私は株をほとんど買わないのだが、昨年私の担当になったMiz証券会社の若手社員は、よく拙宅に営業電話を掛けてくる。そのせいでもないが、こっちも数年ぶりに、株を買いたい気持ちになってきた。
もっともその際は、Miz証券の口座にはおカネが入っていないので、相等額を振り込むことになる。それは現在メインにしているMU銀行から振り込めばいいのだが、Miz証券と名称が似ているMiz銀行から振り込みたいと思った。何となく、そのほうが振込料金も安いイメージがあったからだ。ただ厳密に言うと、この振込手数料は、後日Miz証券が負担してくれるらしく、私はそこまで気にしなくてもよかった。
それより、ひとつ問題があった。私はここ20数年、MU銀行をメインにしていたので、何年か前、Mizカードをどこかに仕舞った。そのカードが、どこかにいってしまったのだ。私は心当たりを隅から隅まで探したが、やはりなかった。私は株を買うより前に、このカードのことが気になってしまった。
23日、24日はバイトが休みだったが、23日は雨だったから自宅待機とした。
そして24日、Miz銀行に電話で問い合わせると、何回かのやりとりのすえ、我がカードはクレジット機能のない、ふつうのカードであることが分かった。
私はとりあえず、カードの使用は停止してもらった。だが、再発行は虫の知らせで、保留とした。
実は受話器を置いたあと、私はあることに気付いたのである。机の引き出しの封筒の中に、旧Dai銀行のカードがあった。ここと某銀行が合併してMiz銀行ができたのだが、まさかこの旧Dai銀行のカードは、まだ現役で使えていたのか?
たしかによく考えたら、私はMiz銀行のカードを使った記憶がない。とすれば、これが私の探していたカードではないのか? たぶん、そうであろう。
さっきMiz銀行の人は、カードを再び使えるようにするには、最寄りの銀行に、作成当時のハンコを持って、手続きに行ってください、と言った。
あぁ、私が「使用停止」をお願いしたために、面倒なことになってしまった……。
昼過ぎ、Miz証券のコールセンターに電話を掛け、3つ銘柄を買った。断っておくが、私は相当な貧乏である。だけどこの何年か、ほとんど旅行にも行かず、大野教室にも行かなかったら、多少の蓄えができた。今回それをオール・インしたら、約101万円になってしまった。
それを駅前のMU銀行のATMから、振り込むことにした。本当はMiz銀行のATMから振り込みたかったのだが、Miz銀行のカードは使用停止中だし、そもそもこちらの残金は14万円しかなかった。
私はMU銀行のATM出張所に入った。が、画面のどこを見ても、「Miz銀行Miz証券支店」がない。
私は怪訝に思ったが、とりあえず表に出て深呼吸をし、もう一度入店した。そうしたら冷静になり、今度は無事に振り込むことができた。
ちなみに明細書は「記載なし」の項目に触れてしまい、何も書かれてない紙が出てきた。
まあいいか、と表に出て嘆息すると、手元にあったセカンドバッグがなくなっていることに気付き、愕然とした。
私はATMに戻り辺りを見回したが、ない。
たぶん真相はこうだ。最初にATMコーナーに入ったとき、私はバッグを機械の上に置いたのだが、この存在を忘れたまま、一度表に出たのが大悪手。その後にこのATMを使った客があれを忘れ物と思い、どこかに持っていってしまったのだ。
幸か不幸か、バッグの中に貴重品の類はなかったと思うが、確証はない。
私は青くなって近くの交番まで走ると、警察官と年配の男性が、私のバッグを持っていた。やはり、私のあとにATMを利用した彼が、これを忘れ物と判断し、交番に届けてくれたのだ。
この男性はヒトの好さそうな人で、そのまま立ち去ろうとした。その背後に警察官が、「御礼はよろしいですか?」と余計なことを言う。バッグの中には金目の物が入ってないのに、なぜだと思ったが、男性が「いただきます」と言えば、多少の現金はやらないといけない。
だが男性はその場を離れ、私は警官に深々と頭を下げ、この件はこれで終わった。とはいえまったく、冷や汗モノだった。
ふー、時間がない。今度はその足で、約1キロ先のMiz銀行O支店に行って、カードを再び使えるようにしなければいけない。
Miz銀行O支店に着いたのは、14時42分だった。電話口の担当者は、予約が必要と言っていたが、係の人はそのまま応対してくれ、またカードを使えるようにしてくれた。
ただ、カードが旧Dai銀行のものなので、Miz銀行のものに手配してくれた。これは無料の交換で、ありがたいことだった。
銀行を出ると14時57分である。いろいろあったが、これで一件落着……と思うのは早計で、ここからが大変だった。
(つづく)
もっともその際は、Miz証券の口座にはおカネが入っていないので、相等額を振り込むことになる。それは現在メインにしているMU銀行から振り込めばいいのだが、Miz証券と名称が似ているMiz銀行から振り込みたいと思った。何となく、そのほうが振込料金も安いイメージがあったからだ。ただ厳密に言うと、この振込手数料は、後日Miz証券が負担してくれるらしく、私はそこまで気にしなくてもよかった。
それより、ひとつ問題があった。私はここ20数年、MU銀行をメインにしていたので、何年か前、Mizカードをどこかに仕舞った。そのカードが、どこかにいってしまったのだ。私は心当たりを隅から隅まで探したが、やはりなかった。私は株を買うより前に、このカードのことが気になってしまった。
23日、24日はバイトが休みだったが、23日は雨だったから自宅待機とした。
そして24日、Miz銀行に電話で問い合わせると、何回かのやりとりのすえ、我がカードはクレジット機能のない、ふつうのカードであることが分かった。
私はとりあえず、カードの使用は停止してもらった。だが、再発行は虫の知らせで、保留とした。
実は受話器を置いたあと、私はあることに気付いたのである。机の引き出しの封筒の中に、旧Dai銀行のカードがあった。ここと某銀行が合併してMiz銀行ができたのだが、まさかこの旧Dai銀行のカードは、まだ現役で使えていたのか?
