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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

久しぶりの船戸女流三段と、OKスーパーの顛末(後編)

2025-04-23 15:16:28 | LPSA麹町サロンin DIS

第4図以下の指し手。▲3六歩△5五歩▲同歩△同銀▲5六歩△4四銀(第5図)

ここまで作戦の齟齬はいくつかあったが、駒損もしていないし、まだまだ指せる。しかし▲3六歩がマズかった。
この手は△3五銀や△3五歩を防いだものだが、警戒しすぎ。もっと有効な手を指すべきだった。
船戸陽子女流三段はとりあえず5筋の歩を換える。そこで次の私の手が、精神的敗着となった。

第5図以下の指し手。▲9六歩△5三銀▲8九玉△5五歩▲同歩△同角▲4六歩△5四銀▲5六歩△3三角(第6図)

実はこの数手前まで、私は▲8七玉と上がる予定だった。だがそのうち、玉は8九に引き、▲8八飛と展開することを思いついた。
だからすぐにその手を決行すればよかったのだが、その前にすべての憂いを消しておこうと、▲9六歩と突いたのがマズかった。すぐに▲8九玉~▲8八飛だと、△9四銀と備えられると思ったのだ。
だが実際は、上手は△9五歩と突き越していないし、仮に△9四銀が可能でも、▲8五歩△同歩に▲8四歩と垂らして、下手が十分だった。
遅ればせながらの▲8九玉に、船戸女流三段は「いつの間にかプレミアムになりそう」とつぶやきつつ、再び△5五歩。船戸女流三段はまだ私の遠大な構想に気付いていないが、この合わせが厳しい。
私は▲同歩と取ったが、△同角が飛車取りで、先の▲3六歩を咎められた。
▲4六歩は薄い受けだが、仕方がない。これには△5六歩▲同銀△4六角がイヤだったが、船戸女流三段は△5四銀と立つ。

第6図以下の指し手。▲4五歩△4二飛▲6六銀△4五銀▲8八飛△5六銀(途中図)

▲5六同金△4七飛成(第7図)

第6図でも▲4五歩がどうだったか。もういい加減、▲8八飛だった。これに△4二飛なら、▲8五歩△同歩▲同銀△8四歩▲同銀△同銀▲同飛(変化図)の十字飛車で下手優勢。

本譜、上手は△4二飛と戦力を増強し、十分。私は▲3七桂と受けたいが、△3五歩▲2六飛△1五角があり、不可だ。
私は4筋を明け渡し▲6六銀と厚みを作る。ここで△4五飛は▲4六歩なので、△4五銀。そこでやっと私は▲8八飛と転回した。
船戸女流三段は「おおっ!!」と驚きつつ、△5六銀(途中図)と出た。「荒すぎですかね」のコメントに、自信が見て取れた。
私は、1984年2月19日に放送された、第33回NHK杯将棋トーナメント4回戦・▲桐山清澄八段VS△大山康晴十五世名人戦で、大山十五世名人が△5六銀(参考図)と切り込んだ手を思い出した。

NHK杯は以下▲4四歩△5三飛と進行したが、私は▲5六同金と取った。だが△4七飛成が厳しく、これは本当に下手敗勢となった。

第7図以下の指し手。▲5七歩△4九竜▲7八金△5八歩▲8五歩△同歩▲同銀△8四歩▲同銀△同銀▲同飛△8三歩(投了図)
まで、74手で船戸女流三段の勝ち。

第7図でA▲6七銀打は、①△4九竜でも、②△5六竜▲同銀△6六角でも上手十分だろう。といってB▲5七金も、①△同竜▲同銀△7七角成か②△6六角▲同金△7七竜があり、どちらも上手優勢。どの変化も下手が駒得なのだが、上手陣が鉄壁なので、多少の駒損など物の数ではない。
そこで私はC▲5七歩と打ったのだが、これも△5六竜▲同歩△6六角がある上、そうならなくても、▲5六金がバカ金になってしまった。
本譜は船戸女流三段が黙って△4九竜と入ったが、これも厳しい。私は▲7八金と締まったが、そこで△5八歩が決め手級となった。
私が「おぉ!!」と唸ると、「え、え? 悪かった?」と船戸女流三段。いやいや悪手どころか、最短の寄せであろう。まったく、私が上川香織女流二段にいつも指している手を指され、クサッタ。
以下は指してみたにすぎず、△8三歩に飛車を逃げる気も失せて、投了した。まだ午後4時前だった。

