一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第76期順位戦の名人挑戦者と昇降級者予想の答え合わせ

2018-03-31 00:09:12 | 勝敗予想
今年度も第76期順位戦が滞りなく終わった。…いや、一部滞りがあり終わった。
当ブログでは昨年6月7日に、名人挑戦者および各クラスの昇降級者の予想を行った。今日はその答え合わせをしよう(◎印が正解)。

A級
名人挑戦…羽生善治三冠→◎羽生善治竜王(6勝4敗・プレーオフ2勝)
降級…行方尚史八段、佐藤康光九段、三浦弘行九段→渡辺明棋王、◎行方尚史八段、屋敷伸之九段
【予想コメント】
名人挑戦は羽生三冠とした。佐藤天彦名人と稲葉陽八段にはわるいが、20代同士の名人戦だと、新人王戦に思えて仕方がない。対局者の片方は実績のある棋士を望む。
降級者はまったく分からなかった。
【結果】
A級は空前絶後の6者プレーオフ。大混戦となったが、抜け出したのは羽生竜王。やはり順位上位のアドバンテージは大きかった。
私は最終的に予想が当たってラッキー。しかし「将棋世界」の予想クイズでは、豊島将之八段にして、外れた。
降級の1人は、まさかの渡辺棋王。30代の永世竜王が降級する。A級のレヴェルの高さが窺える。

B級1組
昇級…糸谷哲郎八段、斎藤慎太郎七段→◎糸谷哲郎八段(8勝2敗)、阿久津主税八段(6勝4敗)
降級…谷川浩司九段→丸山忠久九段
【予想コメント】
「A級2組」であるB級1組は、昇降級者がまったく分からない。しかも降級者は1人で、いったい誰を選んだらいいのか。
候補に挙げた棋士は私の「カン」で、別日に予想を行えば、別の名前が挙がるだろう。
【結果】
糸谷八段が2局を残して昇級を決めたが、残り1席が大激戦。阿久津八段が抜けたが、こちらも6勝4敗。A級もそうだが、実力が拮抗していると、こんな数字になるのだ。
それにしても、順位1枚の差が大きい。これだから順位戦は、1勝でもおろそかにできないのだ。
降級の丸山九段は意外。名人経験者のB級2組降級は、加藤一二三九段に次いで2人目となってしまった。
でも来期はすぐに戻ってくるだろう。

B級2組
昇級…澤田真吾六段、中村修九段→野月浩貴八段(10勝0敗)、畠山鎮七段(9勝1敗)
【予想コメント】
昇級候補の1人は澤田六段。王位戦の活躍や、先の藤井聡太四段戦での将棋を評価した。
もう1人は中村九段とした。当予想はニュートラルで行っているのだが、今回は多少の期待と願望を入れた。
【結果】
昨年5月、LPSAの10周年記念パーティーにお邪魔した際、中村九段と話す機会があった。その時中村九段が「初戦の太地戦を勝てば…(昇級も夢ではない)」と語ったので、期待もこめて1票を入れた。
しかし中村九段は中村王座に負け、以下もズルズルと負け1勝5敗。大きく期待を裏切ってくれた。とはいえ後半の4局は連勝し、イーブンにもっていったのは見事だった。
一方、野月八段の10戦全勝は見事。言っちゃあなんだが、まさか野月八段が全勝で抜けるとは思わなかった。
ほか、畠山七段の昇級は順当なところか。順位1位からの復帰はよくあるのだ。
もし中村九段を推さなければ、畠山七段を…とも思っていたが、もう言うまい。

C級1組
昇級…永瀬拓矢六段、千田翔太六段→◎千田翔太六段(10勝0敗)、◎永瀬拓矢七段(9勝1敗)
【予想コメント】
永瀬六段と千田六段は実力者で、その証拠に、クラスと段位がかみあっていない。順位も1位と2位で、直接対決もないことから、今期はこの2人でキマリであろう。
【結果】
予想コメントの通りで、とくに述べることもない。
今回は9勝1敗者が3人出て、2人上がれなかった。制度だからといえばそれまでだが、勝率9割で現状維持なんて、こんな世界があるだろうか。「それだけ厳しい世界なんだ」というのとは、ちょっと違うと思う。

