一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

7月13日のLPSA麹町サロンin DIS(中編)

2017-07-31 00:18:46 | LPSA麹町サロンin DIS

第3図以下の指し手。▲6五銀△同桂▲同飛△6三歩▲4六桂△8六角▲5四歩△5二金▲8五歩△7七角成▲同桂(第4図)

繰り返しになるが、今日も渡部女流初段の装いが素敵で、私は将棋半分、鑑賞半分だ。プロを相手にこの「ハンデ」はきつい。
第3図で▲8八飛は△8五歩▲同歩に△同飛でも△同桂でも、下手が芳しくないと思った。
そこで▲6五銀と歩を食いちぎったが、やや乱暴だったかもしれない。以下△同桂▲同飛と進んで桂歩と銀の交換だから悪くはないが、上手の桂を捌かせたのが大きい。
この「銀:桂歩」の交換は4日前の宮宗紫野女流初段との一局でもやったが、私は銀より桂のほうが好きなのだ、たぶん。だから歩のおまけが付いてきたら、よろこんで銀桂交換してしまうのだ。
本譜に戻り、△6三歩では△8六角もあるかと思ったが、やはり▲6一飛成は甘受できなかったようだ。
私は▲4六桂と据える。ここは▲8五歩もあったが、△8六歩を気にした。▲4六桂にこれといった狙いはなく、たとえば次に▲3五歩は△同歩で、毛を吹いてキズを求む結果となる。
本譜△8六角には▲5四歩△5二金を利かし、ここで▲8五歩。以下手順に桂を跳ねて悪くないと思ったのだが…。

第4図以下の指し手。△8六角▲6七飛△6六銀▲同飛△7七角成▲5六飛△5五桂▲4八金引△8五飛▲4一銀(第5図)

第4図で渡部愛女流初段は△8六角と放った。「ちょっとヒネってみました」
ここは△8八角がふつうだが、▲8六角の打ち返しを嫌ったらしい。
私は▲6七飛と引いたが、渡部女流初段は「笑われちゃうかな」と△6六銀!
一瞬ありがたい気がしたが、▲同飛△7七角成の結果は、駒の損得なしで馬を作られている。
▲5六飛に△5五桂も感心したところで、ただ受けるのではなく、金取りも兼ねている強い手だ。むかし芹沢博文九段が、「将棋は○○しながら○○という、一石二鳥の手を指すのがよい」と言ったが、△5五桂はその典型的な例である。
渡部女流初段は△8五飛と飛び出し、私は▲4一銀。あまりカナ気は渡したくないのだが、1枚でも駒を剥がしておかないと、勝負にならないと思った。
対して渡部女流初段が最強!?!?の応手できた。

第5図以下の指し手。△8八飛成(途中1図)

▲5二銀不成△5一歩▲4一銀成△9九竜▲5三歩成△4七香▲5四桂(途中2図)

△4八香成▲同金(第6図)

渡部女流初段は△8八飛成!! 金を見捨てて攻め合いにきたのだ!
まあ私は▲5二銀不成と金を取るしかない。ところが渡部女流初段は駒台に手を泳がせると、
「あーーーっ!!」
と叫んだ。
何事かと思った。「勘違いしました!」
何と、持駒に銀があると勘違いしたらしいのだ。つまりここで、△4七銀の攻め合い勝ちと読んだのだ。が、銀はさっき使ってしまっている。
「…待ちましょうか?」
「イエ、いいです」
私がニヤけながら申し出ると、渡部女流初段はキッパリと断った。まあそうであろう。どっちが指導しているか分からないじゃない、と周りが混ぜっ返した。
渡部女流初段は気を取り直して、△5一歩。動揺している中、よく咄嗟にこういう手が浮かぶものだ。私は▲4一銀成。この位置が冴えないが、上手も5筋に歩は打てなくなった。
渡部女流初段△9九竜。こうして香を補充されてみると、やはり難しい形勢だ。序盤は作戦勝ちだと思ったのに、私はどれだけ形勢を悪くしていたのだろう。
しかし私も▲5三歩成から▲5四桂(途中2図)と跳んで、この桂が使えたのは大きいと思った。
△4八香成▲同金の次、私にはイヤな手が見えたのだが…。

