一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・中倉彰子女流初段③

2009-10-31 00:36:58 | LPSA金曜サロン
ここ数ヶ月は、女流棋士会スーパーサロン・金曜日にお邪魔していないので、昼は自宅でフジテレビ系「笑っていいとも!」を観ている。金曜日は「なりきり川柳」のコーナーがあるが、ここに登場している川柳作家のやすみりえさんが魅力的だ。ちょっと内田恭子キャスターに似ているところもあって、どちらもファンである。末長く続いてほしいコーナーである。

10月9日の金曜サロン、昼は中倉彰子女流初段、夜は渡部愛ツアー女子プロの担当だった。中倉女流初段は、第2子の赤ちゃんにまだ手がかかると察するが、駒込サロンには完全復帰したようだ。
中倉女流初段とは3局目の対局。前回は、女流棋士には珍しい「ひねり飛車」の戦形となった。さて本局は…。
▲7六歩△8四歩▲2六歩に、中倉女流初段は△8八角成!
私との対局ではなぜか相居飛車志向の中倉女流初段、本局は1手損角換わりできたかと思いきや、10手目にダイレクト向かい飛車に振られ、またも私は驚いた。あとで関係者から聞いた話だが、中倉女流初段は、LPSAでも屈指の序盤巧者らしい。左隣りの将棋を見ると、こちらも上手の角換わりダイレクト向かい飛車である。そんな中倉女流初段をうかがうと、その貌は真剣である。
しばらく進むと、中倉女流初段はさらに△9二香と上がる。これは本気で来てるな、と思った。
その気迫に押されたわけでもないが、それに対する私の作戦がやや中途半端だった。▲4七銀と立ったのに、そこから▲7五歩と突いて玉頭位取りにでている。しかもその中途で飛車の取りあいになったため、こちらの陣形が上擦ってスキだらけ。6六と8六に空間があるので、▲6七金右と締まり、△2九飛成と桂を取った手には▲8七銀の辛抱を余儀なくされ、泣きたい気分になった。
終盤はこちらも盛り返し、面白くなった局面もあったのだが、中倉女流初段の力強い指し回しに押し切られた。
最後は△8五金と、詰めろ逃れの詰めろを指されて、投了。こちらは4二に作った馬が、以後1手も動かなかったのが痛かった。
指導対局とはいえ、負ければおもしろくない。私は「この投了図が美しいので…」と理由をつけて盤面を崩さず、感想戦は回避させてもらった。本当は感想戦がいちばん勉強になるのだが、最近は負けるとアタマに血が上って、まともに感想戦をすることができない。相手がうるわしい女流棋士でもそれをしないから、私は強くなれないのだ。
前回の中倉女流初段との対局のときは、私は将棋に没頭し、中倉女流初段に目をやる余裕がまったくなかったのだが、今回は何度かチラ見した。綺麗だった。
中倉女流初段に将棋を教えてもらいたい将棋ファンは全国にたくさんいる。その方々には申し訳ないが、これからも私は可能な限り、中倉女流初段に指導をいただくつもりだ。現在の私にはそのくらいしか楽しみがないわけで、どうか大目にみていただきたい。
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金曜サロン・松尾香織女流初段⑤

