一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

大野・植山教室、新システム

2016-08-28 11:34:33 | 大野・植山教室
9月からの「大野・植山教室」のシステムを紹介しておく。

●土曜教室 第1・第3土曜日 13時~18時 
●日曜教室 第1・第3日曜日 13時~18時 

【入会金】無料
【参加費】
◎大人…1回 5,000円
◎小・中・高校生…1回 3,500円
(初めての大人の方は3,000円、初めての小・中・高校生・大学生・女性は2,500円)
◎土曜教室と日曜教室を合わせ、2回以上の参加は月謝制となる。
・大人 2回8,500円 3回12,000円 4回15,000円
・小・中・高校生 2回6,000円 3回8,000円 4回10,000円
(女性・大学生は上記大人料金から1,000円引き)


●金曜教室 第2・第4金曜日 18時~22時

【入会金】 無料
【参加費】
◎大人…1回 3,500円
◎小・中・高校生…1回 2,500円


※全クラス共通の年間フリーパス…160,000円


●子供教室
小・中学生の未経験者から級位者までのクラス。初段になると「卒業」となる。
●月曜子供教室 第2・第4月曜日 18時30分~19時45分
●土曜子供教室 第1・第3土曜日 10時30分~12時15分 

【入会金】無料
【月謝】
2回 5,000円
3回 7,000円
4回 8,000円
(子どもと同レベルであれば、親1人につき1回1,000円で、親子での参加も可能)


以上が教室からの発表である。
金曜教室が新設されたのが目を惹く。会社帰りに1局、という時、便利だ。かつてのLPSA金曜サロンの再来となるか? しかし講師が女流棋士でないのが難点だ。
年間フリーパスはどうか? 教室の常連なら、一考の余地がある。
1点不明なのは、土・日教室大人料金の「月謝」。1回料金で5,000円を払った後、同じ月にもう1回お邪魔した場合、その支払い料金は、2回料金・8,500円から5,000円を引いた3,500円でいいのだろうか?
現在の教室はそのシステムなので、恐らく踏襲すると思うが、分からない。
9月中旬に新たなホームページが開設されるらしいので、詳細はそちらをご覧ください。
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8月20日の大野・植山教室ファイナル(4)

2016-08-27 23:24:15 | 大野・植山教室
Og氏が気を利かして私とU君の手合いを付けてくれたが、U君は帰ってしまった。
…というわけで、Og氏が私に教えてくれることになった。
もちろん私の先手で、▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩。Og氏がふつうに振り飛車にするかと思いきや、ツノ銀にしたりして、態度をはっきりさせない。結果、Og氏の四間飛車になったが、△6三銀を△7二銀と引いたので2手損。だが、それで上手(後手)がわるくなるほど将棋は単純でない。
むしろ私が(△6四歩に)▲6六歩と突いてしまったので、仕掛けづらくなってしまった。
迎えて第1図。ここがポイントの局面だった。

第1図以下の指し手。▲1五歩△5二銀▲2九飛△1二香▲6五歩△同歩▲4五歩△同歩▲3三角成△同桂▲3二角△6四角▲4一角成△同銀▲3八銀△3五歩▲2六飛△4六歩(第2図)

私は▲1五歩と突いた。▲4五歩と仕掛けたいのはヤマヤマだが、角の応援がないのが不満だ。以下△同歩▲同桂△5一角▲2四歩△同歩▲2三歩でどうか。
ちょっとはっきりしないので▲1五歩と待った。△7三桂ならそこで▲4五歩を考えたのだが、△5二銀と飛車先を通され、それまでの読みが水泡に帰した。
△1二香に指す手が分からず、▲6五歩と仕掛けたが、これは明らかに無理筋。
▲3二角に、「ここはとりあえず置いておくところでしょう」と△6四角と置かれクサッタ。
▲3八銀や▲4八銀では△4六歩があるので私は飛車を取ったが、こんな飛車いらない。
次の▲3八銀では、▲4八銀だったか。
△3五歩~△4六歩で上手好調。