(つづく)
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7月13日のLPSA麹町サロンin DIS(前編)

2017-07-30 00:11:05 | LPSA麹町サロンin DIS
13日のLPSA麹町サロンin DISは渡部愛女流初段の担当。2部の回に前日まで空きがあったので、申し込んだ。麹町で渡部女流初段に教わるのは前回に続いて2回目になる。
四ッ谷駅前の小諸そばで二枚もりを手繰り、教室に入ったのは16時45分ピッタリだった。
凹型のテーブルの手前右の席が空いていて、そこに座る。ここは渡部女流初段がほぼ正面から「鑑賞」できる特等席だ。ほかの3人はTak氏、白髪の男性、サラリーマン風の諸氏だった。
今日も渡部女流初段は魅力的で、夏らしい紺のワンピースだ。私は早くもクラクラしてしまう。
今回は忘れないうちに、4,000円を支払う。
「最近よく麹町に来てくださいますね」
と渡部女流初段。
「はあ、渡部先生の回はなかなか申し込めないし…。平日は来る機会がないんで、まぁ…」
ここに来られるのも就職活動前のモラトリアムだが、かなりその期間が長くなっている。本当は麹町に来られないくらい、忙しくなければならないのだが…。
「昨日(大沢さんから申し込みのメールがあった時)私も事務所にいたんですけど、あのあとすぐに、Todさんから電話で申し込みがあったんですよ」
まさにタッチの差だったわけだ。私はひとりでも多くの将棋ファンに渡部女流初段との将棋を体験してもらいたいと考えるが、Tod氏なら私が対局しても構わないだろう。
白髪氏の将棋は中盤戦になっていた。いくら何でも進み過ぎで、1部からの続きに思われた。ということは、1~2部を通しで予約していたということか。
3人は飛車or角落ち。私も駒を並べ、畏れ多くも平手で対局開始となった。

初手からの指し手。▲7六歩△8四歩▲6八飛△6二銀▲4八玉△4二玉▲3八玉△3二玉▲6六歩△8五歩▲7七角△3四歩▲7八銀△5四歩▲6七銀△5三銀▲2八玉△3三角▲3八銀△2二玉(第1図)

初手は▲2六歩を考えたが、やはり▲7六歩。渡部女流初段は△8四歩で、矢倉志向だ。
前局は相居飛車の急戦で、私が幸いした。同じ戦型でリベンジ、というところかもしれないが、私はビビッて▲6八飛と振った。渡部女流初段が「ふった…」と苦笑した。
「振り飛車の捌きを…(見せちゃる)」と私。このあたりはまだ、軽口が出ている。やがて静かになるのだ。
ほかの2局も序盤なので、渡部女流初段も気軽に話しかけている。
「暑いですよねえ。北海道も36度あるって聞きました」
と渡部女流初段。
Tak氏は今回、13日から17日までの遠征。前週の宮宗紫野女流初段の指導対局にも来ていて、Tak氏は地方在住者なのによく時間があると思うが、ヒトの私生活を覗かないのは私のポリシーである。その代わり、私の私生活もシークレットだ。
▲6七銀に△5三銀でイビアナ模様。実際3月の大野教室指導対局では、イビアナで粉砕されている。△2二玉に、次の手を迷った。

第1図以下の指し手。▲8八飛△3二銀▲5八金左△7四歩▲5六歩△5二金右▲4六歩△1四歩▲1六歩△2四歩▲3六歩△4四銀▲3七桂△4二角▲4五歩△3三銀引▲4七金△2三銀(第2図)

第1図で▲5六銀を考えたが、玉は2八まで運んでいるので、藤井システム風の攻めはできない。それで何となく▲8八飛としてしまった。私の場合、考えていない手を発作的に指すことがよくある。
もっとも▲8八飛は、▲7八金から▲8六歩の速攻を見ている。対して渡部女流初段は△3二銀! アナグマを放棄し、一手で囲いを完成させてしまった。ちょっと肩透かしを食ったが、アナグマがなくなったぶんだけ、佳しとしよう。
△4二角に▲4五歩と突けて、まずまず。対左美濃には、この位は重要だと思う。