2009-10-30 00:46:17 | LPSA金曜サロン
10月2日のLPSA金曜サロン、夜は松尾香織女流初段の担当だった。
前回9月11日の指導対局では、中盤でこちらが圧倒的優勢だったのに、私がスットコドッコイな手を連発して、好局を棒に振ってしまった。扇子サイン獲得のためには、もう負けられぬところである。
席にすわり、駒に手を触れずに待っていると、回ってきた松尾女流初段がそれを見て、
「一公さんて、意外と礼儀正しいんですね」
と言いながら、王をピシッと5一に置く。
このブログを開設してから、私を変態だと捉えるLPSA女流棋士が多くなった気がするが、これは重大な誤りで、私は女流棋士の前では、いたって紳士である。
対局開始。☗7六歩☖3四歩☗6八玉。ここでゴキゲン中飛車志向の☖5四歩なら、角交換から☗5三角で早くも有利(☖3三角には☗7七桂がある)。そこで松尾女流初段は☖4四歩と角道を止めてきたが、ここから飛車を振ってくれれば、こちらも振り飛車対策がラクになる。ところが松尾女流初段は8手目に☖6二銀と上がった。矢倉を目指した手だ。
LPSAの女流棋士で矢倉を指すのは中井広恵天河、石橋幸緒女流王位ぐらいしか思い浮かばないが、松尾女流初段の矢倉も、「松尾矢倉」として、ごく一部で恐れられているらしい。だがこちらも望むところである。
私は早囲いを目指したが、上手が☖7五歩と歩を交換してきたので、☗6五歩と指し、数手後、☗7八飛と回った。その飛車が7五→6五→6一と動き竜になったのだが、☖6二飛とぶつけられ、飛車交換となった。せっかく作った竜だったので敵の飛車と交換はしたくなかったのだが、☗8一竜だと☖6五歩がうるさい。局後松尾女流初段は、「じゃあ本音を言いましょうか。それ(☗6二同竜)が正着です。(私はそれがイヤでした)」と言った。
以後一進一退の攻防が続いたが、☖5六歩と突き出した手に、☗4六角と上がった手がどうだったか。以下☖5五銀に、4五の銀で☗4四銀と上手の角を1手早く取ったものの、☖4四同銀に☗7九角と後手を引くことになっては忙しくなった。以下は☖7七歩から怒濤の寄せを喰らい、悔しい敗戦となった。
☗4六角では、むずかしいが、☗5六同銀と、じっと歩を払っておくところだったかもしれない。
本局では珍しく感想戦を長めにやったのだが(といっても短いが)、松尾女流初段と私との大局観の違いが如実にでた。中盤、私は遊んでいる3七の銀を☗3六銀と活用したのだが、松尾女流初段は、☗2五桂と、駒をはがしにこられるのがイヤだったという。先の竜飛交換でのやりとりでも、お互いの形勢判断に微妙な温度差があった。
ではどちらが正しかったかといえば、これは勝った松尾女流初段のほう、ということになってしまう。つまり自分の大局観の正しさを証明するには、勝たなければならないということだ。
いずれにしても、これで松尾女流初段との扇子サイン勝負は2連敗となった。最後は、
「ワタシが(サイン勝負の)ストッパーになります」
とまで宣言されてしまった。実力者・松尾女流初段に本気を出されると厄介だ。やはり前局でしっかりと勝っておくべきだった。マズイ人を目覚めさせてしまったと思った。
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金曜サロン・神田真由美女流二段④

2009-10-29 00:06:41 | LPSA金曜サロン
10月2日のLPSA金曜サロン、昼は神田真由美女流二段、夜は松尾香織女流初段の担当だった。
この日の神田女流二段は黒のセーターを着用し、シックな装いであった。若い。
「一公さんとはこの前、相居飛車でしたよね」
と言う。前回の対局は7月31日で2ヶ月前だったが、そのときの戦形を覚えておられたことにビックリした。神田女流二段がこのブログの過去記事を読むわけがないから、純粋に私との将棋を記憶していたことになる。さすがは女流棋士だと、私は大いに感心した。
対局開始。神田女流二段には、6月の指導対局で、私の四間飛車を完膚なきまでに叩きのめされたので、もう飛車を振る気がしない。こちらが居飛車を明示すると、神田女流二段は角道を止めてきた。
ほかの将棋を見渡すと、神田女流二段が振り飛車の将棋もある。私には、神田女流二段は居飛車党というイメージがあったので、これは意外だった(後日、神田女流二段のプロフィールを見てみると、「居飛車も振り飛車も指すオールラウンドプレーヤー」とあった)。
私はどちらかというと、対振り飛車のほうが勝率が高い。と、神田女流二段は向かい飛車に振ってきた。今回は神田女流二段の振り飛車デーだったのか、それとも前回の戦形と、わざと違う形にしてくれたのか…。いずれにしても神田女流二段との指導対局では初めての戦形で、新鮮な感じがした。
私は急戦を狙いたいが、△2二飛の前(だったと思う)に、△3五歩を突かれたのはマズかった。これで▲3七桂の活用が難しくなってしまったからだ。
しかし神田女流二段も△3四銀の守りを怠ったため、こちらが▲4七銀から▲3六歩と突き返した手が存外厳しく、作戦負けを撥ね返したと思った。
以下も一進一退の攻防が続いたが、なんとか神田王を押し切ることができた。
結果的には、位の確保を怠ったスキを衝いた私の動きが珍しく機敏で、勝利の遠因になったようだ。
残る課題は、神田女流二段に振り飛車で勝利することである。
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船戸陽子女流二段を、3日連続で拝見する

