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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

福間女流五冠、倉敷藤花10連覇達成

2025-03-26 13:59:39 | 女流棋士
きのう25日は、第32期大山名人杯倉敷藤花戦第2局が行われた。ここまで福間香奈倉敷藤花戦の1勝。倉敷藤花戦は三番勝負なので、伊藤沙恵女流四段は早くも後がなくなった。
当日はYouTube配信もあったが、私はテキスト派なので、サイトの記譜中継を見ることにした。
ところがそちらにアクセスしても、局面は第1局のままである。といってYouTubeを見るのも面倒臭いので、もう何も見なかった。
夕方になりサイトを見たが、まだ記譜は見られない。それで速報を見たら、福間倉敷藤花が勝ち、防衛していた。福間倉敷藤花は連覇記録を「10」に伸ばすとともに、休場明けの連勝も「11」に伸ばした。
きょう、別サイトであらためて、記譜を確認した。
将棋は後手福間倉敷藤花の向かい飛車に、伊藤女流四段は銀冠からの米長玉。情報では、伊藤女流四段が中盤まで指しやすかったらしいが、終盤で逆転。そのまま押し切った。図らずも、戦前に菅井竜也八段が予想した展開通りになってしまった。
いや福間倉敷藤花、まったく圧倒的な強さで、休場、子育てのブランクはまったく感じさせない。いやむしろ、休場中に指せなかった欲求不満を、実戦で発散させている感じだ。
個人の連勝記録は自身が作2015年度に作った「21」だが、ヘタしたら、更新するのではないか。
ついでだから、女流棋戦の連覇も記しておこう。

12連覇 里見香奈 女流名人戦(第36期~第47期)
10連覇 林葉直子 女流王将戦(第4期~第13期)
10連覇 福間香奈 倉敷藤花戦(第23期~第32期・継続中)
9連覇 清水市代 女流王位戦(第9期~第17期)
7連覇 清水市代 倉敷藤花戦(第2期~第8期)
7連覇 西山朋佳 マイナビ女子オープン(第11期~第17期・継続中)
6連覇 福間香奈 女流王位戦(第30期~第35期・継続中)

さすがに、歴史に名を残す女流棋士ばかりである。
この倉敷藤花戦、マイナビ女子オープン、女流王位戦は福間女流五冠と西山女流三冠で連覇継続中。現在それを阻止できそうなのが、このお互いしかいないのが残念なところ。
中七海女流三段に、早くタイトル戦に出てきてほしい。
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西山女流三冠、棋士編入試験に敗れる

2025-01-22 23:31:22 | 女流棋士
きょう、西山朋佳女流三冠の棋士編入試験・第5局が行われた。結果は柵木幹太四段が勝ち、西山女流三冠は不合格となった。
第5局は柵木四段の先手。順番だから仕方ないとはいえ、最終局は振駒にしてもらいたかった。それはともかく柵木四段の居飛車明示に、西山女流三冠の三間飛車でスタートした。
柵木四段は急戦の構えを見せたが、時間差で米長玉に囲う。西山女流三冠は△6三銀と上がる変形美濃。たぶん藤井猛九段が好きな形で、西山女流三冠の振り飛車の経験値の高さが分かる。
柵木四段が4筋から仕掛け、巧妙な手順で飛車取りに角を覗く。
これに西山女流三冠は△1二飛と我慢。さらに▲4四歩の銀取りにも、△3二銀と屈服した。しかしこれでは飛、銀が蟄居していまい、大幅な戦力ダウンだ。私に言わせれば、この時点で西山女流三冠がダメである。
以下西山女流三冠も頑張ったが、一手指すごとに形勢が悪くなり、最後は25手詰の最初の1手を見て、潔く投了した。
いやー、残念。きょうは将棋界の歴史的1日になる可能性もあったが、そう簡単にはいかないのが現実の世界だ。
とはいえ今回の編入試験にあたり、西山女流三冠は、よくても2勝3敗だと思っていた。2勝2敗で最終局まで来ても、西山女流三冠の奨励会三段リーグでの対柵木戦は、0勝5敗。ちょっと届かないと思った。
今回の試験、四段陣が死にモノ狂いで西山女流三冠を倒しにいったとは思わないが、試験官として、目の前の将棋の最善手を指す、という姿勢は見て取れた。
さて、西山女流三冠は、今後どこへ行くのか。とりあえず女流棋戦を頑張るわけだが、また棋士編入試験の資格を得るには、またプロを相手に、圧倒的な成績を挙げなければならない。気の遠くなるような話で、西山女流三冠の談話ではないが、いまはそこまで考える気持ちが起きないだろう。
四段の実力があるのに、四段になれない。なんなんだこの世界は。と、どこか醒めた気分になってしまった。
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西山女流三冠の棋士編入試験第4局