第2図以下の指し手。▲6五歩△3二金▲5五歩△5三金▲5六銀△8六歩▲同歩△7三桂▲2六歩△6四歩▲5四歩△同金▲6四歩△同角▲6八飛△6五歩▲5五歩△5三金(第3図)

△2三銀と上がったら、上手は次の△3二金が絶対。つまり私は3手一組の構想を立てられるわけだ。
私は▲6五歩と伸ばした。4五の位と合わせて、ずいぶん伸び伸びしている。
つづく▲5五歩に△同歩は▲同角で下手十分。渡部女流初段は△5三金とし、この金は攻めに使うようだ。私は▲5六銀とし、エセ振り飛車にしては、まずまずの形だと思った。
▲2六歩。こちらは▲3七桂に▲2六歩がワンセットで、いつかは突きたかったところ。ここで△5五歩なら、▲同角△6四歩▲同歩△同金▲4六角でどうか。とにかく下手は▲5五角と飛びだせれば気分がいい。
渡部女流初段は△6四歩。右金を攻めに参加させ、ごちゃごちゃと手を作ってくるものだ。
私は5筋と6筋の歩をサッパリさせ、とりあえず▲5五歩△5三金と収める。
ここで次の手がどうだったか。

(つづく)
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はじめての宮宗女流初段(後編)

2017-07-29 00:26:51 | 女流棋士の指導対局会

第4図以下の指し手。▲6六銀△8四馬▲4五歩△7三桂▲2四歩△同歩▲4四歩△6五桂▲同銀△4八馬(第5図)

宮宗紫野女流初段はサウスポー。さして考えることなく淡々と指す。私は他者の将棋まで見る余裕はないが、「現在いい勝負」なら、最後はアマが負ける。
局面。私は文字通りノータイムで▲6六銀と打ったが、△8四馬と引かれてみると、次に△7三桂がある。それを防いで▲7四歩としても、△7五桂がありそうだ。
どっちにしても、ここで自陣に手を入れる気力がなくて、私は▲4五歩と突っかけた。
だが△7三桂と打たれてみると、厳しくて参った。いわゆる「軽視していた」というやつだ。
私は▲2四歩△同歩と味をつけ▲4四歩だが、これも相手に歩を渡してどうだったか。
宮宗女流初段は△4八馬と、再び飛車取りに当ててきた。今度の馬も厳しい。

第5図以下の指し手。▲2七歩△7五銀▲3五歩△2六馬▲同歩△8六歩▲同歩△8七歩▲同玉△4九飛▲7九歩△8五歩▲同歩(第6図)

第5図は下手が敗勢に近い劣勢。私は力なく▲2七歩と打ったのだが、これが軟弱な手で、負けを早めた。ここはまだしも▲2八飛と引くべきだった。以下△3九馬▲2六飛△4八馬▲2八飛△3九馬…の千日手模様を気にしたのだが、これは上手が打開するから問題なかった。不利なほうが千日手を回避?しているようでは話にならない。
宮宗女流初段は△7五銀。こういう銀はOg氏にも打たれたことがあるが、実戦的な素晴らしい手だと思う。
私は▲3五歩と突くくらいしかないが、宮宗女流初段は△2六馬と、半分死んでいる飛車と交換してくれ、△8七歩▲同玉△4九飛。いややっぱりこの飛車も厳しく、私は▲7九歩としたが、これで7筋にも歩が打てなくなってしまった。
宮宗女流初段は△8五歩。この歩は先の▲2四歩で与えたものだ。私は▲同歩と取るよりないが、次の手には参った。

第6図以下の指し手。△4四飛成▲5四歩△8六歩▲8八玉△4八竜▲6八桂(第7図)

第6図で△4四飛成に参った。ここ△2九飛成なら、▲3四歩△同銀に▲4六桂でも▲3五歩でも手になりそうだったが、歩を補充しながら自陣を強化されては、下手に指す手がなくなった。
かつて芹沢博文九段は「歩切れでも、つねに一歩補充できる状態にあればいいんだ」と語っていたそうだが、本局の△8五歩▲同歩~△4四飛成などは、それを地でいっている。
再び△4八竜と潜られて、▲6八桂は泣きの一手。