第2図以下の指し手。▲5八金△3六歩▲同飛△3五歩▲2六飛△3六角▲6八玉△4七歩成(投了図)
まで、Og氏の勝ち。

▲5八金はひどい利かされで、またクサッタ。
△3六角に▲6八玉ではまだしも▲6八金引だったが、銀が動くと△3七角成のネライがあり、下手陣はもたない。本譜も△4七歩成までで投了した。

感想戦。第1図ではやはり▲4五歩だった。以下△同歩▲同桂△4二角(これはOg氏の手)▲2四歩△同歩▲2三歩で、下手も指せる。ああ、こう指すべきだった。
また本譜▲6五歩では、▲5八銀△7三桂▲4九飛とし、次に▲4五歩△同歩▲同飛と決戦する手があったという。こういう仕掛けがあるなんて、私は全然分からなかった。
Og氏と対局すると、感想戦でナルホドと唸らされる手が多い。本当に勉強になる。
なお第2図で私は▲4九飛を示したが、パッとしなかった。

これにて今日の将棋は終了。6局指して2勝4敗はやや不満が残る。
さて、食事である。すると教室を出たところで、大野八一雄七段が用紙をくれた。見ると、教室の新料金表だった。
一部を示せば、1回の大人料金が、3,500円から5,000円に値上げされていた。ついに来るときが来たか、という感じである。
食事のメンバーは、大野七段、W氏、Og氏、Ok氏、Taga氏、Kom君、私の7人。久しぶりにサイゼリアに入った。
では、席の配置を記しておこう。

  Taga Ok 大野 Kom

   W   一公  Og
      壁

Kom君は仙台からの来席で、小学生。今日は特例で大野宅に泊まるらしい。大山十五世名人をそのまま小さくした感じで、彼はにこにこ笑っている。
私は鶏肉料理を頼む。ドリンクバーも付けたが、これも久しぶりだ。
食事をしながら談笑する。Kom君も話の輪の中に入れているつもりだが、つい脱線して、彼を置いてきぼりにしてしまう。
Ok氏が将棋を指そうとしているが、サイゼリアはゲーム類は厳禁である。その点ジョナサンはホント、私たち将棋バカに理解があった。
…というところで大野七段とW氏から、超ド級のニュースを聞いた。
驚く私を尻目に、
「あれ? 大沢さん、知らなかった?」
とW氏。
「うん」
「オレたちは1か月半前から知ってたけど…。大沢さん教室に来ないから」
「……」
まあなんですな、男女の仲は分からない、ということで。いずれ他の将棋ファンにも知れ渡ることになるだろうが、でも話題になるかどうか。意外とスルーされそうな気もする。
Og氏がW氏の席に移り、私がKom君の前に来た。せいぜい楽しく会話したつもりだったのだが、私の話題がつまらなかったのか、Og氏の横に避難してしまった。
私の子供嫌いが顔に出てしまったようだ。
大野七段とW氏に、今後の将棋教室について聞く。1回料金は42%の値上げだから、かなり強気である。が、2人にその意識はないようだ。料金改定は9月から適用とのこと。場合によっては、教室名も変えるという。
まあ結局、料金が変わっても行く人は行くし、行かない人は行かない。
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8月20日の大野・植山教室ファイナル(3)

2016-08-26 00:05:32 | 大野・植山教室
(23日のつづき)

第2図以下の指し手。▲5四歩△5二金▲5八飛△1三角▲7八玉△8八歩(投了図)
まで、植山七段の勝ち。

私の狙いは▲6四角。敵飛車の横利きが消えれば▲4三銀打が厳しい。これは中途半端な▲3四銀の顔が立つ。
しかし現状では▲6四角に△8七飛成がある。そこで▲7八玉が考えられるが、私は欲張って▲5四歩。さらに▲5八飛と回った。
しかし植山悦行七段の△1三角~△8八歩が厳しく、気が付いたら収拾不可能になっていた。しばし考えて、投了。植山七段が苦笑いした。