私は▲9六歩を悪手の槍玉に挙げたが、船戸女流三段は▲3六歩をありがたく感じたとのことだった。まあ、どちらもヒドかった。
船戸女流三段は散文的に第2局を申し出てくれたが、敗者は去るのみ。立ち上がりTod氏に別れを告げると、驚かれた。彼とお茶ぐらいしたかったが、仕方ない。
私は今年3局目の実戦だったが、本局は拙局。どうも船戸女流三段と指すと、うまくいかない。

帰りも有楽町線を使い、銀座一丁目で下車。OKスーパーに行き、カウンターで、3月13日に飴を1袋ふん多く払った旨を話した。今回は当日のレシートを用意してあるから、完璧である。
ところが応対してくれたおばちゃんは、「過失の申請は、1週間以内有効です」とにべもなかった。
その旨は店内に張り出してあったから知っていたが、やはりそれを適用されてしまった。
かくして、3月13日から始まったトラブルは、一定の結論を見た。
腹が立ったが、店内で買い物をする。いつも地元で買うおかめ納豆は、ここで3パック70円である。地元より30円安い。悔しいが、やはりOKスーパーは安い。だから悔し紛れに3つ買ってやった。
さらに199円のせんべいも買い、セルフレジで会計である。
ところが、199円のせんべいのバーコードを1度しかタッチしていないのに、また2個と計測されてしまった。
私はすぐさま店員を呼び、1個に直してもらう。だが私は、すぐ離れようとする男性店員を呼び止め、3月の出来事も含めて、文句を言った。今回は画面を見ながら慎重にやったのに、これはどういうことか、と。
だが彼は適当に相槌を打つと、面倒くさいオッサンだなあ、という顔で、あっちへ行ってしまった。
だけどこれは深刻な問題である。直近のOKスーパーでの3回の買い物中、2回もタッチ不具合があった。これは由々しき問題ではないのか?
いやこのぶんだと、以前に買ったモノも、多く計測されたこともあるんじゃないのか?
私は「お客様カード」を手にした。今回の顛末を本部に知らせるためだが、その時間が惜しく、まだ何も書いていない。
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久しぶりの船戸女流三段と、OKスーパーの顛末(前編)

2025-04-22 00:14:04 | LPSA麹町サロンin DIS
17日のLPSA麹町サロンin DISは、昼の部に船戸陽子女流三段が登板していた。だいぶ前から1席空きがあり、私も行けたのだが、当日朝にバイトが入るかもしれないから、静観していた。
もっとも私は、船戸女流三段の大ファンだった。だけど船戸女流三段が2011年に結婚してからファンを止めた。そればかりか、当時私は船戸女流三段のメアドを知っていたので、ひどい文章を送ったりもした。だから船戸女流三段に合わせる顔、いやアタマもなかったのである。
ところが17日朝になっても空席は埋まらず、けっきょく私は予約をした。これも運命の気がして、それに抗えなかった。
当日は神田で下車し、日本橋に向かった。23日は船戸女流三段の誕生日なので、プレゼントを買うためである。指導対局に加え、プレゼントも買うとは、何の因果だろう。だけどこんなもの渡したって、当人はちっともうれしくないだろう。そういう相手の気持ちを考えないのが、私の悪いところである。
然るべき店でプレゼントを買ったあと、神田に戻るか、先に進むか。銀座のOKスーパーに行きたいが、そのまま歩いていくことにした。
辺りは外国人でいっぱいである。こんなビル街を観光したって面白くないと思うが、愉しみ方は人ぞれぞれである。
銀座に着いたが、OKスーパーが見当たらない。道を1本間違えたみたいだが、けっこう時間が押しており、微妙である。とりあえずOKスーパーは保留とし、私は地下鉄に向かった。
銀座一丁目から乗り、麹町で下車し、教室に入ったのは午後3時5分だった。あれだけ余裕を持って家を出たのに、日本橋の散歩がマズかった。
教室に客は集まっていたが、その数が4人だったので、驚いた。客の定員は4人である。だけど船戸女流三段は笑顔で迎えてくれる。これが大人の対応というやつである。ほかにTod氏もいて、私は混乱の極みである。ああたぶん、当日朝に2人の申し込みがあったのだ。そして私は対局確定を確認しないまま、ここに来てしまった。なら、私がお邪魔虫ではないのか?
私はとりえず船戸女流三段にプレゼントを渡し、「帰ります」と言った。だが、船戸女流三段は私を帰さない。すでに将棋盤も「5人目」が用意してあるし、このまま指していくことにした。
「きょうの朝に申し込んだんだけど」
私がTod氏に言うと、「ボクのほうが遅かった」と彼は言った。だけど私の可能性もあり、よく分からない。ただ、LPSAの売り上げが増えたんだから、これはこれでいいと思う。
早速駒を並べ、対局開始である。

