たのが遅いのだ。
U君の姿がある。U君は先週11日(日)の将棋大会で優勝した。彼の活躍を知るたび、私は恐ろしい中学生と将棋をしているんだなと思う。
3局目はChi元奨励会三段に教えていただく。氏は色白で沖縄育ちには見えないが、ウチナンチューらしく温厚そうだ。
奨励会三段は四段と同等なので、角を落としてもらう。チェスクロックは使わないことにした。
私は例によって▲2五飛戦法。しかしChi氏が△8五歩を控えて△7二飛と回ったので、若干予定が狂った。
私は▲3五歩と突き、▲2六飛~▲3六飛とやや方針変更。

第1図以下の指し手。▲6五歩△同金▲7七桂△7三桂▲6五桂△7七歩(途中1図)

▲7三桂成△7八歩成▲同銀△7三飛▲7六歩△3二金▲2四歩△同歩▲6五歩△同銀▲5五角(第2図)

▲6五歩。金銀が横に並んでいる時、銀の頭に歩を叩く(突く)と手になることがある。
Chi氏は△6五同金と取り、私は▲7七桂と跳ね、駒得が確定した。
しかし▲6五桂の瞬間に△7七歩(途中1図)が元奨三段の手で、応手に迷った。
途中1図でふつうは▲7七同金だ。だが△6五桂と、桂を取りながら金取りに当てられるのが気に食わない。
それで▲7三桂成としたが、△7八歩成と、ボロッと金を取られたのは痛かった。
思えば▲6五桂は、すでに金を取って役目を果たしている。御役御免と見捨てるべきだった。
本譜△7三同飛には次に△7六歩や△7六桂があるので、私は▲7六歩と我慢した。
△3二金には▲2四歩△同歩と味をつけ、▲6五歩と攻撃再開。△6五同銀に、▲5五角の飛び出しに期待したのだが…。

第2図以下の指し手。△6四金▲2八角△7六銀▲7五歩△7七歩▲7六飛△7八歩成▲5八玉△7五飛▲同飛△同金(第3図)

Chi氏はノータイムで△6四金。よろこんで打ったように見えたのは気のせいだろうか。
△7六銀に▲7五歩がシャレた手で、△7五同飛には▲6六金を見ている。
よって△7七歩以下、今度は銀の取り合いになった。が、△7八歩成に▲5八玉と逃げねばならないのがつらい。ここ▲7八同飛は△6六桂がイヤで、指し切れなかった。

第3図以下の指し手。▲9一角成△6六桂▲4九玉△5八歩▲3八玉△5九歩成▲同銀△6八と▲2三歩△同玉▲1五桂△1四玉(第4図)

ここで指し手が分からなかった。▲2八角を狙われそうに思ったので、▲9一角成と駒を補充する。
しかし△6六桂▲4九玉に△5八歩でシビれた。こんなところに歩が利くとは…。
▲3八玉に△5九歩成。本局2度目の「歩で金をボロッ…」だ。
△6八とに▲2三歩。数手前に▲2四歩△同歩としたのは、歩を入手後のこの手に期待したからだ。
続く▲1五桂には△2二玉で負けと読んだが、Chi氏は考えている。△1四玉と上がったので、やっぱり…と思った。格言は「桂頭の玉、寄せにくし」と教えている。

第4図以下の指し手。▲3七馬△5九と▲1六銀△4九銀▲2七玉△2五金(途中2図)

▲2六金△3八銀打(第5図)

ここは何か手があると思ったが、やはり分からなかった。ただ▲3七馬は攻防の手で、わるい手ではないと思った。
△5九とに▲1六金か▲1六銀か迷う。2七に利く▲1六銀を選択したが、どうだったか。
Chi氏は△4九銀▲2七玉を決めたあと考え、△2五金(途中2図)。私も▲2六金と打ち返すと、Chi氏が「おおぅ」と笑う。ここは力のこもった応酬だった。
ここで△1六金なら▲同玉の予定。以下△2五銀▲同金△同歩▲2六金△2四金▲3六馬(参考図)で下手勝ち、の読みだったが、△3八銀打が飛んできた。

第5図以下の指し手。▲1八玉△2九銀不成▲同玉△2六金▲2八香△3八金▲同馬△同銀成(投了図)
まで、Chi氏の勝ち。

私は▲1八玉よりないが、△2九銀不成と指されビックリした。▲同玉に△2六金となり、▲同馬は△3八金以下詰みだ。もし▲1六金▲2六銀ならこの順はなかった。
私は▲2八香と打ったが、△3八金以下詰まされた。