投了図は▲5四歩が飛車の直通を遮り、▲5八飛が玉飛接近の悪形になっている。
仮に▲8八同玉は△8六飛▲同歩△6九角の飛車取り詰めろで下手負け。また▲7七桂△8九歩成は次に△7九金以下の詰めろで、▲8九同玉△8六飛▲同歩△6九角▲5九飛△8八歩で下手負け。つまり▲5八飛のココセで一気に負けにしたというわけだった。
感想戦。▲5四歩ではやはり▲7八玉がよかったという。以下A△7五歩▲同角△7四金▲9七角でどうか。これは私も読み筋で、むずかしい戦い。
またB△8六飛▲同歩△6九角▲7八銀△4七角成▲3九飛は、次に▲8三飛を楽しみにして、下手も指せる。
何はともあれ、▲7八玉だった。
植山七段「△6四銀には、▲6六銀と指してほしかったんだよねえ。それで△4四銀に▲4六銀と対抗する将棋を指したかったんだよ。だからこっちも△7三銀と早めに上がったのに…」
そういう将棋か…。私にはほとんど浮かばなかった。

4局目は新規のお客さんと。駒を並べながら、
「社団戦には出たことありますか?」
と聞かれたので、「ときどき…」と答えたら、すかさずW氏から
「アンタ『ときどき』っていうレベルの参加じゃないでしょ」
と突っ込まれてしまった。5年ぶりに1回参加しただけでは、「ときどき」にならないようだ。
本局は、もうひとりの新規さんが棋譜を取った。なかなか熱心である。
対局開始。私が先手で▲7六歩△3四歩▲2六歩△4二飛。私は一公定跡の▲6六歩。以下新規氏が穴熊に潜ったが、記録係氏に対局がつき、対局者自らが棋譜を取ることになった。
私は行きがかり上、玉頭位取りにした。やがて戦いが始まり、私は桂得を果たして有利になった。その桂を△3六に、金銀両取りに打てばよかったのだが、僻地に桂を打って銀を取りにいったのが筋悪だった。

大盤では初級者講座が行われているが、私たちは中断するわけにはいかない。
第1図から新規氏は△6九角と打ったが、チャンスを逸した。私は▲4三馬と引き、以下▲5八銀と角も殺して、新規氏の攻めを余して勝った。
感想戦。第1図では△3六歩と伸ばされるのがイヤだった。A▲4三馬△3七歩成▲3四馬△2八とは先手悪いので、B▲2五飛△3七歩成▲3五歩△4七と▲3四歩となろうが、実戦だったら飛車を取り合っていたかもしれない。

5局目はS君とのリーグ戦。これも2戦目だが、やはり前局は私が負けている。
私の後手で、矢倉模様になった。私は植山七段の指し手を真似、急戦矢倉を志向する。

しかし第1図で△3三角と指したのがマズかった。以下▲4六銀△5五歩▲同歩△同銀▲4五銀△7三桂▲5六歩△6四銀▲3四銀と進んで後手難局。
以下2筋を破られ、最後は▲2三銀と飛車角取りに打たれたところで投了した。
Og氏を交えた感想戦では、私が△3三角をヤリ玉に挙げた。こう上がったため、後のアタリが強くなって、悪くなった。
Og氏の意見は、第1図で△7三桂。以下▲4六銀△5五歩▲同歩△同銀▲4五銀△8五桂で、後手も十分に指せていた。
改めて△3三角が敗着。急戦矢倉でこんなひるんだ手を指してはいけないのだ。
Sar君に続いてS君にも惨敗し、明日21日は教室に来ないので、今回のリーグ戦は2勝7敗で終了となった。
途中から顔を出したU君は、Homma君と指していた。双方秒読みの熱戦で、終わったようなので見に行くと、Homma君が勝っていた。気鋭のU君に勝つとはすごい。
その終了図を載せておこう。

