一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペンクラブ関東交流会2015(中編)

2015-05-31 01:17:10 | 将棋ペンクラブ

以下の指し手。▲2四馬△同歩▲4四飛△3五玉
まで、一公の勝ち。

某氏は▲2四馬ときた。私の△同歩に、某氏はまたも長考し、▲4四飛。私の△3五玉に、某氏は長考。さっきは3局で1時間で済んだのに、もう午後1時にならんとしている。対局数もそうだが、熊倉紫野女流初段との指導対局が遠のくのがマズイ。
局面。どう考えても、自玉に詰みがなくなっている。と、某氏が突然、投了してしまった。私はすぐに、▲5二馬を示す。すなわち図から▲5二馬△4三銀▲同金で先手勝ち。しかしあとで考えたら、▲4四飛で▲4四金でも詰みだった。もう、そのくらい私が負けていた、ということだ。
某氏には残念な結果だったが、上の手順は簡単なので、同情できない。ここまでうまく指したのだから、最後もスパッと決めてほしかった。
指導棋士の3人は、昼食休憩に入るようだ。私も軽食を摂ろう。テラスにおにぎりを取りに行くと、ミスター中飛車氏がくつろいでいた。
「調子はどうです?」
「Mimaさんに勝っちゃった…」
「えっ!?」
私は聞き直す。「もちろん平手で…? だよね」
「うん、相振り飛車で」
「……」
Mima氏といえば、泣く子も黙る、全国区のアマ強豪である。その氏に平手で勝つとはミスター中飛車氏、大殊勲である。
先日はKaz氏がM奨励会1級に1対1の平手で勝つし、私の周りはどうしてこんなに強豪が多いのだろう。
気が付けば、参加者はかなり増えた。60人は越えているのではあるまいか。
5局目は関西のShig氏と。Shig氏は将棋ペン倶楽部会報の常連で、その優れた文章には感心することが多い。今回も交流会だけのために来京したはずで、その熱意には頭が下がる。
今回は初対局。Shig氏はどんな将棋を指すのかと思ったら、先手中飛車できた。私は二枚銀を繰り出すが、攻めの糸口を掴めない。
私は△5五銀から△4六銀と歩得を果たす。ここでShig氏は▲3八金と締まったが、これは有難かった。私は△5五銀と引き、局面を収める。これで私が指しやすくなったようである。
もっとも以下も難しい戦いが続いたのだが、最後はShig氏の攻めが切れ模様になり、私が一気に寄せた。
感想戦は、わりと長めにやった。Shig氏が指し将棋にも熱心で、つい私も付き合ってしまった、という感じだった。
熊倉女流初段の指導対局は、3面がすべて埋まっている。気のせいかもしれないが、指導対局に時間制限はないので、みんな心ゆくまで考えている感じだ。
「ShigさんとHayさん、指しますか」
の声がする。Hay氏も関西からの来京で、これもすごい組み合わせである。しかしさすがに2人は、指さなかったようだ。
私は交流将棋を停止して指導対局の順番待ちをしようかと思ったが、元「近代将棋」編集長の中野隆義氏が空いているとのことで、中野氏と指すことにした。
将棋界の有名人は、棋士だけではない。観戦記者や雑誌記者もあこがれの対象で、その方々に自分を認識してもらえることがうれしい。
「指導対局の空きが出たら、私が投了しますから」
と中野氏。
「いえいえ私が投げます」
と私が返して、対局開始となった。
中野氏の先手四間飛車に、私は急戦。仕掛けはうまくいったと思ったが、中野氏も手に乗って捌き、▲5六の金をグイッと▲4五金と出る。鍛えの入った手だと思った。
△6六同角の飛び出しに、中野氏は得たりと▲7七角。△同角成▲同飛の結果は、▲5五角が残り、居飛車具合が悪い。このあたり、中野氏の大局観に感心しきりだった。
私は泣きの涙で△5四歩。▲5五角を消しただけの冴えない手だが、▲5四同金に△5三歩が素朴ながら好手で、▲5五角△9二飛▲1一角成に、強く△5四歩と金を取って、一息ついた。