初手からの指し手。▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△3二銀▲5六歩△4三銀▲5八金右△5四歩▲6八玉(第1図)

船戸女流三段は相変わらずエレガントだった。
といっても船戸女流三段にお目にかかるのは久しぶりで、2022年11月27日に田町駅前で行われた「Minerva交流将棋団体戦2022」以来となる。
その前となると、2020年1月9日の麹町サロンとなる。このときはTod氏の熱心な誘いを受けてのもので、船戸女流三段と「再会」するのに相当な勇気が要ったことを憶えている。
だから今回、自発的に指導対局を申し込んだのは14年ぶりとなる。その間に私は老け、頭髪は無残なことになってしまった。歳は取りたくないものだ。
しかし船戸女流三段は私の風貌には触らず、
「誕生日が近いから、誰かがプレゼントを持ってきてくれるかと思ってました」
と屈託がない。
私は盤面に集中する。私の居飛車明示に船戸女流三段は得意の雁木をにおわす。しかし△3二金が決まってないので、振り飛車の可能性も残っている。

第1図以下の指し手。△8四歩▲7八銀△9四歩▲7七銀△7二銀▲7八玉△8三銀▲2五歩△3三角▲7九角△2二飛(第2図)

右斜め前の男性氏は、すでに中盤に入らんとしている。いったいいつから始めていたのか。
船戸女流三段は居飛車を明示した。当然なのだが、意外な気もした。それが証拠に、私はその前に▲6八玉と上がってしまっている。このせいで、玉の整備に制約が加えられることになった。
奥の部屋から、渡部愛女流四段が出てきた。私は気付かなかったが、さっきから奥の部屋で声がしていたようだ。
みんなは口々に「おめでとうございます」と言う。渡部女流四段は昨年結婚したが、そのお祝いをまだ言っているのか? いや違う、渡部女流三段は先日の対局で勝利し、女流四段に昇段した。そのことであろう。
笑顔で返事をする渡部女流四段の視線が、私の頭頂部に注がれた気がした。いつぞやの中倉宏美女流二段のときもそうだったが、久しぶりに私に会った女流棋士は、みんな同じ反応をする。
その意味で、いまは「ハゲ耐性」ができている上川香織女流二段と指すときは、最もリラックスできる。
右の男性は「渡部先生にお会いできるとは、得した気分です」と、よろこびを隠せない。そんなものかなと思った。
局面、船戸女流三段は飛車先の歩を決めていないが、棒銀っぽい構想だ。このまま銀交換をされると、8筋が薄い私が悪い。
そこで私は▲2五歩から▲7九角としたが、これに船戸女流三段は△2二飛と受けた。この局面での振り飛車は、意外だった。
それに驚いて指した次の手がマズかった。

第2図以下の指し手。▲7五歩△6二玉▲7六銀△7二玉▲6六歩△8二玉▲5七銀△7二金▲6五歩△5二金(第3図)

▲7五歩は、私が好きな玉頭位取りの構想だが、駒が上摺ってよくなかった。ここは▲8八玉から▲9八香とし、穴熊の構想で指すのがよかった。
船戸女流三段は△6二玉と上がったが、私は△7二飛を気にした。もっともすぐに△7二飛は、▲2四歩△同歩▲同角で、以下△2二飛なら▲3三角成が王手で下手勝ち。だから△7二飛は気にする必要はなかったのだが、私はこの幻影にしばし悩むことになる。
数手進み、△7二金で△7二飛がなくなり、ほっと一息。しかし▲6五歩がまたマズかった。上手の△4二角から△7四歩を気にし、そのとき▲6六銀を間に合わせようとしたのだが、考えすぎた。
船戸女流三段は△5二金と上がり、涼しい顔である。

第3図以下の指し手。▲7七桂△6二金左▲8六歩△4五歩▲6七金△4四銀(第4図)