2024-12-20 07:14:49 | 女流棋士
きのうの観光はスカだった。旅行最終日のきょうは、大分からスタート。精一杯楽しみたい。

   ◇

この17日に、西山朋佳女流三冠の棋士編入試験第4局が行われた。
試験官は昨年10月デビューの宮嶋健太四段。今回の試験官の中で、私に唯一指導対局をしてくれた先生でもある。それは宮嶋四段の師匠が大野八一雄七段だった関係もあるのだがそれはともかく、私が最初に宮嶋四段に指導対局を受けたのは、彼がまだ奨励会1級のときだったらしい。
そのときの勝敗は忘れたが、どうも宮嶋1級の態度が生意気だったらしく、それを私はブログにぶちまけてしまったらしい。相手が反論できないのをいいことに、私はこういう卑怯なことをするのである。
ただその文章を読んだ宮嶋1級も思うところがあったらしく、宮嶋1級が晴れて四段になり、棋士として私に指導対局にあたったとき、宮嶋四段はあらためて、私に詫びを入れてくれたのであった。
だが私は当時のことをほとんど忘れていて、恐縮するばかりであった。
今年1月の指導対局は角落ちだったが、ここまで書けば、その勝敗はお分かりだろう。なぜか私が勝った。
あらためて述べるまでもないが、私が角落ちの手合いで男性プロに勝てるわけがない。またプロ側もお金をもらっている以上、うまく緩めてくれるのである。ただ、どの局面で緩めてくれたのか、私には分からない。
そして今回の棋士編入試験である。この類の試験官は、とくに相手が女流棋士とくればまず悪役で、味方はいない。だからこそ試験官5人に「オレたちだけで頑張ろう」という妙な結束力が生まれたらしい。
ただどうであろう、人のいい宮嶋四段のこと、今回は首切り役に徹することができず、さしずめ導火線に火のついた爆弾を西山女流三冠に投げることなく、第5局の柵木幹太四段に放り投げてもおかしくないと思った。
では、対局を見てみよう。将棋は西山女流三冠の先手で、三間飛車。宮嶋四段は急戦を志向し、簡易な船囲いに収め、7筋から仕掛けた。
このあたりの構想が私にはアレで、対三間飛車なら穴熊を考えてもいいし、仕掛けるならすでに飛車が構えている7筋ではなく、6筋でもよかった。
だからなんというか、「私もそれなりに指しますけど、うまく指してくれたらこちらもそこまで抵抗しませんよ」的な思惑があったのか、などと邪推をしてしまうのであった。
将棋は中盤、西山女流三冠が▲8五桂と跳ねたのが好手。相手の桂が取れる形で自分の桂が逃げられれば、桂の丸得になる。それと、角のラインで敵竜を牽制できるのも大きい。
以下は西山女流三冠の豪快な寄せを見るばかりとなった。
局後宮嶋四段は「完敗でした」とすがすがしいコメントだった。よけいな言い訳をしないところがよい。
というわけで、泣いても笑っても、最後の一局を残すのみとなった。それは西山女流三冠が最も感じていること。悔いのない戦いをしてもらいたい。
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西山女流三冠の棋士編入試験第3局