もっともこのあとも、ホントに難しい戦いが続いたのだが、中野氏の攻めに誤算があったようで、私が受け切ったようだ。
最後は中野玉を追いまわして、中野氏が投了。私は詰み手順が分からなかったから、これは僥倖だった。
最初は中野氏の対局カードに「五段」とあったので眩暈がしたが、そのいっぽうで、中野氏はアマチュア相手に勝ちに行かない、という都市伝説がある。本局は典型的な例で、中野氏に巧妙に緩めてもらったのかもしれない。
時刻は午後3時を過ぎている。いまから指導対局は完全に不可。交流会で対局を受けられなかったのは、記憶にない。やはり20代の独身女流棋士は人気が高かった。
さて、私は7局目を指すことにする。時間的にも、これが最後である。
今度の相手も、「五段」。もう、駒を落としてもらいたいが、振り駒で私の後手になった(と記憶する)。
五段氏の石田流に、私は△4四歩から△4五歩と4筋の歩を切り、△7二金と締まる。最近この形で勝ってないが、固さより広さを優先する棋風なので、どうしてもこんな感じになってしまう。
右では、バトルロイヤル風間氏とTod氏が、なかなかの熱戦を展開している。これも異色の組み合わせだ。
▲6五歩△同歩▲同銀に、私は決断の△7七角成~△6五金。この「金」がミソで、「銀」だと、後に▲5五角が残る。
本譜は指しやすくなったと思った。五段氏の飛車は4筋に蟄居し、私は6~8筋に成駒を作り、楽勝の態勢。逆の立場だったらとっくに投了しているが、五段氏はガンバる。
もちろん私が勝勢だったが、粘ればいいことがあるらしい。五段氏捨て身の攻めに私が応手を誤り、けっこう形勢は接近した。しかしそこで五段氏が正着を逃し、また私が優勢。
そして先手・4九飛、5九角 後手・7七成香、7八と、9九竜…の局面で、私は△6九とと入ろうとした。
しかしそれだと、▲7七角で一遍に逆転となる。私は着手寸前で戻したが、勝負に辛い人なら、許さなかったはずだ(私は着手していないが)。
私は改めて別の手を指し、優勢を持続する。それでも五段氏にまだまだ粘りの手はあったのだが、このあたりで五段氏も疲れたようだ。「これはダメですね…」と投了してくれた。
ここで4時が近くなり、順次対局が終了。みんなで盤を片付ける。この合間に、Ok氏が上野裕和五段に、著書にサインをもらっていた。これはOk氏、いい記念になったことだろう。
上野五段と話をさせていただくが、現在、駒落ち別の棋書の発売を考えているという。もちろん話はまだまだ先だが、発売されたら、いい本ができると思う。
入れ替わりにテーブルを出し、今度は懇親会である。その合間に、私はビール運びを依頼される。そこで、Ok氏にも声を掛けた。しかし2人とも結果的に、必要なかったようである。
テーブルが長方形に並べられた。私はいつも、下手側の後方の内側の席に着くのだが、今年は上座近くにいたブ氏に勧められ、ブ氏の向かいに座ることになった。
懇親会開始。慣例では、ここで成績優秀者から呼ばれ、自己紹介を兼ねたスピーチをする。私は6勝1敗だったから、女流棋士の色紙ぐらいもらえそうである。
…ところが、湯川博士幹事の話だと、今年はそれらがないようだった。しかも、賞品の取得方法も変わるらしい。
加賀さやか嬢が代わって説明する。すると、今年は成績の良かった人からクジを引き、数字が書かれていたら、それと同じ数字が貼ってある色紙がもらえる、というものだった。
では数字がなかったら――。その場合は、棋書になるらしかった。
これはちょっと、話が違うぞ。私は色めき立った。
(つづく)
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将棋ペンクラブ関東交流会2015(前編)