感想戦。Chi氏は第1図からの▲6五歩~▲7七桂を軽視したとのこと。奨励会なら△5三銀だろうが、指導対局だから△6五同○でいいと思う。
△7七歩に▲6五桂はやはり気前良すぎで、ふつうに▲6八金でよかったという。後は機を見て▲6六歩から桂を取りにいく。
△7三飛に▲7六歩はヘンな手だが、Chi氏は打たれて困ったという。しかし△3二金の次、▲6五歩がまた動きすぎで、▲1六歩△1四歩▲3七桂ぐらいで下手十分とのこと。植山悦行七段相手ならこう指す余裕もあったかもしれないが、本局は大敵を前にして、私に妙な焦りがあった。
本譜▲5五角には△6四金をよろこんで打ったそうで、ここでおもしろくなったと思ったらしい。私は金を打たせたことに満足したのだが、あべこべだったのだ。
しかし第2図から4手後の▲7五歩が存外いい手だったらしく、また下手有望。
△7八歩成に▲5八玉は意外だったそうだが、▲7八同飛にはやはり△6六桂が厳しく、ここは私の読みでよかったらしい。
途中からOg氏も検討に加わってくれたのだが、Og氏推奨の指し手を私が「ダサくないですか?」と切り捨てるので、終いにはOg氏が「大沢さんはさっきから私の手をダサイダサイって言うけど…」とむくれる?一幕もあった。
第3図から数手後の▲2三歩では、▲5五桂をChi氏は読んでいたらしい。私は、桂は1五から打つつもりだったので、まったく読みの外だった。
もっともChi氏はここで、先の「▲2四歩△同歩」の意味を理解して感心した?らしい。
さっきからChi氏は下手の指し手に同意してくれるので、私は調子が狂ってしまう・
ありがたかったのは▲1五桂に△1四玉で、Chi氏は桂頭の玉のほうが寄らないと見たという。念のため△1二玉の変化も調べたが、下手の指したい手がいっぱいあり、結論が出なかった。
▲3七馬ではほかの手も検討したが、やはりこれぐらいしか手がなかった。
あとは最後まで並べて感想戦は終了。
Chi氏は淡々と指していたがやはり急所での指し手は厳しく、とても勉強になった。機会があれば、またよろしくお願いします。
(つづく)
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6月17日の4時から男(前編)

2017-06-26 00:05:19 | 新・大野教室
25日は社団戦があった。大野教室は5部で1チームだけ出場し、チームは1勝3敗、個人は1勝2敗だった。
悔しかったのは3回戦で、3勝3敗で私の一局が残る大一番。入玉を巡る攻防になったが、私に錯覚があり、寄せられてしまった。後で聞いたのだが、その将棋の終盤、私の背後で渡部愛女流初段が観戦(応援?)していたという。
渡部女流初段の前でいいところを見せたかったのに、無念だ…。
またもや社団戦で凹んだ。もうどうしようもない。
この模様は後日改めて記します。

渡部先生は今日が24歳のお誕生日。おめでとうございます。

   ◇

17日(土)は大野教室「4時教室」に行った。今月4回目の入室で、この将棋バカさ加減はどうかしていると思う。
川口に行く前に、反対方面の上野のエキナカに寄って、FLASHとFRIDAYを買った。ちなみに切符購入区間の外にハミ出るのは違反だから、良い子のみなさんは気を付けられたい。今回私は買物をしたので、見逃してもらおう。
ところで今日は、朝日オープンのプロアマ一斉対局が行われている。電車内で藤井聡太四段の将棋を見ると、東大生相手に快勝していた。いつもながら手際のいい寄せで、これで27連勝。まったく、手がつけられない強さだ。

4時20分ごろ教室に入ると、大勢の会員でにぎわっていた。
大野八一雄七段は指導中だが、ポジションが変わっている。すなわち本棚を背にしており、先週の渡部愛女流初段と同じだ。
「こちらの方が大盤解説の時、都合がいいんです」
なるほど。
見慣れぬ人もいて、今日はちょっと雰囲気が違う。スタッフのW氏によると、男性の一人は根付け師らしい。教室で渡部女流初段の指導対局を受けると、サービスで駒のキーホルダーが貰えるが、それの作者だという。いま一人は元奨励会三段で、名字から察するに沖縄出身のようだ。
女の子も二人いて、HanaちゃんとKahoちゃんだった。
Hanaちゃんは久しぶりの日本。ずいぶん大きくなって、お姉さんとそっくりになってきた。
Kahoちゃんは大野教室期待の小学生で、このまま順調に伸びれば、女流棋士になるのは間違いない。今日はお母さんもいっしょだった。
ほかにKaz氏の姿もあった。みな指していたがTod氏が空いていたので、彼と二枚落ち戦を指す。
Tod氏の10手目▲3五歩に、私は△2二銀を保留。▲3四歩と突いてこなかったので、こっそり△4二銀と上がった。