▲7七桂も陣形が薄くなりよくないが、△4五歩のときの角成をあらかじめ受けたもの。でも△4五歩を受けるなら、▲8八角と戻る手もあった。
▲8六歩に△4五歩が大きな手。これがあるから▲8六歩では▲4六歩も考えたが、バランスが悪いと思い、やめた。
△4四銀に次の手も悪かった。

(つづく)
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上川女流二段に、久しぶりに教えていただく(後編)

2025-03-30 23:28:54 | LPSA麹町サロンin DIS
初手からの指し手。△3四歩▲2六歩△3二飛▲7六歩△4四歩▲4八銀△6二玉▲6八玉△4二銀▲7八玉△3五歩(第1図)

第2局は振駒なしで、私が後手になった。どうもよく分からないが、まあいい。
初手△3四歩に、私は藤井流で▲2六歩。しかし矢倉になるはずがなく、上川香織女流二段は前局に続いて、三間飛車を採用した。
だが私は▲2五歩△3三角を決めない。「石田流を誘われているみたい」と上川女流二段はつぶやく。
実際誘っているのだが、上川女流二段は石田流をあまりやらない。でも本局は、△3五歩と伸ばした。ついに石田流の採用である。

第1図以下の指し手。▲2五歩△3四飛▲4六歩△3三桂▲4七銀△1四歩▲6八銀△7二銀▲6六歩△4三銀▲6七銀△7一玉(第2図)

右の将棋は中盤戦たけなわだ。私も早指しのほうだが、隣のスピードには負ける。
私はふつうに駒組を進める。△1四歩には▲1六歩が相場だが、私は中央で指したい手がいっぱいあるので、無視して▲6八銀とする。
そして△7二銀に早めの▲6六歩が一公流で、私以外のひとが指したのを見たことがない。
△7一玉に次の手が継続手。

第2図以下の指し手。▲6五歩△5四銀▲5六銀左△1三角▲3八金△5二金左▲6八金△8二玉▲1六歩△9四歩▲9六歩△2四歩▲同歩△同角(第3図)

▲6五歩と伸ばすのが継続手。美濃囲いの△6四歩からの発展を防ぐ意味だ。それを嫌って先に△6四歩とされたら、▲5六銀左(右ではない)から▲6五歩とし、1歩を交換するのが狙いだ。
上川女流二段は△5四銀と腰掛けたがさすがで、銀をここに据えたままほかの手を続ければ、私は将来、角の浮き駒を狙って、▲4五歩と仕掛ける。私の作戦は、けっこう二の矢三の矢があるのだ。
私は▲5六銀左。さっきも書いたが、この銀は左で行き、▲4七の銀は3筋を守るのがよい。
△1三角には▲3八金と締まっておく。棒金の狙いではあるが、実際▲2七金と上がったらマズイと思う。戦いになったとき、この金が取り残される感じがするからで、だからこの金は▲2七に上がると見せかけて、ここで待機するのがいいと思う。
ここから双方間合いを測るが、私は▲6六角~▲7七桂など、指したい手がいっぱいある。
美濃囲いを発展できない上手は、△2四歩から動いてきた。
▲2四同歩に△同飛は▲同飛△同角▲2一飛で下手指せる。よって上川女流二段は△同角と取ったが……。

第3図以下の指し手。▲2二歩△4五歩▲同歩△4六歩▲5八銀△1三角▲2一歩成△2四飛▲2六歩△4五桂▲1一と(第4図)

私は▲2二歩と垂らす。対上川戦得意のと金作りだ。
△1三角に▲2一歩成とし、目的達成。つづく△2四飛には、今度は▲2六歩と謝っておく。以下△2一飛ならもちろん、▲3三角成だ。
ただここは、▲3三角成と指すべきだった。実はここで桂を取れることは、意識の外だった。
上川女流二段はやぶれかぶれで桂を跳ねたが、それでは香を取られてしまう。私が1一の香をつまむと、上川女流二段は
「いちばんいい形で香を取られ……えっ!?」
途中で驚いた。そう、私は▲1一角成と馬を作れたのに、▲1一ととしてしまったのだ!