2015-05-30 22:05:40 | 将棋ペンクラブ
5月23日(土)は、年に一度のお楽しみ、東京・将棋会館にて、将棋ペンクラブの関東交流会があった。
開会は午前10時からだが、いつ入ってもよい。私はブログを書いたりしてグズグズし、家を出たときはすでに10時を過ぎていた。
将棋会館に着いたのは10時40分過ぎ。会場は4階だが、階段を使う。2階の階段に「これより先、関係者以外の立ち入りはご遠慮ください」の立て札があったが、構わず上に昇る。この優越感がよい。
3階にも同様の注意書きがあったが、私はさらに上を行く。4階の大広間に入ると、幹事連中が「これで交流会が始まる」と言った。
大沢が来ないと話にならない、の意だろうが、ありがたいことである。
「大沢さんのブログを見て来た、という人がいましたよ」
とA氏。いったい誰だろう。
参加者は20人程度か。この時間、例年に比べて少ないと思ったが、M氏は「昨年が多かったんですよ」と言った。
参加者の中に、Ok氏の姿がある。かの人は、Ok氏のことだったようだ。
奥の部屋では、熊倉紫野女流初段、渡部愛女流初段が指導対局中。男性棋士は、上野裕和五段の参加だった。指導対局は熊倉女流初段に教えていただきたいが、まずは交流対局である。
1局目は、湯川恵子さんと当たった。恵子さんは、草創期の女流アマ棋界を引っ張り、女流アマ名人を5期も獲得した強豪である。現在はスポーツ報知・女流名人戦の観戦記で健筆を振るっており、私たち文章好きには、レジェンドのような存在である。
そんな恵子さんの段位は「二段」。これは段位詐称…いや、奥ゆかしいが、この段位には騙されない。
恵子さんとは今年1月のペンクラブ新年会で一戦を交えて以来。そのときは「相雁木」だったが、本局も似たような進行になった。
将棋会館の4階で将棋が指せること。これは将棋ファンのあこがれである。いわば野球ファンが東京ドームでプレーするようなもので、いい将棋が指せそうな気がするのだ。
恵子さん、▲2九飛を▲3九飛と寄る。とたんに「あ…(しまった)」という顔。
△2七桂の飛車香両取りがあるかららしいが、ここに桂を打って香を取っても、後手(私)には何のトクもない。
しかし打たなきゃしょうがない、みたいな雰囲気になって、私はしぶしぶ?△2七桂と打った。以下▲3五飛△1九桂成と進み、ここで▲3四歩と角頭に一発打たれていたら私が悪かったが、恵子さんはそんな意地悪をしない。穏やかな手を選び、私が優位に運ぶことができた。
最後は▲7六歩(玉の逃げ道を開ける)に、△5七銀(王手)▲7七玉△8六金▲同歩△同竜まで、私の勝ち。
恵子さんは負けてもニコニコ。この境地に達するには、まだまだ修行が必要のようである。
熊倉女流初段を見ると、盤3つのうち1面が空いている。ここで入るべきかもしれないが、楽しみは先に取っておきたかった。私は交流対局を続ける。
Kun氏が来た。Kun氏も毎日多忙だが、時間はやりくりすれば作れるものだ。
2局目はOsa氏と。Osa氏はペンクラブの常連で、交流将棋会では常に好成績を収めている。私も何度か話したことはあるが、対局は今回が初めてであった。
が、対局カードを見ると「二段」と書いてある。恵子さんの二段もひどかったが、Osa氏の二段も相当な図々しさである。
「だって、持ってる免状が二段なんだもん」
「……」
振り駒で私が先手となった。私の居飛車明示に、Osa氏の作戦は四間飛車穴熊。私は棒銀模様に出るが、Osa氏が△3二銀型で待っているので、仕掛けそびれた。私は中央位取りに舵を変えたが、これがどうだったか。
△5四歩▲同歩△8八角成▲同玉△3三角▲7七角△5四銀。
ここで▲3三角成とやったのがマズかった。△同桂に▲3二角と打ち、この飛車銀両取りに期待したのだが、その後に致命的な見落としがあり、劣勢に陥った。▲3三角成ではふつうに▲5五歩と打ち、一局の将棋だった。