第7図以下の指し手。△6九銀(投了図)
まで、92手で宮宗女流初段の勝ち。

第7図では△8七銀と思ったが、プロはそんなダサイ手は打たず、△6九銀。矢倉攻略の手筋で、これで下手は指す手がない。さすがに投了した。

感想戦。「序盤は私がうまくやったんだが…」と、私。宮宗女流初段も同意してくれたが、この場合の上手の言葉はアテにならない。負けた下手を慮ってくれるからだ。
まず宮宗女流初段は、途中図の▲6五同銀右を、そこまで無理しなくても▲5七銀で、上手は指す手が難しかったとのこと。
続いて宮宗女流初段が指摘したのが第4図での▲6六銀で、ここは▲6六金がイヤだったという。
△8四馬ならさらに▲7五銀で、これは金銀の盛り上がりが違う。
もし▲6六金に△同馬なら、▲同角△7三桂▲7四銀打△6五桂▲同銀(参考図)でどうか。参考図も上手の矢倉が固く、金銀3枚を持駒にしているから下手は容易ではないが、▲6六銀よりははるかによかった。

本譜も下手が手厚いようだが、▲6六銀と▲7七角の関係が悪く、どうも下手が芳しくない。
本譜は▲6六銀△8四馬▲4五歩と進行したが、ここでも▲7四歩がベターだったらしい。
いずれにしても、▲6六銀では▲6六金と立つ一手。これを宮宗女流初段は一目で見つけ、私は考えもしなかった。ここにプロとアマの差がある。
もっとも、▲6六銀はノータイム。下手の悪手はノータイムの指し手から出やすい。とするならば、反射的に打った▲6六銀では、数十秒でも考えるべきだったのだ。
まだほかの対局もあるので、これにて感想戦は終わり。まだ4時50分で、宮宗女流初段は2局目を申し出てくれたが、私は丁重に断り、表の空気を吸いにでた。

川口駅周辺は多くの店がある。立ち飲みコーヒーの店ぐらいあるだろうと思いきやなかなかなく、けっこう歩いて。ドトールコーヒーを見つけた。
アイスコーヒーを飲みながら、さっきの将棋を考える。転職の職種を考えるわけではないところに、私の逃避が現れている。

5時45分ごろ戻ると、すべての将棋が終わっていた。残りの3人も、全員負けたっぽかった。
これにて宮宗女流初段の指導はアガリ。現在は色紙に揮毫をしていた。宮宗先生、お疲れ様でした。
大盤ではKaz氏が、さっきの宮宗女流初段との将棋を並べていた。
「ここで△3一銀が粘りのある手で…」
Kaz氏、よく冷静に振り返れるものだと思う。私は血圧が上っちゃって、ダメである。
しばしおしゃべりした後、有志で食事に出る。表に出るとKaz氏が、
「大沢さん好みの金銀が盛り上がる将棋になったので惜しかったですね」
と言った。社団戦でKun氏にも同じことを言われたが、私の棋風がバレバレのようである。
例のインドカレーの店に行く。宮宗女流初段は新婚なので、女流棋士の離婚率の話になった。離婚した女流棋士の名前が6人ほど挙がったが、もう少しいてもいい。
現在の女流棋士がザッと70人として、約1割が離婚経験者。とすると、宮宗女流初段も離婚の可能性が1割あるということか。

いや違うのである。自宅に戻って考えたが、上の数字から、未婚女流棋士は省かなければならない。
すると分母が約40まで減った。
…2割かな。2割か…。
宮宗女流初段がそこに戻らないことを祈る。
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はじめての宮宗女流初段(前編)

