一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

逡巡の沖縄旅行2015・8「黒島の子供たち」

2015-08-25 00:24:57 | 旅行記・沖縄編
(23日のつづき)
宮古行きの可能性がほぼなくなって、今日は1日石垣の滞在となった。それなら路線バスで石垣島を一周するなど、他の選択肢も出てくるが、我が「かりゆし周遊券」の有効期間は今日まである。タダで離島に行けるのに、おカネを出してバスに乗ることもあるまい。それに、もう少し海に入りたい。
私は予定通り離島へ行くことにした。今回は黒島である。
午前7時を過ぎて、ターミナル内も活動を始めた。各商店もシャッターを開け、各グッズを表に出している。
私はそのうちの一つに寄り、「ジューシー(かやくごはん)おにぎり」を買った。2コパックで130円は安い。これが今日の朝食である。
後ろを振り向くと、怪獣の着ぐるみが現れた。石垣島のゆるキャラだろうか。
08時00分の八重山フェリー・高速船に乗る。お馴染みの「サザン・クィーン」である。
タイム25分で、黒島に着いた。黒島は私の好きな島で、ほとんど観光地化されていない。島はハート型をしており、島民より牛の方が多いと言われている。黒島牛が有名だが、ちょっとサシが少ない。よく言えばヘルシーだ。
島内は平坦なのでレンタサイクルが便利なのだが、たとえば海に入っている時も課金されるのが気に食わない。それで、徒歩で行くことにした。
港の前の一本道を行く。今日も天気はよい。鳩間島の道路脇は草木が生い茂る緑濃いものだったが、ここ黒島は見渡す限り草原だ。それなのにどちらの島も、八重山の趣がある。
「もらえるよ 時間を守れば 牛一頭」
黒島中学校生徒の標語が立てかけられている。でも本当に牛がもらえるのだろうか。牛が多いこの島ならありそうな話ではある。
と、島内放送が入った。
「今日は終戦記念日です。正午になったら、島民の皆さんは1分間の黙とうを捧げましょう」
私も黙とうをしようと思う。
30分近く歩くと、左手に洋風の建物が見えて来た。パームツリーという軽食喫茶で、黒島に来れば必ず寄る店だが、今日は「臨時休業」とのこと。ちょっと計算が狂った。
「本読むと 将来きっと 役立つよ」
今度は小6女子の標語だ。なかなか奥が深い。
その先の右手に黒島研究所があるが、以前も入ったし、有料(500円)なので入らない。
まっすぐ行けば海である。その手前には、サンゴの岩でできた展望台があるが、今は風化が激しく、立ち入り禁止になっている。本当はこの展望台からの眺めがいいのだが…。
歩道に戻って道なりに左へ曲がると、黒島ビジターセンターがある。ここは黒島の歴史が勉強できる。もう何度も入ったが、無料なので、やっぱり入る。
受付は島民が順番でやっているようで、ある年はおばちゃんが当番だった。話をすると「民宿みやき」のご主人で、それが縁で「みやき」に2回泊まったものだ。
もしそのおばちゃんが今年もいて、部屋が空いているなら泊めてもらおうと思ったのだが…。
今年は小学生低学年と思しき子供が3人いた。夏休みだから、ここで遊んでいるのかもしれない。
構わず入ろうとすると、
「これこれ!」「これを持っていってください!」
女の子がそう言うと、島のパンフレットを差し出した。
驚いた。彼らは遊んでいるのかと思いきや、しっかりと受付をしていたのだ。私は50近くになって爛れた生活をしているのに、彼らの仕事熱心さはどうだ。私よりよっぽど親孝行だ。
3か月前の鹿児島の幼稚園児に続いて、またも私は打ちのめされたのだった。
センター内は何度も見ているので今さら、という感じだが、すぐ出ると彼らが気分を害する。しばらく経ってから、センターを出た。小学生の彼らの未来に幸あれ。
歩道に戻り真っすぐ行くと、右手に仲本海岸行きの専用道が見えてくる。数年前にはなかった道で、これが開通?して、海岸へは数分短縮された。
仲本海岸に着く。と、海岸の入口に「遊泳禁止」の立て看板があった。その近くに「遊泳注意」の看板もあり、どちらを信じていいのか。
町?がこれほどまで神経質になっているのは、この海岸で数年前に、死亡事故が起こったことによる。それから町は、無料でライフジャケットを貸し出したりしている。
実際問題、この海岸を遊泳禁止にしたら、観光客が半減するだろう。それは民宿を生業にしている島民にとって死活問題になる。町としては痛し痒しなのである。
それはそうと仲本海岸は、沖に出てすぐサンゴと魚があり、気軽に海中遊泳が楽しめる。数十メートル先にはリーフがあり、干潮時には歩ける。
まことにいいことずくめだが、この海は潮の流れが速い。うっかりしていると流されるから注意を要する。リーフを「T」の横棒とすると、縦棒の部分がやや浅くなっている。だからその左右の窪地で遊泳を楽しめばよい。
が、肝心の海が、潮が満ちていた。これほどの海を見たのは初めてである。辺りには人っこ一人いない。
ちょっと、この状態で海に入るのはさすがに無理がある。
1軒だけある売店にも人がいない。私は呆然としつつ、浜に降りた。が、潮は引くどころか、まだ満ちているようだ。
何人か観光客は来ている。4人家族もいた。が、飛行機の関係で無駄な時間は取れないようで、しばらく海を見た後、こりゃダメだと帰ってしまった。
私はどうするのが最善だろう。
(つづく)
コメント
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