2024-11-10 00:07:09 | 女流棋士
きのう8日は、西山朋佳女流三冠の棋士編入試験第3局が行われた。ここまで西山女流三冠の1勝1敗。3戦目の相手は上野裕寿(ひろとし)四段。2023年10月デビュー。
その上野四段は棋士2年目にして、新人王戦と加古川青流戦で優勝している。今回西山女流三冠が受験するにあたり、最強の相手がこの上野四段であった。
将棋は西山女流三冠の後手で、四間飛車。西山女流三冠には先手でも後手でも三間飛車のイメージがあったから、これは意外だった。
西山女流三冠はさらに、美濃囲いを放棄し△6二銀と上がる、独特の戦型を採った。
この大事な一戦に、よく指しなれない手を選ぶと思う。先日の「将棋フォーカス」で藤井猛九段が語っていたが、西山女流三冠には、贔屓の振り飛車党棋士がいないという。振り飛車の定跡を知らない、という別方向からの情報もあり、要するに西山女流三冠の振り飛車は、西山オリジナルなのだ。本局の独特の囲いもふまえ、大山康晴十五世名人のテイストによく似ていると思った。
西山女流三冠は、6筋の位を取り、十分。△2二飛を利かされたのがアレだが、西山女流三冠は、福間香奈女流五冠との戦いでも、よく向かい飛車を指すから、問題ないのだろう。
上野四段は飛車角交換をし、▲4四角と飛車取りに飛び出す。西山女流三冠は飛車を端に寄って耐える。しかしここは、香を見捨てて△6二飛もあったようだ。
西山女流三冠、銀を桂と刺し違え、△6六桂と両金取りに打った。一見でかしたようだが、先に損をしているので、得はしていない。むしろ先手の駒を捌かせているので、植山悦行七段や大野八一雄七段はマユをひそめると思う。私は両七段の教室によくお邪魔したが、その教えは応用が利き、とても勉強になったものだ。
西山女流三冠、△7八桂成とこちらの金を取った。△5八桂成なら成桂が残るが、桂を渡しても、玉を薄くするほうを採ったわけだ。だがこの判断も甘かったようだ。
西山女流三冠は継続手として角頭を攻めたが、ABEMA解説の郷田真隆九段と佐藤和俊七段は△9六歩を推奨する。
むろん西山女流三冠も考慮に入れたが、遅いと判断したのだろう。ただ、▲9五歩△同歩と突き捨てた側からすると、その歩を伸ばされるのは不愉快なものなのだ。
たとえば大山十五世名人は、その局面の最善手よりも相手の嫌がる手を指した。大山十五世名人なら、間違いなく△9六歩を指したであろう。
上野四段は▲2二とと飛車を殺し、これで専門的には勝負あった。以下は西山女流三冠の懸命の攻めを上野四段が甘し、快勝となった。
西山女流三冠は残念だったが、「四間飛車も試して、充実していました」と前向きな感想を残した。
それで思ったのだが、西山女流三冠は、そこまで編入試験に「入れ込んでいない」ような気がした。
しかし現実的に、西山女流三冠はあとがなくなった。第4局の相手は宮嶋健太四段。さて、どうなるか。
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「中七海」

2024-10-07 23:42:45 | 女流棋士
9月に年齢制限で奨励会を退会した中七海(なか・ななみ)さんが、女流棋士・女流三段として再出発することが分かった。七海さんは元奨励会三段で、このままアマに戻るのはもったいないと思っていたから、七海さんの英断には拍手を送った。
実は先月29日の社団戦のとき、Kan氏から気になる話を聞いていた。七海さんは京都大学の大学院在籍で、このたび気象に関する賞をもらったという。
元奨励会から女流棋士になるルートはよくあるが、七海さんの場合は気象の世界のホープで、とても女流棋士をやる時間はない。よって今後はそちらの研究に専念するのではないか、というものだった。
ところがきのうの将棋ペンクラブ大賞贈呈式で、Kan氏がみなに謝りたいことがある、と言ったので注目した。
なんと、京都大学大学院の中七海さんと、将棋の中七海さんは別人だったというのだ。
「なかななみって、字も同じ中七海なんですか」
「そう」
「はああ……」
苗字も名前も珍しいが、その2つが組み合わさって同姓同名とは、奇跡的な偶然があったものだ。ひょっとしたら、姓名判断ではこの相性がいいのかもしれない。
将棋の七海さんは兵庫県出身で、あちらの七海さんと同じ関西である。Kan氏が同一人物と勘違いしたのも無理はなかった。
それはともかく、元奨励会三段の福間香奈女流五冠と西山朋佳女流三冠が8大タイトルを分け合っている現在、元奨励会三段の新加入は、願ってもないことである。
七海さんは奨励会在籍時も、女流棋戦に出ないことで有名だった。私などは、女流棋戦でタイトルを獲ればけっこうな収入になると思ったが、七海さんは極端な無口で、目立つことを嫌う、という噂も聞いたことがある。それが不出場の理由だったかどうかは分からぬが、いずれにしても気骨がある女性であることは確かだ。
「なかななみ」と、ついフルネームで呼びたくなる氏名もいい。11月からは頑張って、8大オタイトルの牙城に大きな穴を開けてもらいたい。頑張れ!
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