△2六歩の垂らしに▲4四角を急いだのが敗着。△2七歩成(▲1八飛取り)とされ、決定的に差が付いた。▲4四角では当然、▲2八飛と受けるところ。これなら長い戦いが続いていた。
本譜は完敗。くそう…。次回のリベンジを期した。
3局目。幹事のWas氏が対局者を選ばせてくれたが、アマ強豪のMima氏の名前がある。強豪の名前がある場合、よろこんで対局をするか、逃げるかの2つに分かれるが、私は後者である。穏やかにWatanabe Ki氏を選んだ。
それはないでしょー、とWas氏。これでいいのである。
Was氏とは相居飛車の将棋となった。中盤、私が△4五歩と銀取りに突いた手に対し、Ki氏は▲7六歩と角取りに打つ。ここで私が△4六歩と銀を取ったのが読みの入った一手。
以下▲7五歩△4七歩成となり、角銀交換の駒損ながら、急所にと金ができて、後手指せると思った。以下、私の勝ち。
ここまで3局戦ったが、時刻は11時40分。交流将棋会は、成績のいい順に賞品をもらえるのはもちろんだが、同じ勝利数の場合、対局数の多い方が優先される。ここまでいいペースである。
徐々に参加者が増えてきた。が、女性は増えていないようである。女性は4時からの懇親会に参加するのかもしれない。
熊倉女流初段のところは、3面指しになっていた。私も予約を入れたが、それだと対局をしないで待つことになるという。
何もせずに時間をつぶすのは、先の理由でできないので、私は交流対局を続けることにした。
4局目は某(Ogi)氏と。私の後手で、▲7六歩△3四歩▲2二角成△同銀▲4五角。善悪はともかく、某氏の得意形になったようなのは不愉快だった。
私は歩を駆使して先手陣を攻めるが、ふつうに「▲同○」と応じられたら不利だったところを、某氏が攻め合いに来てくれたので、私に分のある形勢になった。…と思ったのは幻で、某氏の▲7二と△4二飛▲8一飛成も相当な迫力である。
さらに某氏が▲5四角と銀を取った手に対し、△同金と取れない(▲3四桂の王手飛車取りがある)ようでは、完全にヨリが戻ってしまった。
さらに、▲6三馬に△5三金と当てたのが大悪手。このタイミングで▲3三桂成と金を取られ、△同玉の一手に▲2一竜と回られては、一遍に敗勢になってしまった。
もうどう指されてもこちらの負け。それも難しい手順ではないが、某氏は長考を続ける。こちらが勝勢ならまだいいが、敗勢でこれをやられてはかなわない。

ここから▲3六桂△3五銀右▲4二角成△2六銀と進む。ここで冷静に▲5二馬とされるくらいでも、負けだと思った。
(つづく)
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G.W.九州旅行2015・13

2015-05-29 22:55:07 | 旅行記・G.W.編
ゴールデン・ウイーク最終日だから、宿の予約は容易だ。九州最後の宿は、かごしまプラザホテル天文館とした。ここは以前も泊まったことがあり、宿泊料は素泊まりで4,100円。
ホテルは天文館の繁華街にあるが、あたりは妖しい雰囲気だ。場所を忘れたので、別のホテルで場所を聞き、何とか見つけることができた。
チェックインしたあと、私は大通り沿いにある「ブックオフ」へ向かう。
旅先で古書店に入るのはひそかな楽しみである。それに同店の商品券もあり、早いところ使わなければならぬ。が、ほしい本(マンガ)は見つからなかった。付近にシャレた喫茶店もなく、私は手ぶらでホテルに戻った。
改めて廊下へ出て、有料ビデオのチケットを買う。九州最後の夜なので、ちょっと贅沢をしてみた。
このホテルのそれはVOD(ビデオ・オン・デマンド)で、数百本のビデオが見放題である。ビデオ鑑賞方式には、定期放送を観るものもあるが、これはハズレの番組を引いたとき、1~2時間我慢しなければならない欠点がある。今回このホテルを選んだのも、VODが謳われていたからであった。