激闘の後が窺われるではないか。
(つづく)
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8月20日の大野・植山教室ファイナル(2)

2016-08-23 19:37:48 | 大野・植山教室

第4図以下の指し手。▲2五同飛△同歩▲5四桂△5二金▲5三桂成(投了図)
まで、84手で一公の勝ち。

私はすぐにでも▲2五同飛と取れたのだが、一拍置いた。もっとも、大野八一雄七段がこちらに戻ってきた時は、すでに着手済み。「やっぱりそう指したか」という顔だった。
△2五同歩に▲5四桂が詰めろ。大野七段は△5二金とよろける。そこで私は▲5三歩を考えたが、以下の手順がややまだるっこしい。それより▲5三桂成が明快と思った。何より、取られそうな桂を成るのが爽快ではないか。
それでそう指したら、投了してくれた。

投了図は、3枚の桂が上手玉を包囲しており、けっこう珍しい。蛇足ながら投了以下△5三同金は、▲2二歩成(好手)△4一玉▲3一と△同玉▲4二銀△2二玉▲2三金まで詰み。手順中どの変化も即詰みになることを確認されたい。
感想戦。大野七段は、第2図の△9三桂を後悔した。下手の▲7七桂と交換する手はなかったという。
さらに第3図以下の△5五金も検討に上がった。ここは△5五銀だったかと言う。たしかに銀なら、私も角を切りにくかった。ただ、玉から遠い駒を中央に活用するのが自然なので、銀が出にくい意味はあった。
「ずぅっと苦しいと思って指していました」
と大野七段。だが私のほうも、ずっと難しいと思って指していた。最後の▲5三桂成を指した時も、以下△3四歩▲5二成桂△3五歩▲3四金で下手優勢か? と考えていたくらいだ(△3四歩には▲4三金で詰み)。
ともあれ1局勝ててホッとした。最近は将棋の勉強が不足していて、とても勝てる状態ではなかったからだ。
2局目はSar君とリーグ戦。星を見ると私は2勝5敗で、完全な消化試合だ。もっともリーグ戦も、優勝賞品目当てで指しているわけではない。
一人につき2局指すので、今回は私の後手。Sar君の先手中飛車になった。
またこの戦法か…。さすがにウンザリしているのだが、私が負け続けているのだから、文句も言えない。
本局もSar君に気持ちよく攻められ、模様が悪い。
角交換の後、Sar君▲4四歩。この垂らしが絶妙だった。捨て置けば▲5五歩と打ち、△5四の銀を殺す。さりとて△5三の銀で△4四同銀は、▲7一角の飛車銀両取りだ。
私は苦しくなって暴れたが、形勢は挽回できない。
第1図の局面で3時休み。

植山悦行七段がいらした。
「久しぶりですね」
私は恐縮するばかりである。軽く雑談をしたが、私のほうによそよそしさがある。最近教室にあまり来ていないので、私自身の感覚はもはや「ゲスト」だ。
私は頭の中で今の将棋を考える。第1図の前は▲7四銀(桂取り)△(7七から)4四馬▲7三銀成でこの局面になったのだが、▲7四銀では大技の▲4五銀もあり、それでもこちらが投了級だった。
もっとも第1図も、後手がわるい、もう投了しちゃおうと思ったくらいだ。
今日は級位者の日なのでこの時間を利用してミニ講座があるが、助手のW氏がまだ出勤しておらず、夕方に持ち越しとなった。
私は休憩中、自分の将棋を考えていたが、読めば読むほどわるくなり、イヤになった。再開後、△5七歩以下数手指したが、駒損は角損まで拡がり敗勢。さすがにバカバカしくなって投げた。
感想戦。
「△6三金は上がる必要がなかったんではないでしょうか。桂頭を攻められたら△6五桂と跳ねればいいですし…」
とSar君。私は、はいはい、と頷くよりなかった。
今日はHon氏が来ていないが、時刻は午後4時近くになっていて、さすがに休みのようだ。
3局目は植山七段に教えていただく。もちろん平手である。▲7六歩△8四歩。以下矢倉模様になったが、植山七段は後手番矢倉では、100%急戦でくる。本局は早くも△7三銀。▲6九玉に△6四銀と出た。屋敷流だろうか。
私は▲7九角を考えたが、歩越し銀には歩で対抗、と▲6六歩。とたんに植山七段が
「ガーッ!!」
と叫んだ。「ダメだなぁ……!!」
植山七段は頭を抱える。「ここは▲6六銀の一手でしょうよ!!」
呆れるように続けた。
植山七段にここまで激怒されたのは初めてだが、▲6六歩は消極的だったか。
私は▲3八飛。これも常識ではあり得なかったようで、今度は植山七段に苦笑された。
私は早くも意気消沈だが、もっともこれで悪くなったわけではない。以後は私もよく指して、第1図の局面を迎えた。