第4図以下の指し手。△2二角▲同角成△同飛▲3三角△3二飛▲8八角成△3六歩▲同歩△3七歩▲2七金△3八角▲3七桂△2七角成▲同飛△3六飛▲3八歩(第5図)

それにしても▲1一とはひどい手だった。この直前まで▲1一とが頭にあり、角で取れることになったことをうっかりした。3三桂を取らなかったのと同じ理屈である。だけど、「香を取って▲1一角成」は、私が将棋の中で最も好きな手。それを逃したのは、不覚というほかなかった。
なお▲1一角成なら、次の▲1二馬の角取りが受けにくく、下手大優勢だった。
「私がひどい手を指しているから、緩めてくれたの?」
と上川女流二段は苦笑いしたが、私はそんな芸当はできない。「いやいや、見落としました」と、正直に吐露した。
△2二角▲同角成△同飛に、私は予定通り?馬を作ったが、相手の角が駒台に乗ったから、私が大損をした計算だ。
ここから上川女流二段の無理攻めが炸裂し、角金交換から飛車を捌いたところでは、上手も指せると思う。

第5図以下の指し手。△4七金▲同銀引△同歩成▲同銀△7六飛▲7七歩(第6図)
まで指し掛け。

このあたりで右の将棋が終わり、感想戦に入った。もう指導時間がほとんどないので、指し掛ける雰囲気である。
でも上川女流二段は△4七金から指し手を進める。だけど▲7七歩の局面で、私が指し掛けを提案した。

その後△3七桂成▲同飛△2六飛▲2七歩△2四飛と進んだが、それには▲7四桂があるので、△2四飛に代え△3六歩▲同銀△2三飛……と検討し、そこで打ち切りとなった。私としては最後まで指したかったが、仕方ない。
今回、上川女流二段は8ヶ月ぶりに教えてもらったが、大変楽しく、また勉強になった。上川女流二段には、厚く御礼を申し上げる次第である。

帰り、麹町サロンの1階にある金券ショップで、5月末日まで有効のANA株主優待券の売値を聞いたら、「100円」と言われ、のけぞった。もう、株主優待券は、売れないな……。
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上川女流二段に、久しぶりに教えていただく(中編)

2025-03-29 23:31:22 | LPSA麹町サロンin DIS

第5図以下の指し手。▲2六同飛△同銀▲4四角△3五飛▲同角△同銀▲4五馬△4九飛▲5八金引△2六角▲5七銀△2九飛成▲3二飛△5二歩▲3一飛成△5一桂(第6図)

第5図でA▲5八金引は、△4八馬▲同金△3九銀がある。といってB▲4七銀も△4八馬ともぐられ、次の△3九馬が厳しい。
そこで▲2六同飛とした。上川香織女流二段は、(そんな無茶をしなくても……)と意外そうだったが、ほかの手が浮かばなかった。
返す刀で▲4四角。一応飛銀両取りだが、こんな銀を取ってもしょうがない。
しかし上川女流二段は△3五飛と浮き、両方助けてきた。そこで▲2七歩が浮かんだが、△4九飛の攻め合いが恐く、たんに飛車角交換とした。
でもここはやはり、▲2七歩(参考B図)とすべきだった。

以下△4九飛▲2六歩に、△4八飛成(飛車を見捨てる)▲3五飛成△5九銀でどうなるのか。▲5八金寄として上手指し切りに見えるが、受け間違えたら一巻の終わりだ。
いや戻って、▲2七歩には△4三歩もある。これに▲3五角△同銀だと、上手を歩切れにさせたはいいが、▲4五馬がなくなっている。これは下手が損ではないか?
いずれにしても、先の▲5七金直の悪手がどこまでも祟っている。
本譜に戻り、△4九飛に、やはり▲5八金引が必要なのが痛い。
▲3二飛に△5二歩、▲3一飛成に△5一桂と頑強に受けられ、攻めあぐねている感じだ。

第6図以下の指し手。▲3五馬△同角▲同竜△3八竜▲5五桂△6二金引▲3一と△3七歩成▲4一と△6三桂▲4三桂成△3四歩▲2四竜△4七と▲同金△同竜▲5八銀△3八竜▲2一竜△5九金(第7図)

私は現ナマに目がくらみ、▲3五馬。しかしここでも▲2七歩とし、△同竜と、竜の位置を変えなければならなかった。
▲5五桂は利かしたが、続く攻め手が見つからず、▲3一とと活用した。上川女流二段戦では、なぜかと金を使う手が多い。
しかし▲4一とに△6三桂と跳ねられ、ちょっとこの桂とは交換する気が起きず、黙って桂を成った。ちなみにここ、成らずでは、次の働きが弱い。
だが上川女流二段に一手早くと金を活用され、先の銀得がなくなってしまった。このあたりでは、下手が悪くなっていると思う。
さらに△5九金と俗に打たれ、ホトホト弱った。