朝食なしのホテルでは朝の時間を気にせず夜更かしができるが、あすは帰京せねばならぬから、今一つリラックスできない。
それでも私はビデオを観る。VODは早送りができるのが利点のひとつだが、ここのリモコンは、その早送りがすこぶる遅い。使い勝手が甚だ悪く、緊張感がブツ切れになるのだ。本田莉子があまりないのも残念である。
さてブログを書きたいが、PCルームが2階にあり、無料で使える。ここは室内の匂いがLPSA駒込サロンと同じで、懐かしい気持ちになる。
部屋に戻り上原亜衣を観たが、これがなかなかよかった。艶技が真に迫っていて、見応え十分。静の本田莉子、動の上原亜衣というところか。
深夜も2時を過ぎ、さすがに眠りについた。

翌7日(木)。きょうは鹿児島空港に直行して帰るのみ。ホテル前の大通りから、07時30分の空港連絡バスに乗った。運賃先払いで、私のICカードから1,150円が徴収された。天文館から空港までは1,250円だが、ICカードは100円割引になる。チャージしたとき100円トクしているから、都合200円のトクになるわけだ。このように、いわさきICカードはとても使い勝手がいいのである。
天文館では車内も空いていたが、鹿児島中央でどっと客が乗り、補助席を使った。結局、補助席の空白は2つ。こんなギュウギュウになるとは思わなかった。私と同じ、ギリギリまで休みを楽しむ手合いが多かったということだ。
08時25分、鹿児島空港着。その足でソラシドエアのカウンターに向かったが、私の名前の予約はないという。しばらくすったもんだしたあと、私はスマホのメールを確認する。
と、上りの便はスカイマークで取っていた。スカイマークは最近ゴタゴタがあったが、たしか同社は、制服のスカートをミニにしたのではなかったか。旅の最後のお楽しみだ。
無事手続きが終わり、ここからはお土産タイムである。
次の週末は「大野・植山教室」に行く予定なので、美味そうなお菓子を買う。行く気がなくなったらナニ、自分で食べちゃえばいい。
スカイマーク302便、09時20分発。注目のスッチーの制服は、イメージカラーの黄色からオレンジに変わり、スカートも長くなっていた。ふっ…期待すると、こんなことになる。
またスカイマークは飲み物のサービスがないが、だから睡眠に専念できる、ともいえる。私は1日夜からの行動を思い出し、ウトウトした。
今年も楽しかったな…。
(おわり)
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G.W.九州旅行2015・12

2015-05-28 23:11:05 | 旅行記・G.W.編
展望台に上がる。ここは展望塔の周りある階段をぐるりと上がるので、高所恐怖症には厳しい。私も苦手なほうだが、今年は心ここにあらずの心境だったので、平常心で上れた。
頂上からの眺めは、吹上浜の杜が見え、素晴らしい。
今からでも、枕崎方面に行こうと思えば行ける。しかし列車ダイヤは、枕崎発18時35分→指宿着19時47分だ。「砂楽」を味わうなら、駅の往復も含め、最低でも1時間半は見たい。また、あすは午前中に鹿児島空港便で帰京するから、鹿児島中央近辺での宿泊は絶対である。となると、この後は指宿発21時15分→鹿児島中央着22時26分となる。
とはいえ、砂蒸し温泉に入るために、こんな苦労はしたくない。しかも、砂楽の最終入場は8時半である。時間を気にしながら、砂に埋まっていたくない。
もう、砂蒸し温泉は諦めた。
昨年に続き、今年もグッショリできなかった…。これは大変な誤算だった。
地上に下り、常潤高校製造の温州みかんジュースを買う。これも毎年の定番である。