第1図以下の指し手。▲5六歩△4四歩▲3四銀△5六銀▲同金△同飛▲6七金△5三飛▲9六歩△8五歩▲9七角△8六歩▲同角△8三飛(第2図)

第1図は私が指しにくい。だが金銀交換の後、▲9六歩と、角をこちらから使う構想がなかなかだった。
ああそれなのに、第2図から6手で終わる。すなわち、私が投了した。

(26日につづく)
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8月20日の大野・植山教室ファイナル(1)

2016-08-22 19:56:42 | 大野・植山教室
昨日の全国高校野球決勝戦は、作新学院7-1北海で、作新学院の勝ち! 54年ぶりのうれしい優勝となった。北海高校は残念だったが、準優勝は誇れる成績である。両校とも、お疲れさまでした。渡部愛女流初段も、お疲れさまでした。


20日(土)は午前中、自家用車に乗ったのだが、このクルマは久しぶりの運転だったので感覚が掴めず、車庫出しの時、右の軽トラックに接触してしまった。バンパーを激しく壊してしまい、取り返しのつかないことになってしまった。

このまま家にいても陰鬱になるので、午後から「大野・植山教室」に行った。1時20分ごろに教室に入る。と、ほぼ同時に見知らぬおっちゃんも2人入ってきた。
ここに来る途中で私が抜かしてきた人だ。大野八一雄七段はうち1人を知っていた。1年前にここを訪れた人で、その人が新規の友人を連れてきたというわけだった。
今日のほかの生徒は、Taga氏、E氏、Ok氏に、Homma君、S君、Sar君ら。見知らぬお母さんがいたが、新規の小学生の付き添いだった。こうして大野・植山教室は、ますます発展していく。
なお、今日はFuj氏が休みとのこと。私はまず、大野七段に教わることにした。

第1図までの指し手。△5四歩▲7六歩△6二銀▲5六歩△5三銀▲2六歩△4二玉▲2五歩△3二玉▲2四歩△同歩▲同飛△5二金右▲3六歩△4二金上▲4八銀△6四歩▲3七桂△2三歩▲2八飛
△8四歩▲4五桂△4四銀▲4六歩△8五歩▲7八銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛▲5七銀△6三金▲6八玉△7四金(第1図)

右ではE氏が飛車落ちで挑んでいた。駒の損得はないのだが、下手の角の頭には△8六歩が垂れ、飛車の近くにはと金が出来ている。
大野七段△4六桂と金取りに打つ。駒の効率が違い過ぎて、どう見ても上手必勝である。E氏、▲5五銀と角を取ったが、それを△同歩と取ったのが大野七段の小ミスだった。▲3五角と△6二への王手を打たれ、△5三銀に▲4六角と、打ったばかりの桂を取られてしまったからだ。△5五同歩では△5八桂成▲同金を挟むべきだった。
とはいえ大野七段の勝勢に変わりはない。それまでの差が開きすぎていた。
さて本局。相居飛車はいつものこととして、久しぶりに▲3七桂の早跳ねをやってみた。
しかし△8五歩に▲7八銀と上がったのがミス。▲7八金と上がらねばならなかった。