たしかによく考えたら、私はMiz銀行のカードを使った記憶がない。とすれば、これが私の探していたカードではないのか? たぶん、そうであろう。
さっきMiz銀行の人は、カードを再び使えるようにするには、最寄りの銀行に、作成当時のハンコを持って、手続きに行ってください、と言った。
あぁ、私が「使用停止」をお願いしたために、面倒なことになってしまった……。
昼過ぎ、Miz証券のコールセンターに電話を掛け、3つ銘柄を買った。断っておくが、私は相当な貧乏である。だけどこの何年か、ほとんど旅行にも行かず、大野教室にも行かなかったら、多少の蓄えができた。今回それをオール・インしたら、約101万円になってしまった。
それを駅前のMU銀行のATMから、振り込むことにした。本当はMiz銀行のATMから振り込みたかったのだが、Miz銀行のカードは使用停止中だし、そもそもこちらの残金は14万円しかなかった。
私はMU銀行のATM出張所に入った。が、画面のどこを見ても、「Miz銀行Miz証券支店」がない。
私は怪訝に思ったが、とりあえず表に出て深呼吸をし、もう一度入店した。そうしたら冷静になり、今度は無事に振り込むことができた。
ちなみに明細書は「記載なし」の項目に触れてしまい、何も書かれてない紙が出てきた。
まあいいか、と表に出て嘆息すると、手元にあったセカンドバッグがなくなっていることに気付き、愕然とした。
私はATMに戻り辺りを見回したが、ない。
たぶん真相はこうだ。最初にATMコーナーに入ったとき、私はバッグを機械の上に置いたのだが、この存在を忘れたまま、一度表に出たのが大悪手。その後にこのATMを使った客があれを忘れ物と思い、どこかに持っていってしまったのだ。
幸か不幸か、バッグの中に貴重品の類はなかったと思うが、確証はない。
私は青くなって近くの交番まで走ると、警察官と年配の男性が、私のバッグを持っていた。やはり、私のあとにATMを利用した彼が、これを忘れ物と判断し、交番に届けてくれたのだ。
この男性はヒトの好さそうな人で、そのまま立ち去ろうとした。その背後に警察官が、「御礼はよろしいですか?」と余計なことを言う。バッグの中には金目の物が入ってないのに、なぜだと思ったが、男性が「いただきます」と言えば、多少の現金はやらないといけない。
だが男性はその場を離れ、私は警官に深々と頭を下げ、この件はこれで終わった。とはいえまったく、冷や汗モノだった。
ふー、時間がない。今度はその足で、約1キロ先のMiz銀行O支店に行って、カードを再び使えるようにしなければいけない。
Miz銀行O支店に着いたのは、14時42分だった。電話口の担当者は、予約が必要と言っていたが、係の人はそのまま応対してくれ、またカードを使えるようにしてくれた。
ただ、カードが旧Dai銀行のものなので、Miz銀行のものに手配してくれた。これは無料の交換で、ありがたいことだった。
銀行を出ると14時57分である。いろいろあったが、これで一件落着……と思うのは早計で、ここからが大変だった。
(つづく)
対面証券でドカンと買えるのはブルジョアですよ
庶民はネット証券の手数料無料でセコセコやるのみです
ああネット証券ですか。
私はアナログ人間なので、そこまで徹することができないんですね。
でも、そういう手もあるのかと、勉強になりました。