午後3時半が近づいている。鹿児島中央行きの直行バスが出るが、もう乗らないつもりだ。さっきのお姐さんの好意を活かすためにも、4時からのビンゴ大会を楽しむつもりだった。
砂像の鑑賞に戻り、スタッフさんに私を撮ってもらう。ひとり旅で不便なこと、それは自分自身を写真に撮れないことだ。まあ、どうでもいいのだが。
4時からメインステージにて、ビンゴ大会が始まった。これをやらないと、砂の祭典に来た意味がない。つまり私は、砂蒸し温泉よりビンゴゲームを選んだのだ。
今年の特等は、10万円相当の腕時計。以下いろんな商品が続くが、今年は増量しているらしい。私はこの1枚に賭けるが、どうなるか。
今年の司会者は、弁舌なめらかな女性。個人的には、数年前まで担当していたオジサンの、とぼけた味が好きだったのだが…。
いきなり数字が2つ開き、今年はいいスタートを切ったが、このあとがどうもいけない。全然開かないのだ。10万円の腕時計は、若者がとっくに持って行っている。以後は数字が1つ開くたびにビンゴ者が出るが、私はリーチにもならない。
そのままずるずると進行し、最後のビンゴ者が出ても、私はリーチにすらならなかった。
……。こんなことなら、何としても指宿へ向かうんだった。…が、もう遅い。いや、この結末は半ば予期していたのだ。それを承知でビンゴに臨んだのだから、仕方ない。
しかも、昨年まではあった残念賞が、今年は消滅していた。私は言葉を失った。

昼に利用した弁当屋が、全品半額になっていた。私は夜食用に、いくつか買う。
会場を出て、鹿児島中央行き乗り場に向かう。…が、最終便は17時ではなく、17時30分だった。30分早く会場を出てしまったわけだが、砂像はすべて観たので、問題ない。
直行バスに乗り、18時40分、鹿児島中央バスターミナル着。私はICカードをリーダーに付ける。と、今度は160円しか引かれなかった。今度は運転手さんが気付き、「あといくらだ…。800円でいいですよ」。
ずいぶん計算が大ざっぱだが、そんなわけにはいかないので、ちゃんと870円を引いてもらった。さらに、行きの差額分880円も、事情を話し、払う。いかにもバカ正直だが、旅先で不正はできない。
いまからJRの指宿枕崎線に飛び乗れば、19時47分に指宿に着く。しかし上に書いた理由で、もう行かない。
私はカウンターで、もう1枚のICカードに1,000円をチャージした。繰り返すが、これで1,100円分使える。
さて、九州最後の晩餐である。この時間に鹿児島中央駅前に来れば、駅横のアーケード街にある「山ちゃんラーメン」で炒飯を食すのが定跡だったが、同店は一昨年、閉店してしまった。
私はとりあえず、高見馬場電停近くの、「フランス菓子の一公」に向かう。私と同じ名前のケーキ屋でケーキを買い、ホテルで食らう。これも私の定番である。
ちょっと道に迷ったが、何とか着く。が、様子がヘンである。…あっ!! 休日だった。

きょうはどこまでもツイてない。仕方ない、食事処を探す。ここに来る途中に、ラーメン屋とうなぎ屋があった。うなぎ屋は玉名温泉街にもあったが、あのときは昼食の直後だった。今回、もし店の外でお品書きの値段が分かれば、うなぎ。分からなかったら、ラーメン屋に入るつもりだった。
結果は、後者。私は「ラーメン大学」に入った。先客は2人いて、1人の注文が終わったところだった。実年夫婦の経営で、この手のラーメン屋はうまいと決まっている。私はラーメンセットを注文した。
食前にお新香が出たが、これが鹿児島流。そしてみそラーメンが、先の客のと同時に、ものの1分で出てきた。何か理由があったらしいが、私は詮索しない。
みそラーメンは、ほんのすこーしスープがぬるい気もしたが、麺も、スープも、美味かった。
続いて出された半チャーハン、これは正真正銘の出来立てだったが、アツアツで美味い!