C級2組
昇級…梶浦宏孝四段、増田康宏四段、藤井聡太四段→◎藤井聡太四段(10勝0敗・五段に)、都成竜馬四段(8勝2敗・五段に)◎増田康宏五段(8勝2敗)
【予想コメント】
1人は藤井四段でキマリ。わるくても1敗だろう。
あとは本当に分からない。上位にいる梶浦四段、八代弥六段、増田四段、三枚堂達也四段、石井健太郎四段が候補だが、梶浦四段が2位、増田四段の対戦相手がわずかに緩い気がしたので、この2人にした。
【結果】
藤井六段の昇級は当然として、対抗に挙げた梶浦四段、八代六段、三枚堂六段はそれぞれ4勝6敗、5勝5敗、5勝5敗と、期待を裏切った。
順位戦で、2年連続で好成績を収めるのはむずかしいのだ。
そんな中、都成五段の昇級は見事。順位3位の都成五段を候補に入れなかったのは、不明だった。
増田五段の昇級は幸運だったが、なんであっても上がればいいのだ。


以上、今年度は14の予想で7つ正解。これは当たったほうであろう。
来年度はパーフェクトの正解を目指す。
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3月18日と27日の訪問者数と閲覧数

2018-03-30 00:04:31 | プライベート
gooは2ヶ月に一度、「無料アクセス解析」を行っている。ふだんは有料のアクセス解析(時間ごとの訪問者数、時間ごとの閲覧数、ページごとの閲覧数、閲覧元URL、ブラウザリスト)が、奇数月の下旬10日間に、無料で見られるのだ。
例えば初日だと、その前の9日分のデータも見られるので、最終日までには実質19日間のデータが見られることになる。それが今月も22日から始まった。
今回は、18日(日)と27日(火)の時間ごとの訪問者数、および閲覧数を記してみよう。


3月18日「神谷八段の詰み逃し」
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3月27日「中尾五段の順位戦復帰の目を考える・9『最後の大一番』」
(2,815,370ブログ中、113位)

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18日は、何でこんなにページビューが増えたのか分からない。
27日は、中尾敏之五段の大一番があり、アクセス数が増えた。


▲28日00時35分の当ブログ。アクセスされたページは、中尾五段の記事がギッシリ。
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第29期女流王位戦挑戦者決定リーグの勝敗予想の答え合わせ

2018-03-29 00:06:02 | 勝敗予想
やや旧聞になるが、第29期女流王位戦挑戦者決定リーグは、渡部愛女流二段と清水市代女流六段が全勝で終え、14日に行われた挑戦者決定戦では渡部女流二段が勝ち、里見香奈女流王位への挑戦を決めた。
当ブログでは昨年12月15日に挑戦者決定リーグの勝敗予想を行った。今日はその答え合わせをしてみよう。
なお以下の各勝敗は、実際の結果である。

【紅組】
1回戦
○伊藤沙恵女流二段VS●岩根忍女流三段…正解
●山根ことみ女流初段VS○山田久美女流四段…正解
●中井広恵女流六段VS○渡部愛女流二段…間違い
2回戦
●伊藤女流二段VS○渡部女流二段…間違い
●岩根女流三段VS○山根女流初段…間違い
●中井女流六段VS○山田女流四段…間違い
3回戦
○伊藤女流二段VS●山田女流四段…正解
●岩根女流三段VS○渡部女流二段…間違い
●山根女流初段VS○中井女流六段…間違い
4回戦
○伊藤女流二段VS●中井女流六段…間違い
●岩根女流三段VS○山田女流四段…間違い
●山根女流初段VS○渡部女流二段…正解
5回戦
○伊藤女流二段VS●山根女流初段…正解
○岩根女流三段VS●中井女流六段…正解
○渡部女流二段VS●山田女流四段…正解
※渡部女流二段、5勝0敗で紅組優勝…間違い

