一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

中村桃子女流1級は、「開運!なんでも鑑定団」アシスタントの青木直子に似ている

2012-11-30 12:48:15 | 似ている
きょう11月30日は、中村桃子女流1級の25歳のお誕生日。おめでとうございます!!
その中村女流1級について、かつて「グラビアアイドルの山本梓に似ている」と書いたことがあるが、きょうはもう一人、「中村桃子女流1級は、テレビ東京系『開運!なんでも鑑定団』のアシスタント・青木直子に似ている」をお知らせしたい。
青木直子は1980年11月8日、栃木県生まれの32歳。スリーサイズはB80・W57・H83。女性のスリーサイズはアテにならぬが、彼女がスレンダーであることは間違いない。
本職はモデルで、「CanCam」などに登場実績がある。ほかにいくつかのテレビ番組の出演があるが、その他詳しいことは分からない。
「なんでも鑑定団」のアシスタント(コンパニオン)は現在、青木直子、新妻さと子、永浜いりあ、橋本かれん、綿引さやかの5人体制だが、青木直子はアシスタント歴12年のベテランである。
彼女は「出張鑑定」が主な活躍の場だが、その司会のメインは松尾伴内や石田靖などの男性なので、彼女の声はほとんど聞いたことがなく、印象に残るのはその笑顔だけだ。
今回、青木直子を調べるにあたって、彼女のオフィシャルブログを確認したが、そのトップページの画像が、私の想像以上に中村女流1級に似ていた。一度確認されたい。
あと、これは番外編であるが、中村女流1級はもうひとり、JR野辺山駅近くにある日本蕎麦屋の女性店員にも似ている。
この店には昨年秋、今年秋と、将棋合宿の帰りに寄った。こうした店では店員の出入りが激しいものだが、今年も彼女の姿を見つけることができ、「彼女、元気だったんだ!」と、こちらもうれしくなったものである。近くに行かれた方は、一度寄ってみるといいだろう。
さて中村女流1級は、ここまで戦った公式戦は60局。将棋人生はまだまだこれからである。いっそうの活躍を期待している。
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木曜日のジョナ研

2012-11-29 12:43:02 | ジョナ研
22日の木曜日は、久しぶりにジョナ研があった。通常は金曜日の開催なのだが、翌23日は祝日で休み。30日(金)じゃちょっと間が空きすぎるということで、異例ながら木曜日の開催となった。
午後7時前、駒込ジョナサンに入る。しかしウエイトレスさんが姿を見せず、1分くらい待たされた。ようやく現れたウエイトレスさんは私イチオシのかわいいコだった。
奥のテーブルに向かうと、Hon氏が先着していた。まずはHon氏と将棋の話。しかし内輪ネタというか自虐ネタに終始する。将棋の内容…指し手の変化が出てくるFuj氏とは、ここが違う。
しばらく経って、Kun氏が現れた。Hon氏とふたりの場合、Kun氏を含めた3人の場合では、やはり会話の内容が異なる。ちょっとマジメな話になる。
やがてFuj氏も現れた。ほかにKaz氏が出席予定だったが、当日になってキャンセル。きょうはこの4人で進行する。
Fuj氏が加わったので、当然のごとく、将棋の話が指し手の話になる。彼はゴシップネタにはほとんど興味を示さないのだ。
とりあえず食事を摂って、引き続きダラダラする。8時半、堪えきれずに、という感じでKun氏が将棋盤と駒を出した。Kun氏、好きですね。まずはHon氏と対戦。Hon氏の四間飛車にKun氏は居飛車で迎え討つ。
今月から蕨駅前で植山悦行七段の将棋教室が始まっている。月2回、金曜開催で大いに食指を動かされるが、どうも子供対象に思える。しかしFuj氏は参加する気満々で、しきりに私を誘う。しかし金曜日はフジテレビ系「アイアンシェフ」がある。
Fuj氏は、「そんなものビデオで観れば」というが、全国のアイアンファンと同じ時間に同じ感動を共有するのがいいのだ。
Hon氏、藤井システム風だがオーソドックスな振り飛車と思いきや、突然△9三桂と跳ねた。これは穴熊相手には有効だが、Kun氏は左美濃系の囲いだ。果たして効くのだろうか。
Hon氏、さらに△8三銀と盛大に離れ駒を作り、△8五桂と歩頭に跳んだ。もう、何が何だか分からない。Honワールド全開である。
しかしこの攻めはさすがに無謀だった。以下Kun氏がうまくいなして、快勝。
負けたものの、Hon氏は毎回何らかの工夫をしてくる。何が飛び出るか分からないから、指しても観戦しても楽しい。感想戦も楽しかった。
続いてKun氏とFuj氏の対戦となった。角換わりの将棋に進む。前日まで行われていた竜王戦第4局に似ているが、最前線の将棋を指すところに、両者の研究の深さが表れている。
Kun氏が指し易いと思ったが、実際はいい勝負のようだ。私とHon氏はおしゃべりをしているが、横目で対局を観戦している。
それにしても対局者の気合がすごい。お互い熟考を重ね、読みの入った手を着手する。まるでどこかの道場で指しているかのようだ。
以下の攻防もおもしろく、形勢は二転三転する。Kun玉は入玉を果たしたが、周りに駒がなく、はなはだ心許ない。
時刻は10時を回っていて、Hon氏は帰る時間だが、あまりの熱戦に席を立つことができない。
Fuj氏がKun玉を追いつめ、Kun氏がFuj玉に王手ラッシュをするが、わずかに詰まない。Fuj氏の制勝となった。終了時刻は10時15分。それを待って、Hon氏の帰宅となった。いつもより15分の遅れで、奥さんに怒られなければいいがと思う。
本局、見ているこっちが疲れたから、指した両者は疲労困憊だったろう。とてもジョナサンで指す将棋とは思えなかった。
残った私たちで11時まで雑談。ここでKun氏は帰宅となる。「ふたりで残って将棋を指したら」とKun氏は勧めてくれるが、Fuj氏とふたりきりで将棋を指すなんてイヤだ。私たちも散会となった。
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三十七たび大野教室に行く(後編)・悪夢を見た