2009-10-28 00:35:58 | 女流棋士
昨日27日(火)は、本屋に注文していた「VIBES」のバックナンバー8月号を引き取りに行ってきた。カバーガールが月見栞のものである。現在は11月号が発売中だが、そのカバーガールと比べると、やはり月見栞は格が違うなと思う。大駒1枚違う感じだ。なんで3ヶ月前にすぐ購入しなかったのか、いまでは首を傾げてしまう。
今回はたまたまバックナンバーが残っていたから事無きをえたが、将棋の場合は、待ったは利かない。手拍子で指した手が悪手になるケースは山ほどある。時間に余裕があれば、たとえ絶対手でも読みを入れて、慎重を期することが大切である。

LPSA金曜サロンでは、女流棋士の指導対局担当は原則的に月1回だから、ふつうに考えれば、私がそれぞれの女流棋士にお目にかかれるのは月1回となる。
しかしこれが、そうでもない。LPSAは毎月1dayトーナメントを行っていて、そのうち何回かは公開対局になるから、お目当ての女流棋士に遭遇できる確率は高い。
また日レスインビテーションカップや天河戦、マイナビ予選も公開対局だし、各種将棋まつりもある。その気になれば、けっこうLPSAの女流棋士とは何回もお会いできるのだ。
中でも、船戸陽子女流二段はよくお目にかかる。船戸女流二段はソムリエの資格を持ち、そちらも立派な本業だから、将棋のイベントには顔を出さないイメージもあるのだが、これがまったく逆で、船戸女流二段ほどLPSAのイベントに名を連ねている女流棋士はいない。事実今年も私は上記のほかに、将棋ペンクラブ大賞贈呈式や、社団戦のLPSAブースなどでもお目にかかった。
だからイベントが重なると、連日船戸女流二段を拝見することもある。そこで思い起こすと、3日連続で拝見したケースが、いままでに2回もあった。
1回目は昨年の11月である。12日(水)、駒込サロンで行われた、第19期女流王位戦第5局解説会の聞き手。13日、東京・新宿のカフェバー「Who’s who」で行われた「女流棋士との将棋TIME」。そして14日の金曜サロン、の3日間である(残念ながら、「Who’s who」は今年の6月20日に閉店した)。
2回目は今年の9月で、25日の金曜サロン、26日の日レス杯聞き手、27日の社団戦LPSAブース、の3日間であった。
以上計6日間で、船戸女流二段と私的なお話をさせていただいたのは、9月25日の指導対局後くらいだったが、ファンとしては、遠くから拝見するだけで十分満足なのである。
ここで肝心なのは、これらのイベントは、LPSAが設立していなければ、「すべてなかった」のだ。さらに言えば、肝心の船戸女流二段がLPSAへ移籍しなければ、船戸女流二段を目にすることもなかった。
船戸女流二段は、かつてファンクラブイベントで、LPSAの居心地を「パラダイス」と表現した。それは本心だったろうが、リップサービスもあったかもしれない。また本心だったとしても、現在は心変わりをしているかもしれない。
しかし私は、いままでの船戸女流二段の活動を感動的なくらいに評価しているし、また船戸女流二段本人も、ソムリエの仕事も大事だけれど、将棋関連の仕事を第一に、と捉えているのではないかと思っている。
船戸女流二段にはこれからも、対局、普及、ソムリエの仕事と、充実した日々を送っていってほしい。