【白組】
1回戦
○本田小百合女流三段VS●千葉涼子女流四段…正解
●中村真梨花女流三段VS○藤田綾女流二段…間違い
●甲斐智美女流五段VS○清水市代女流六段…間違い
2回戦
●本田女流三段VS○清水女流六段…間違い
●中村女流三段VS○甲斐女流五段…正解
●藤田女流二段VS○千葉女流四段…正解
3回戦
●本田女流三段VS○甲斐女流五段…正解
●中村女流三段VS○千葉女流四段…間違い
○清水女流六段VS●藤田女流二段…正解
4回戦
○本田女流三段VS●中村女流三段…正解
○甲斐女流五段VS●藤田女流二段…正解
○清水女流六段VS●千葉女流四段…間違い
5回戦
●本田女流三段VS○藤田女流二段…間違い
●中村女流三段VS○清水女流六段…間違い
○甲斐女流五段VS●千葉女流四段…正解
※清水女流六段、5勝0敗で白組優勝…間違い

挑戦者決定戦
○渡部女流二段VS●清水女流六段
※渡部女流二段、女流王位挑戦

紅組リーグは正解7、間違い8。
まさか正解率5割を切るとは思わなかった。ことに中井女流六段の間違いがひどく、4つもあった。
挑戦者になった渡部女流二段も3つ勝敗を間違えた。ということは渡部女流二段を「2勝3敗」と予想したわけで、渡部女流二段に合わせる顔がない。
白組リーグは正解8、間違い7。
清水女流六段の勝敗予想は間違い4で、これもメチャメチャだった。
中村女流三段がらみでも3つ間違えているが、そもそも中村女流三段の成績は0勝5敗で、期待を裏切った。こんな星を予想しろというほうが無理だ。
以上、紅白リーグ戦の予想は正解15、間違い15。これならサイコロを振っても正解率は変わらないわけで、つくづく勝敗予想は難しいと痛感した次第。
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中尾五段の順位戦復帰の目を考える・10「中尾五段、敗れる」

2018-03-28 00:06:16 | 目を考える
昨日27日に行われた、第44期棋王戦予選4回戦・中尾敏之五段と青嶋未来五段の一戦は、青嶋五段の勝ち。中尾五段はフリークラスの10年間で規定の成績を取れず、引退がほぼ決定した。
以下、ネットで拾ったこの一局の模様を、再構築して記す。
本局は、矢倉の出だしだった。昨今矢倉といえば後手の急戦が定番だが、青嶋五段は大人しく追随し、純正相矢倉となった。中尾五段最後の大一番に、青嶋五段は相手の得意を受けて立ったのだ。これは青嶋五段の精一杯の「譲歩」だったと思う。
ただし相矢倉なら中尾五段に一日の長がある。やがて中尾五段が指しやすくなり、有利の局面になった。