一口に半チャーハンといっても、ご飯茶碗半分のときもあれば、一人前に近いときもある。ここラーメン大学は後者だった。
食後は、りんごのデザートが出た。これは明らかなサービスである。〆て800円は、どう考えても安い。私は大いに満足して、山ちゃんラーメンの代わりは、ここにしようと思った。
(つづく)
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G.W.九州旅行2015・11

2015-05-27 21:48:05 | 旅行記・G.W.編
きのうの女流名人戦リーグ・室谷由紀女流初段と渡部愛女流初段の一戦は、渡部女流初段の勝ち!!
私は本当にうれしかった。渡部先生、おめでとうございます。
きょうの女流王位戦第3局は、里見香奈女流名人の勝ち。ストレート奪取となった。甲斐智美女流王位は、101手目の▲5五銀が不可解だった。ここはよろこんで銀を引くところだと思うが、私の感覚がおかしいのだろうか。

(25日のつづき)
6日(水・振替休日)。今年のG.W.九州旅行も、実質本日が最終日。充実した1日を過ごさなければならない。
まず、八代に戻るか新八代に進むかの二択。新幹線移動を視野に入れて、とりあえず新八代に向かうことにする。
ホテルをチェックアウトすると、ホテルのすぐ前に、八代市役所前バス停があった。タイミングよく07時54分のコミュニティバス(100円!)が来たので、それに乗る。
きょうの予定は、「吹上浜砂の祭典」の観光と、指宿の砂蒸し温泉の入泉である。どちらも鹿児島県内にあり、今回の旅行で最大の移動距離となる。
まず、砂の祭典に行こうと思う。砂蒸し温泉も早く味わいたいが、昨年は「砂楽」へ昼時に行って、1時間半待ちだった。よって今年はゴールデンウイークの最終盤、人が少なくなった夕方に行って、のんびり味わうのだ。
さて、砂の祭典会場の吹上浜には伊集院から路線バスを使うか、鹿児島中央から直行バスを使うかである。
新八代駅前に着いた。現在08時10分。新幹線に乗るなら08時16分発だが、私は手段を検討する。次の08時40分を利用すると、川内で在来線に乗り換えて、伊集院着が09時56分となる。
しかし砂の祭典会場の経由地である、伊集院発・加世田行きのバスが11時ちょうどである。伊集院で1時間も待つのでは、新幹線利用の意味がない。
それなら、鹿児島中央まで一気に行っちゃう手はある。しかし、自由席利用で4,960円はいかにも高い。それで、高速バスで鹿児島中央まで行くことにした。
といっても、直通高速バスはない。08時46分、私は産交バスの宮崎行きに乗り、09時24分、人吉インターチェンジで下車した。続いて09時38分発の鹿児島中央行き・きりしま号に乗りたいが、チケットはバス車内で購入、とのことだった。しかし満席の可能性もあり、そうなればきょう1日の予定が瓦解する。
幸い、きりしま号は空席があった。とはいえ、高速バス2本で3,500円である。新幹線利用と比較して、ホントにトクをしているのか。
例えば08時40分の新幹線を利用していれば、09時25分に鹿児島中央に着いた。砂の祭典会場直行バスは09時40分のがあるので、これにピッタリ乗れる。
我が高速バスは11時15分、鹿児島中央バスターミナルに到着予定で、11時40分の直行バスに乗れる。しかし新幹線と比較すると、ちょうど2時間の遅れだ。
夜ならともかく、昼の2時間ロスはかなり痛い。これは、1,460円余分におカネを払っても、新幹線を使うのが正着であろう。私は後悔したが、もう遅い。
11時13分、鹿児島中央駅前バスターミナル着。そのまま窓口で、いわさきICカードに、1,000円をチャージした。「いわさきICカード」は、おもに鹿児島県内のバス、フェリーに乗車できる。1,000円をチャージすると1,100円分使え、かなりトクである。ただしデポジットが500円かかり、カードの返却には手数料520円がかかるので、旅行者は気を付ける必要がある。ちなみに私は2枚持っているが、これは悪い例である。
直行バス乗り場に行くと、若い女性が大勢、バスを待っていた。砂の祭典会場のスタッフ氏がいて、チラシをくれる。「南さつまの旅」とあり、「くじらバス」に乗って、砂の会場近辺をガイドしてくれるらしい。しかも参加費は無料である。これは興味を惹かれるが、これに参加したら、砂蒸し温泉へ行けなくなってしまう。
通常の路線バスが入線し、大勢の少女は、そちらに乗った。どこへ行くのか知らぬが、まあ、そうなるであろう。妙な期待をした私がバカだった。
直行バスに乗り、砂の祭典会場には12時50分に着いた。バスを降りるとき、カードリーダーにタッチしたが、150円しか引かれていなかった。?? 1,030円じゃないのか?