第1図以下の指し手。▲7七桂△9四歩▲6六銀△6二飛▲8六歩△6五歩▲5七銀△8二飛▲8七銀△6四金▲7八金(第2図)

次に△6五金と出られたら終わる。▲7七銀には△8七飛成があるからだ。それを防いで▲7七桂と跳んだが、こんな手を指さざるを得ないようでは失敗だ。ちなみにふつうに▲7八金と上がっていれば、△7四金に▲6八銀△8五金▲7七銀が間に合っていた。
私は▲6六銀と上がったが、これも疑問。というのは、▲7五銀△同金▲同歩でも、▲7五歩△8四金でも、7六の地点が空くと、△4五銀~△7六桂が生じるからだ。どこまでいっても▲7八銀の罪が大きいのである。
大野七段は△6二飛。私はすぐに▲8六歩と突く。△6五歩▲5七銀で撤退を余儀なくされたが、これは構わない。
△8二飛に▲8七銀と上がり、悪形が解消できて、とりあえずホッとした。

第2図以下の指し手。△9三桂▲9六歩△8五歩▲同歩△同桂▲8六歩△7七桂成▲同角△1四歩▲1六歩△8一飛▲5八金△7四歩▲2四歩△同歩▲同飛(第3図)

私の右にはS君が入った。手合いは香落ち。研修会員のS君らしい要望である。
将棋は相振り飛車になった。居飛車党のS君が飛車を振るとは珍しいが、これなら端攻めをされる心配がない。が、自分の得意(居飛車)も封じてしまって、この取引は果たして得をしているのか?
S君はよく考えたほうがいいと思う。
本局――。大野七段は△9三桂と跳ねた。私は端を突いて待ち、大野七段は△8五歩。以下桂交換になったが、私は負担の桂が捌け角にも陽が当たって、ずいぶん視界が開けた。さっきの閉塞感を思えば夢のようである。
△7四歩は、次に△7五歩▲同歩△7六歩▲同銀△8四桂を狙っている。
ぐずぐずできない私は、▲2四歩と合わせた。

第3図以下の指し手。△6六歩▲同角△5五歩▲同歩△2三歩▲2九飛△5五金▲同角△同銀▲2四歩△同歩▲2三歩△5六歩▲4八銀△4四歩▲3五桂△2五桂(第4図)

▲2四同飛は、△2三歩なら▲4四飛△同歩▲同角のネライ。しかし駒損の攻めだし単調なので、こう進んでも自信はない。
「なんかダサイ攻めだけど…」
と私がつぶやくと、大野七段は
「イヤイヤ…(けっこうイヤな攻めですよ)」
と返し、△6六歩と紛れを求めて来た。△2三歩▲2九飛に、△5五金。私はよろこんで▲同角と取る。さっきまで蟄居していた角だから、金と交換になるならオンの字だ。
△5五同銀に▲5六歩は、△同銀▲同銀△3八角を心配した。もっとも、▲5六歩に△4四銀と引かれてもおもしろくない。そもそも5筋の歩は、5四に打ちたいのだ。
それで、▲2四歩と突き捨て、▲2三歩と垂らした。
実はこの手に明確な読みがあったわけではない。こう指したら上手が嫌がるんじゃないか、と思ったのだ。よって、△2三同玉と図々しく取られたら、継続の手が分からなかった。
大野七段は△5六歩を利かして△4四歩。玉の懐を拡げつつ桂取りで、実はこう指してくると思った。
私は▲3五桂と置き駒を増やす。次の狙いは▲2二金△同銀▲同歩成△同玉▲2四飛だ。
ここ、たんに▲2四飛は、△1三角が気になった。何かの時の△4六角が王手になる。▲3五桂はその角の利きを前もって遮った意味もある。
大野七段は△2五桂と飛車走りを防いだが、実はこの手も読みの内だった。

(つづく)
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