2017-07-28 01:09:35 | 女流棋士の指導対局会
9日は大野教室プレゼンツ「宮宗紫野女流初段の指導対局会」があった。5面指し×3回転で、私は3コマ目に申し込んだが、全体では定員に達しなかった。宮宗女流初段は5月に結婚したが、それが響いたのだろうか。
指導は午後4時からだが、お腹が空いたので、家でインスタントラーメンを食べた。
川口に着き、ここでの立ち食いそばはどうするか思案していたら、Tod氏にバッタリ。Tod氏も指導を受けるようで、同じ電車に乗っていたのだ。
結局2人でエキナカの立ち食いそばを食べ、コンビニに寄るというTod氏といったん別れ、私はHon氏と合流して教室に入った。
時刻は現在3時50分だが、3時半終了予定のKur君の感想戦が終わったところだった。Kur君、今回もじっくり将棋を指したようだ。
宮宗女流初段は相変わらずかわいらしい。その宮宗女流初段には将棋ペンクラブの大賞贈呈式と、4月のシモキタ名人戦で指導を受けたことがあるので、さすがに私の顔は憶えてもらっていると思う。
ほかの客はTaga氏、Kaz氏、Tag氏ら。宮宗女流初段ファンオンリーの客はいないようである。
「大沢さんが『ミヤソウっていう人は知らない』っていう話、宮宗さんにしゃべったら、大笑いしていたよ」
とW氏。
「それ言ったのか!」
私が苦い顔で宮宗女流初段を窺うと、宮宗女流初段はニコニコしている。私が「はじめまして」とふざけると、笑顔のまま会釈してくれた。この笑顔にご主人は落ちたのだろう。
Kaz氏はすでに対局を行い、横歩取りの将棋で惜敗したという。
3コマ目は4面指し。3コマ目の定員は達していたはずだが、何かあったのだろうか。
一憩して、そろそろ3コマ目の開始である。私の右にはHon氏、Tod氏。左にはTak氏が座っていた。
宮宗女流初段がこちらに向いたので、
「あのう、平手でよろしいでしょうか」
と私。
「ハイ」
「香落ちかなやっぱ。でも先生も平手を指したいでしょ?」
というわけで4時07分、平手で対局開始となった。

初手からの指し手。▲7六歩△8四歩▲5六歩△6二銀▲6八銀△4二玉▲2六歩△3四歩▲6六歩△3二銀▲4八銀△5四歩▲7八金△5二金右▲6九玉△7四歩▲5八金△8五歩▲7七銀(第1図)

宮宗女流初段は居飛車党。私とはこれが4局目で、過去3局はいずれも相矢倉だった。初戦は緩めてもらったが、あとの2局は完敗。プロ相手に不遜だが、もう落とせないところであった。
本局も2手目に△8四歩とされ、これは矢倉コースである。
だが私は中飛車にも食指が動き、態度がハッキリしない。しかし△4二玉が早いとみて、居飛車に決めた。
ほかの3局はいずれも飛車落ちで、ポンポン進んでいる。しかし彼らはこれから長考する。結局一番手で終わるのは、私のような気がした。

第1図以下の指し手。△5五歩▲同歩△同角▲2五歩△3三銀▲6五歩△3二金▲6六銀△7三角▲5七銀上△5三銀▲5六銀△3一玉▲7七角△2二玉▲7九玉△4四銀右▲5五歩△4二金右▲8八玉△9四歩(第2図)

隣の和室では、大野八一雄七段の3面指しが行われていた。宮宗女流初段に教わったあとのオプション(2,000円)だ。
第1図から△5五歩が意外だった。というのは、銀の応援がまだないから。私はふつうに▲同歩と取り、この角を目標にしようと考えた。
△3三銀に▲6五歩。相手の銀が立ち遅れているので、この位は張れると思った。以下私は二枚銀を繰りだして、自分の好きな形になった。
だが、△3一玉に▲7七角はどうだったか。上手の飛車先交換は甘受し、▲7九角~▲5七角を掘り下げるべきだったかもしれない。
宮宗女流初段は△4四銀右。後に△5二飛ときても、5五の地点は私も3枚利かせているから心配ない。
△9四歩に、次の手が誤った。

第2図以下の指し手。▲9六歩△8四角▲4六歩△7三桂▲6七金右△6二飛▲3六歩△6四歩▲同歩△6五歩(途中図)

▲6五同銀右△同桂▲同銀△3九角成▲2六飛(第3図)

ここで▲9六歩がどうだったか。この歩を突かないと△9五角もあるので突き返したが、もっとほかに有効手があったと思う。
宮宗女流初段は△8四角。下手のいちばん固いところを攻めてくる感じで、これで手になるのかと思った。
私は▲3六歩だが、やっぱり一手遅れている。本当ならこの辺りで▲3七桂と跳ねられなければいけないのだ。
宮宗女流初段△6四歩▲同歩△6五歩(途中図)。これに▲同銀右が強手で、ここで▲5七銀の退却は考えられなかった。
とはいえ△3九角成の飛車取りも痛い。こんなことなら▲3六歩に代えて、▲2六飛だったかもしれない。