ここで中尾五段は▲4四角! 大駒を切って、一気の寄せを目指したのだ。
だが△4四同金▲5三銀△4三金▲1四桂△3一玉▲3三歩の詰めろに、△2一銀と素朴に受けられてみると後手玉に寄りがなく、先手の切れ筋になってしまった。
ネット観戦していた応援団は、あまりの急転直下に、茫然とするのみである。どうも▲4四角が性急で、▲3三歩がトドメの疑問手だったらしい。
何てことだと思う。▲4四角と切る直前まで、中尾五段には持ち時間が2時間以上残っていた。ここはじっくり腰を落とし、どうやって後手玉を寄せようかと構想を練るべきだった。全然慌てる必要はなかったのだ。
そこを短考で突撃してしまったココロが分からないが、恐らく、見えない重圧に、何かをせかされてしまったのだろう。
私は28年前の、第48期順位戦C級2組9回戦・青木清五段(現七段)と中川大輔四段(現八段)の一戦を思い出していた。
この時青木五段は、負ければ順位戦降級の危機だった。だが中盤までうまく指し、有利に運ぶ。そこで大駒を見捨てて決めに出たのだが、最後中川四段に△4三金、という受けの妙手が出て、青木五段は惜敗した。
青木五段も中尾五段も、幻の寄せを見てしまった。中川四段や青嶋五段の俊英が、そんな簡単な寄せを許すはずがなかった。何か受けがある、とその先を読むべきだったのだ。
ちなみに大野教室でも、Ok氏は大駒を切るのが好きで、私との二枚落ち戦などでは、いつも大駒を切っていた。
が、そこでカナ駒を入手して王手しても、いつも一歩足りずため息をついていた。そういう時私は、
「終盤で大駒を切るのはいいけど、それはどういう変化になっても自分が勝ち、と読み切った時にしてください」
と口を酸っぱくしてアドバイスしたものだ。
しかしプロが同じ過ちを犯したんではしょうがない。しかも本局は中尾五段にとって、負ければ引退という崖っ淵の一戦だった。慎重に慎重を重ねるべきだった。
戻って図では、▲3七桂がよかったらしい。だがこの桂は1四に打つ構想で読みを進めていたのだ。とうてい打てるものではなかった。
実戦は△2一銀の局面で中尾五段が長考に入ったが、もう遅い。悪くなってから考える。それじゃあ私たちとやってることが同じである。
以下は中尾五段も奮戦したが、プロ的には逆転不可能である。私は確認しなかったが、午後7時過ぎに投了したらしい。
無念である。私はフリークラス棋士の頑張りを見るのが好きで、昨年の初冬から中尾五段の戦いぶりに注目していた。佐藤康光九段戦は246手の死闘を制し、この粘りは何だ、この熱意があれば順位戦復帰も十分あると、私は期待を寄せた。その後も所司和晴七段戦は226手で勝利。そして極め付きが、牧野光則五段との、420手の持将棋だったのである。
それが最後の最後でフイになった。ああ、私は3年前の熊坂学五段の悪夢を、再び見てしまった。
先日の藤原直哉七段もそうだが、「年度18勝」の壁は、絶妙に厚い。年度中盤までは好調でも、終盤にくると勝ったり負けたりになり、最後は息切れして、あと1勝が届かない。本当にフリークラスからの脱出はむずかしい。
ただ、中尾五段にはまだ、竜王戦6組の昇級者決定戦がある。この勝ち進みによっては順位戦復帰の可能性もないとはいえないが、その一方でフリークラス満10年をもって引退、の見解もあり、私はどちらが正解か分からない。
とりあえず中尾五段の2017年度の全成績を掲げ、健闘を讃えておく。
中尾先生、ここまで、お疲れ様でした。