とりあえず先を急ぎ、会場に入る。荷物を預けて、身軽になった。
さっきの「南さつまの旅」は、定員に達し、締切りになっていた。それでよい。
プログラムを見ると、私が楽しみにしているビンゴゲームは、1回目が午前11時に終わっていた。新幹線を使っていたら…といまさらながら後悔するが、これが私の人生である。
今年のテーマは「ハッピードライブ・時代を映すのりものの世界」。砂像は雪像に比べて細かい細工ができ、修復も容易だ。ただ、色が茶色なので、いささか地味なキライはある。
砂像は大小27基。それに地元有志の砂像が加わる。今年も、細部までこだわった名作が揃っていた。
昼時なので、飲食物産ゾーンで「洋風幕の内弁当」(250円)と、「焼きラーメン(焼きそばのようなもの)」(200円)を買う。
会場内の店舗で買物をすると、500円につき1枚、ビンゴカードがもらえる。たしか昨年から始まったシステムだが、私は今回450円の買物である。が、店のおねえさんは、おまけ?で1枚くれた。
まことにありがたかったが、次回のビンゴは午後4時からで、これに参加したら砂蒸し温泉に入れなくなってしまう。
2時からは、メインステージで山口ひとみのステージがある。名前からして期待大だったのだが、彼女は地元の演歌歌手だった。
…ところで、砂蒸し温泉のある指宿に向かうには、何時にここを出ればいいのだろうか。
私はスマホで調べる。まず、枕崎までバス、そこからJRに乗り換えて指宿まで行くルートだが、次の枕崎発上りは16時03分である。そこを逆算して、加世田14時16分のバスに乗れば14時58分に枕崎に着く。しかし、その加世田に向かうバスがもう間に合わない。意外とこれ、のっぴきならない状況になっているかもしれない。
次に、鹿児島中央まで直行バスで戻り、指宿枕崎線の下りに乗るルートは簡明である。次の直行バスは15時30分というのがある。
が、ひとつ問題がある。私は鹿児島に来ると毎回、枕崎駅前にあるブティック「歩揺(ほよう)」のオバチャンに会いに行くのが定跡になっている。鹿児島中央経由では、それができないのだ。
ただ、オバチャンが私に会って楽しいのか、とは思う。私は年を追うごとに頭が薄くなり、腹も出てきている。こんな私とおしゃべりしても、楽しくはないだろう。
ではやっぱり、鹿児島中央まで戻るか。しかしどうもこの、回り道をする感じが、気に食わないのだ。しかも、鹿児島中央と指宿間の往復も味が悪い。
ただ、行きに乗ったバスでは、恐らく私は150円しか払っていない。帰りは同じバスに乗って、行きの不足分を払うべきだろう。
私は案内所に行くと、スタッフ氏が時刻表旅マップをくれた。これは詳細な乗り物ダイヤが出ていたが、やはり私が調べた以上の情報は出ていなかった。
いろいろ迷ったが、結論は出ない。いや、出たというべきか。私は砂像の鑑賞を続けた。
(つづく)
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