第3図以下の指し手。△6一飛▲5六桂△7五歩▲4四桂△同歩▲7五歩△同馬(第4図)

私は▲2六飛と浮いて第3図だが、次に▲5四歩の楽しみがあるので、まだまだと思っていた。が、宮宗女流初段に△6一飛と落ち着かれると、これといった手がない。
私は▲5六桂と据えたが、▲4四桂と銀を取り返したところで、駒割りが元に戻ったにすぎない。上手に馬が残った分だけ、下手がしくじっているのだ。▲4四桂では、もっと得する順があったかもしれない。

(つづく)
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7月6日のLPSA麹町サロンin DIS(後編)

2017-07-27 00:28:24 | LPSA麹町サロンin DIS
26日の女流王座戦・千葉涼子女流四段と西山朋佳奨励会三段の一戦は死闘だった。
しかし…。千葉女流四段はあの将棋を勝てなきゃ、勝つ将棋がない。いったい何回勝ちを逃していたのか。
西山奨励会三段も、あんな将棋を指しているようじゃ、四段にはなれない。

   ◇

(25日のつづき)

第7図以下の指し手。△7九飛▲同金△同竜▲同玉△8八角(第8図)

第7図から島井咲緒里女流二段に△7九飛と下ろされ、びっくりした。いきなり詰ましにきたのだ。
これをA▲6七玉は△6八桂成▲同金寄△7六角▲5七玉△4八角まで詰み。B▲7九同玉は△8八角▲7八玉△8九角▲同玉△6九竜▲同金△9九角成▲7八玉△7七金▲7九玉△8八馬まで詰み。よってC▲7九同金と取るよりないが、△同竜▲同玉に△8八角。下手玉は詰んでいるのか?

第8図以下の指し手。▲――
まで、98手で島井女流二段の勝ち。

第8図で▲6九玉と寄って逃れているのかと思いきや、△7九金がある。以下▲5九玉△6八桂成で、どう応じても下手負けだ。
△7九金と指をしならせて打たれるのがイヤで、私はここで投了した。が、島井女流二段の様子がヘンだ。
「(第8図で)▲7八玉と上がったら詰むんですか?」
「えっ? …あっ!!」
▲7八玉A△6八桂成▲同金は全然詰まない。△6八桂成でB△8九角も、▲同玉△9九角成▲7八玉で詰まない。手順中△9九角成で△7九金も、▲9八玉△9九角成▲同玉△9七香▲9八香でやはり詰まない。
さっきまで▲7八玉形は詰む形をしていたから、▲7八玉は読みから外していたのだ。私は不詰みの局面で投げることが数年に1回あるのだが、ここでそれが出てしまった。
私はうなだれつつも、感想戦を行う。

まず、途中1図から私は▲2二角成としたが、ここは▲3三歩成があったという。以下△同角▲同角成△同桂に▲2三歩成で、これは下手の攻めがスムーズに決まる。

また第4図からの▲6六銀がやはりアホで、ここは▲6三桂不成とするところ。以下△7五飛▲6六金△同角▲同銀に、△2五飛は▲2八香が利くので△7二飛だが、▲7一桂成△同飛(参考3図)の結果は、下手金銀香得で大優勢ある。

これを逃してからは下手マズイと思うが、島井女流二段は、▲6六銀△7三金の時も、▲7四歩△同金▲6三桂成で下手が有利を持続できたと言う。
それはそうかもしれないが、さっきまで金を取りながら桂成ができたのに、今さら空成りもできないところで、ここでは気分的に劣勢になっていた。
島井女流二段は△5四歩▲4三桂成とソッポに行かせて、指しやすさを自覚したとのこと。
などなどなど、私は長い感想戦は好まないのだが、ほかの対局者の手が止まっていることもあり、私たちは存分に感想戦を行った。
時刻は8時にならんとしたところで、2局目が指せたが、これにて失礼する。
それにしても…と思う。私の年代の男性なら、平日はバリバリ働き、いまの時間だって働いている人はいっぱいいるだろう。
それを私は職安にも行かず、こうして女流棋士とイチャついている。何てダラけた生活だろうと思った。
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