Sar君が荒れている。Kahoちゃんと対局して、トン死してしまったらしい。
終盤に強いSar君にしては珍しいが、彼にも尻抜けがあるのだ。

Tod氏との将棋は、迎えた中盤戦、Tod氏が桂得して好調。しかし第1図から▲6五桂△7四玉▲9七角△8六歩▲4一銀△3一金▲5五飛△同歩▲5二銀打と進み、これはTod氏、久しぶりに青春が爆発してしまった。
とにかく第1図では▲5九飛と引かれるのがイヤだった。以下△6七歩成▲同金△同金なら、▲5五角(王手)△同歩▲同飛△5三歩▲6五飛でどうか。以下△6四歩▲6七飛△7八角▲7七飛は下手勝ち。
まあこうはならないが、とにかく第1図で下手は▲5九飛と落ち着くべきだった。してみると私の△5五銀が疑問で、△6五銀とこちらに打つべきだった。

進んで第2図。ここで△5七歩成が決め手。将棋は不思議で、金銀をゴリゴリ重ねていくより、軽く成り捨てる手が好手になる場合がある。
Tod氏は▲5七同金と取ったので、△3八銀以下即詰みで私が勝った。こんな状態でも将棋は勝てるんだなあ、と感慨深かった。

2局目はKahoちゃんと指す。Kahoちゃんとは以前1局指したことがあって、手合いも勝敗も忘れたが、キビキビした将棋だったと思う。
本局は平手で、Kahoちゃんの先手中飛車となった。角を換えられた後、私は玉頭位取りに出たが、4五の位を取らないのはマズかった。美濃囲いの発展を阻む意味で、△4五歩は突けるものなら突いておきたかった。

第1図以下の指し手。▲5五歩△同歩▲同飛△5四歩▲8五飛(途中図)

△8五同飛▲同桂△4五歩▲同歩△4六歩▲同銀△4九飛▲5七銀左(第2図)

Kahoちゃんは▲5五歩から▲8五飛(途中図)とぶつけてきた。飛車交換は飛車の打ち場所が多い先手が有利だから、△8四歩と謝りたい。
しかし以下▲7一角△8三飛▲8六飛△6九角▲6八金△4七角成▲同金△9五銀▲7二角(参考図)で自信がなかった。

しかし参考図は後手玉が固いし、先手陣はバラバラ。これに踏み込む順は十分あった。
また手順中、▲7一角に△7二飛は▲5三角成△同金▲8四飛でわるいと思ったが、▲5三角成の瞬間に△8五歩とする手もあり、むずかしかった。
いや私は飛車交換の後△4五歩からの攻めに期待したのだ。が、これは4四の地点にキズを作って、よくなかった。
第2図の▲5七銀左がいい手だった。

第2図以下の指し手。△8九飛成▲6八金△8七竜▲8二飛△7六竜▲8一飛成△4一歩▲9一竜△7九竜▲4四香△同銀▲同歩△同金▲5六桂△4三金引▲4四歩(第3図)

第2図で△9九飛成と指そうとしたら、▲6六角がある。誤算に気付いて△8九飛成としたが、Kahoちゃんに▲6八金と寄られて、また先手玉を固めさせてしまった。
この辺りのKahoちゃんの金銀の動きは、大山十五世名人のそれを見るようだった。
私は指す手がなくなって△8七竜と歩を補充したが、▲8二飛と下ろされて非勢だ。
私は△7六竜~△7九竜と奇妙な動きだが、Kahoちゃんに▲4四香から▲5六桂と打たれて、筋に入ってしまった。

第3図以下の指し手。△5三金寄▲4三銀△同銀▲同歩成△同金寄▲4四歩△5三金寄▲4三銀△同金寄▲同歩成△同金▲4四歩△4二金▲4三金(投了図)
まで、Kahoちゃんの勝ち。

寄せは駒をはがすことなり。Kahoちゃんは▲4四歩を拠点に、どんどん駒をはがしてゆく。3度目の▲4四歩を打たれて、「まだ歩があんのかよ」と嘆いたら、Kahoちゃんがクスッと笑った。こうなってはもうダメである。▲4三金まで投了した。

感想戦。Kahoちゃんは第1図から▲5五歩△同歩▲同飛の時に、△6九角を気にしたらしい。ここで△6九角か! 以下▲8八金△4七角成▲同金でこれはこれでむずかしい将棋だが、Kahoちゃんはいい着眼点を持っていると思った。
感想戦ではやらなかったが、第2図でも△6九角でよかった。▲6八金△4七角成▲同金△4九飛で、いままで出た変化と似た形になるが、後手有望だと思う。
本譜△4五歩はキズを作った大悪手。以下は勝負所がなかった。とにかく大局観がにぶった一局。
(つづく)
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