第7図以下の指し手。▲4七角△3九竜▲5一と△8五桂▲8八銀△5八金▲同角△7七銀(途中図)

▲7七同銀△同桂成▲同金(第8図)

右の対局は終わり、男性氏の勝ち。作戦勝ちから快勝だったようだ。
しばし感想戦をやったあと、すぐに2局目が始まった。
私は▲4七角と受けた。上川女流二段は「そこまで受ける!? ……やっぱり打つよね」と驚いていたが、受けなければ負ける。
もっとも、これで受け切れるとフンでいたのだが、上川女流二段に△7七銀と放り込まれ、また飛び上がった。
これには▲7七同金が第一感だったが、△同桂成▲同玉△8九竜は下手勝てない。
上川女流二段は、下手にいいように指させて、一瞬のスキを衝いて切り込んでくる。これが上手の芸である。
だが指導対局は下手に時間があるのがありがたい。私は▲7七同銀を発見し、すぐの負けはなくなったと思った。……が、それは錯覚だった。

第8図以下の指し手。△4八銀▲6一と△同金▲同竜△同銀▲7三金△同玉▲8五桂△6二玉▲7三金(投了図)
まで、126手で一公の勝ち。

第8図で上川女流二段は△4八銀としたが、どうだったか。ここは△7九角(参考C図)があったと思う。

参考C図は銀取りだから▲6八銀打とするが、△8八銀が継続手で、▲7九銀と角を取れない。
そこで▲4九金と打てば受け切っているように見えるが、実戦でそこまで駒を投資する手が見えたかどうか。
要するに△7九角だったら、私が負けていたと思う。
本譜▲6一とに、△5七銀成は自玉が詰まないので、▲6二とで勝ち。
よって上川女流二段は黙って△6一同金と取ったが、そこで▲同竜があった。以下は即詰みで、私の勝ちとなった。
「完敗でした」と上川女流二段。しかし上川女流二段が途中から優勢で、最後は勝ち筋すらあった。だから完敗でもなんでもないのだ。
けっきょく、指導対局では下手にいい気持ちになってもらうという、上川女流二段のポリシー?に、私は救われたのだった。

そして感想戦もそこそこに、私も2局目を指すことになった。
(つづく)
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上川女流二段に、久しぶりに教えていただく(前編)

2025-03-28 23:39:59 | LPSA麹町サロンin DIS
この13日は、LPSA麹町サロンin DISに行った。講師は上川香織女流二段で、久しぶりの顔合わせである。
予約は珍しく早めに入れたが、その後、行けなくなる可能性もあった。
その危機を回避し、めでたく指導対局を受ける運びとなった。
当日は御徒町の多慶屋に行き、ドライブルーベリーを買った。さらに銀座OKスーパーで、買わずもがなの飴を6袋買う。これだから私は慢性的な肥満になり、虫歯が絶えないのだ。
麹町駅に着き、麹町サロンに入室。14時52分だった。早めに入ったつもりだったが、すでに先客が2名いた。きょうは満席だから、さらにあと1名来る。
席に座ると、上川女流二段が「この前はありがとうございます」という。
前回お邪魔したとき、上川女流二段の誕生日が近かったので、軽くプレゼントを渡したのだ。その御礼を改めて言われたのだが、あれから数ヶ月経っている。ずいぶんご無沙汰してしまったものだ。
さっそく対局となるが、私と右の男性は平手である。私は当然先手で指すつもりだが、最近は振駒でいくのが上川流。しかも今回は、私が振ることになった。そしてと金が4枚出て、私の後手となった。まあいい。とりあえず対局開始である。

初手からの指し手。△3四歩▲7六歩△4四歩▲2六歩△3二飛▲4八銀△4二銀▲2五歩△3三角▲5六歩△5二金左▲6八玉△6二玉▲7八玉△7二銀▲5八金右△7一玉(第1図)

ここから自戦記となるが、上川女流二段を後手として記す。お互い角道を開け、上川女流二段は角道を止めつつ「三間飛車にするか、中飛車にするか……」とつぶやく。
実は今回、私は鷺宮定跡を指すつもりでいた。しかしこれは対四間飛車用だ。上川女流二段は三間飛車と中飛車の使い手で、まして先手となれば、このどちらかとなる。果たして上川女流二段は三間飛車に振り、私の事前のイメージはフイになった。
私の▲5六歩に、上川女流二段は△6二玉と指しかけて△5二金左。まあこのあたりの手順前後はどうでもよい。
上川女流二段は△7二銀から△7一玉と収まった。