◎2017年度全成績
5月9日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦1回戦 ○木下浩一七段
6月1日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦2回戦 ○堀口弘治七段
6月8日 第89期棋聖戦一次予選1回戦 ●小林宏七段
6月14日 第3期叡王戦五段戦1回戦 ○金沢孝史五段
7月24日 第30期竜王ランキング戦6組昇級者決定戦3回戦 ●牧野光則五段
7月30日 第26回銀河戦予選1回戦 ○室岡克彦七段
7月30日 第26回銀河戦予選決勝 ●村山慈明七段
8月1日 第3期叡王戦五段戦2回戦 ●高見泰地五段
8月9日 第59期王位戦予選1回戦 ○室岡克彦七段
8月31日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦 ○上田初美女流三段
8月31日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦 ○野月浩貴八段
9月5日 第59期王位戦予選2回戦 ●佐々木勇気六段
9月11日 第66期王座戦一次予選1回戦 ○木下浩一七段
10月3日 第66期王座戦一次予選2回戦 ●高野秀行六段
10月19日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選3回戦 ○門倉啓太五段
11月14日 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選決勝 ○高橋道雄九段
12月14日 第31期竜王ランキング戦6組1回戦 ○香川愛生女流三段
12月21日 第11回朝日杯将棋オープン戦二次予選1回戦 ○佐藤康光九段
12月21日 第11回朝日杯将棋オープン戦二次予選決勝 ●高見泰地五段
12月25日 第44期棋王戦予選1回戦 ○川上猛七段
1月11日 第68期王将戦一次予選1回戦 ○中座真七段
1月23日 第44期棋王戦予選2回戦 ○飯塚祐紀七段
2月3日 第31期竜王ランキング戦6組2回戦 ○所司和晴七段
2月8日 第68期王将戦一次予選2回戦 ●宮田敦史六段
2月19日or23日 第68回NHK杯テレビ将棋トーナメント予選1回戦 ●佐藤慎一五段
2月27日 第31期竜王ランキング戦6組3回戦 持●牧野光則五段
3月22日 第44期棋王戦予選3回戦 ○日浦市郎八段
3月27日 第33期棋王戦予選4回戦 ●青嶋未来五段
以上、17勝11敗。
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中尾五段の順位戦復帰の目を考える・9「最後の大一番」

2018-03-27 00:50:20 | 目を考える
中尾敏之五段のフリークラス脱出の戦いも、いよいよ大詰めとなった。中尾五段は今年度ここまで「17勝10敗」。残る対局はあと1局のみで、これに勝てば「年度18勝12敗」の規定をクリアし、順位戦復帰となる。しかし負けると「フリークラス満10年」で、引退濃厚となる。
そして今日27日はその1局、第44期棋王戦予選4回戦・中尾五段(43歳)VS青嶋未来五段(23歳)の一戦が行われる。
まだ緒戦を対局していない棋士がいる中で、3月中に4回戦、は異例中の異例。将棋連盟も中尾五段に最大限の配慮をしたわけで、これは特筆に値する。
相手の青嶋五段は三段リーグを16勝2敗で抜け、2015年4月四段昇段。順位戦1年目のC級2組では9勝1敗の好成績を挙げ、C級1組に昇級昇段した。
まさに中尾五段の「最終試験官」にふさわしい俊英といえるが、青嶋五段は今年度19勝17敗で、意外に負けがこんでいる。ただ内訳を見ると、昨年4月に王座戦本戦で佐藤天彦名人に勝っている。またフリークラス棋士とは川上猛七段(2局)、木下浩一七段、所司和晴七段、石川陽生七段と当たったが、何と全勝。まさにフリークラスキラーだ。
ただC級2組所属の棋士とは3勝6敗で、意外に悪い。これを見ると、中尾五段もノーチャンスではない気がしてくる。
ちなみに中尾五段は、対フリークラス棋士7勝1敗。これは現役続行の熱量の差で勝てた感じだ。
対C級2組棋士は1勝4敗。この4敗は高見泰地五段(2局)と牧野光則五段(2局)に喫したもので、青嶋五段とこの2棋士のイメージが同じなのが、私には引っ掛かるところである。
これに関連して、中尾五段の17勝の相手棋士(女流含む)の平均年齢は45.5歳。10敗のそれは33.2歳である。同年代以上の棋士には読みの波長が合うのかよく勝っているが、若手棋士は苦手にしている印象だ(というか、すべての年代を苦にしたから、C級2組から降級してしまったわけだが)。
27日は羽生善治竜王VS谷川浩司九段戦(王位戦リーグ)がある。これはニコ生やAbemaTVも中継する往年のゴールデンカードだが、その陰で、ほとんどの将棋ファンに注目されず、棋士人生の再スタートに命を賭ける中年棋士の、壮絶な戦いがある。
今日はとにかく、中尾五段に勝ってもらいたい。中尾―青嶋戦は携帯中継があり私は仕事が手につかないが、というかその仕事がないが、今日は1日スマホの前にかじり付こうと思う。
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