というわけで、これが200回目の記事となる。昨日は中倉宏美女流二段が登場したし、本日は船戸女流二段と月見栞が登場した。節目にふさわしい人選だったと思う。もっとも船戸・中倉の両女流二段からは、「あの女優といっしょにしないでください!」と、クレームが飛んで来そうだが。
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君は中倉宏美を見たか

2009-10-27 00:19:36 | LPSA金曜サロン
23日のLPSA金曜サロンは、昼が大庭美樹女流初段、夜が中倉宏美女流二段の担当だった。
午後2時50分ごろサロンに入ると、大庭女流初段が4面指しを行っており、会員同士の対局も2局指されていた。なんとなく…だが、これでもいつもより人数が多い気がした。
この日の大庭女流初段は黒を基調とした服装だったが、前面にカラフルな色が組まれたオシャレなデザインで、よく似合っていた。もちろん大庭女流初段にも指導対局をいただきたかったが、今回はこちらも金曜リーグ戦に気合を入れ過ぎて時間を割いてしまい、残念ながら見送りとなった。
午後4時20分ごろ、中倉女流二段がいらした。このとき私はたまたま空き時間で、入り口付近のところで中倉女流二段を拝見した。
ハッとする美しさに、目が覚めた。
「VIBES」を見過ぎたわけではないが、ナナメ40度からこちらを見た中倉女流二段の姿がストップモーションとなって私の網膜に映る。白を基調としたブラウスに黒のスカートという、平凡といえば平凡ないでたちなのだが、そこはかとないしっとり感がある。まるでグラビアの中のワンカットを見た思いだった。このように古風な色気を醸し出す女流棋士は、女流棋士会も含めて中倉女流二段しかいない。LPSAには貴重な戦力が在籍していると、あらためて思う。
5時30分になり、大盤解説の時間になる。中倉女流二段が、
「一公さんがいるので、今日は船戸さんとの将棋にします」
と、笑いをかみ殺しながら言う。その笑顔が魅力的だ。
私も苦笑する一手。どの将棋が解説されても構わないのだが、たしかに今回選局された20日の女流王位戦は、拝見したかった。
その将棋は中倉女流二段の後手三間飛車に、船戸女流二段の居飛車穴熊。中盤までは中倉女流二段も十分指せていたが、終盤は船戸女流二段ペース。しかし終盤の寄せ合いで中倉女流二段にも一瞬のチャンスが生じたものの、それを生かせず、中倉女流二段、無念の敗退となった。
今回は私のファンランキング1位と3位の対戦で、どちらを応援するか、本当に悩んだ。先日のエントリではああいう書きまわしになったが、敗れた中倉女流二段は女流名人位戦リーグに専念すればいいし、船戸女流二段は、引き続き女流王位リーグ入りに全力を尽くせばいい。どちらもいままでどおり、ポジティブに活動すればいいということだ。
さて、中倉女流二段との指導対局である。このときの模様は日をあらためて書くが、中倉女流二段久々の夜の担当だというのに、意外と会員の入りが伸びず、指導対局は最終的に10人前後だったのではなかろうか。
この数字をどう見るか。たとえば9日の女流棋士会・金曜ナイトスクールは、ゲストに矢内理絵子女王が登場したが、あちらの客の入りはどうだったのだろう。
「私は将棋の勉強に行くわけで、指導棋士のメンツは関係ありません」
という硬派ばかりなのかもしれないが、全国区の女流棋士が担当しても、あまり集客に変化がないとすれば、それはそれでさみしいことだと思った。
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