第1図以下の指し手。▲3六歩△8二玉▲6八銀△5四歩▲5七銀左△9四歩▲9六歩△6四歩▲6八金直△6三金(第2図)

右の男性氏は、嬉野流を採用しているようだ。それに勝又清和教授の講義も交えているようで、研究は万全というところ。記譜はスマホの将棋ソフトを利用しており、手書きの私とは作戦も含めて、時代が違う。
私は▲3六歩と急戦の意思表示。まあ持久戦でもいいのだが、それだと将棋が長くなるから、2局指せなくなってしまう(かもしれない)。上川女流二段とは暗黙の了解で、2局指すつもりでいるのだ。
△6四歩に▲6八金直。この手は一長一短なのだが、まだ鷺宮定跡の余地を残している。
上川女流二段は「大山流で」と△6三金。この手がどうして大山流なのかよく分からないが、私は「きょうは大山先生の生誕日ですからね」と言った。
上川女流二段は(マニアだ……)と、呆れ顔をした。右の男性氏は「ふむふむ」というところ。

第2図以下の指し手。▲3七銀△7四歩▲2六銀△4三銀▲3五歩△1二香▲2四歩△同歩▲3四歩△同銀▲3八飛△4五歩▲3三角成△同飛▲8八角△3五歩(第3図)

私は▲3七銀と棒銀に出た。1月の鹿野圭生女流三段戦に続いての採用で、前回の失敗を払拭する意味があった。ただ、すでに▲7八飛と回られているので、多少気は引けた。
「棒銀!? どんな受け方だったっけ」
と上川女流二段。
私は▲3五歩。棒銀を指したからにはこの手が絶対で、この手が指せたから、鹿野女流三段戦よりはましになったと思った。
△1二香に▲2四歩。もし△同角なら、▲1五銀!△同角▲2三飛成の加藤流で、指せると思った。
本譜は△同歩で、以下は定跡通りに進む、▲3三角成△同飛には▲8八角か▲2二角か迷ったが、後者は1一香を取れないので、下から打った。

第3図以下の指し手。▲2二歩△2七角▲2八飛△3六角成▲2一歩成△5五歩▲同角△5三飛▲2二角成△4六歩▲同歩△2五銀▲3七銀△5四馬▲1二馬(第4図)

第3図はふつうに▲3三角成とし、△同桂▲3五銀△同銀▲同飛△4四角▲3九飛△9九角成▲8八銀△9八馬▲3三飛成(参考A図)もあったと思う。しかし手順中の△4四角の味がよく、参考A図でも△8四香が相当で、指し切れなかった。

そこで私は▲2二歩。次▲2一歩成とできれば、さらに飛車取りになる。上川女流二段はこの手を軽視していたようで、「いい手がありましたね」と苦悶する。
△2七角と打ったところで、4人目が来た。プロでも4面指しは大変であろう。私は「大変ですね」と苦笑するのみである。
私は▲2八飛と先手を取り、桂得して、十分と思った。途中、△5五歩▲同歩で1歩をもらったのも大きい。あとは金持ちケンカせずで、じりじりポイントを稼いでいけばよい。
実際▲1二馬と香も取り、このあたりでは相当よくなったと思ったのだが……。

第4図以下の指し手。△4四馬▲6六銀△3六歩▲4八銀△6五歩▲7七銀△7三桂▲5七金直△3三飛▲3八歩△2六馬(第5図)

▲5五香を防ぐ△4四馬に、▲6六銀。この活用は味がいい。
つづく△3六歩に▲4八銀と凹まされたが、守りについたと思えば腹も立たない。
しかし上川女流二段も△6五歩から△7三桂と、着々と駒を前進し、少しも慌てない。
そこで私は▲5七金直としたが、これが本局一の悪手だった。具体的には△8五桂▲8八銀に△6六歩を気にしたのだが、気にしすぎだった。なんでもいいから、別の手を指すべきだった。
△3三飛に▲3八歩。次に上手の指す手がなく、△2六銀あたりを考えていた。
ところが上川女流二段に、ヒョイと△2六馬と覗かれ、飛び上がった。
こんな手があったのか……!!

(つづく)
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