2012-11-28 00:06:28 | 大野教室
二枚落ちの下手を指すのは久しぶりで、考えてみたら高校1年のとき真部一男七段に教わって以来、31年ぶりだった。そのときはガチガチだったが、いまはリラックスしている。当時とは景色も違って見えて、相手に飛車角がないと、こんなに下手がラクなのかと思った。
私は4手目に▲4六歩。真部七段のときはここで▲5六歩と指して、△5三銀▲4六歩に△4四歩を間に合わされ、早くも戦意喪失してしまったのだった。
私は銀多伝を用いる。植山悦行七段は横のソファーにすわってこちらを見ている。植山七段は下手(一公)必勝と見ているようだ。
大野八一雄七段、指し手に窮して、△9五歩、△1五歩と突き捨てる。
「いろいろやるんですよ」
と植山七段が苦笑した。▲1五同歩△同香▲同香△1四歩▲同香△同金▲1九飛。大野七段は泣く泣く△1三香。これは下手がかなりポイントを稼いだ。
しかしさすがに上手はいろいろやってくる。数手後に△8六歩と垂らされ、ゴチャゴチャやっているうち角を取られてしまった。
その角は盤上でアクロバティックな動きをし、△9六馬と香を取る。何だかこちらが劣勢になってきたが、▲6五歩、▲5五歩が上手玉の急所を衝き、まだこちらに利があるようだった。
大野七段△8五玉。私は▲5九の飛をひとつ左に寄る。次に▲6五飛を狙ったものだが、これが大ポカ。大野七段に△6九同馬!と取られ、突然の投了となってしまった。
▲6九飛では▲7六銀と打ち、△9五玉に▲9七歩と馬を殺しておけば、下手が優勢を持続できた。
20秒なら下手にも余裕がある、とタカを括っていたのだが、どこかで冷静さを欠いていたのだろう。
まだFuj氏は来ないので、引き続きもう一局お願いする。今度は大野七段の意を汲んで10秒将棋である。
対局開始。△6二銀▲7六歩△6四歩!▲4六歩△6三銀! さらに△7四歩~△7三玉。これは上手が本気を出してきた。
私は前局に続いて銀多伝を目指したが、上手のちょっかいに、満足に組めない。大野七段、△1五歩。まただ。これが上手の秘手らしい。▲同歩△同香に、今度は▲1七歩と謝る。しかし大野七段は1筋からズンズン迫ってくる。大野七段、△2五桂。私は左辺で別の手を指す。
大野七段、△1七桂成!! あっ、しまった!! そうか、△2五桂には▲同桂だったか! 後悔する間もなく、横から秒読みの電子音が迫ってくる。私はとりあえず指し手を進めるが、完全に自分を見失った。
この後は目についた手を指すばかりで、混迷を極める。こうなってはもういけない。気がついたら綺麗に左右挟撃され、投了に追い込まれていた。
何と…。10秒将棋は上手の土俵とはいえ、こんな完璧に負かされるとは…。
私は呆然としたが、めげずに六枚落ちで申し込む。実はこれにも伏線があって、私たちは「某七段がアマの四、五段相手に六枚落ちの10秒将棋で不敗」という伝説を、かねてから聞いていた。プロの強さは私たちもよく理解しているが、六枚落ちである。これならいくら何でも下手が勝つだろう、なぜ下手が負けるのか分からない、どうやったら負けるのか、上手のマギレを見てみたい等々、Fuj氏などとよく語り合っていたのだ。
いい機会だから、それを大野七段にお願いしたのだ。大野七段も快く??応じてくれ、ついに待望の六枚落ち戦が始まった。そしてその結果は…。
――私が負けた。もう、途中経過を書くのもおぞましい。序盤から上手ペースで、途中からは頭が真っ白になっていた。恥をしのんで、終了局面を以下に記しておこう。これは盤に並べて損はない、悲惨な投了図である。

上手(六枚落ち)・大野七段:1四歩、2三歩、3四歩、4三歩、5四玉、5六金、6七銀、7八金、8五桂 持駒:金、歩3
下手・一公:1三と、1九香、2五歩、2六飛、2九桂、3七歩、3八銀、4七歩、8四角、8六銀、8七歩、8八玉、9三成香、9九銀 持駒:金、歩6
(△7八金まで)

いやはや、プロの将棋の恐ろしさをイヤというほど体感した。もう、この1局だけで3,500円の価値があったといっても過言ではなかった。そしてふだんの指導対局で大野、植山の両七段は、相当緩めてくれている、ということが分かった。
六枚落ち戦の途中でFuj氏が現れたので、みんなで食事に出る。Fuj氏は対局内容を聞いてくるが、私は無視した。食事会のメンバーは、大野七段、植山七段、W氏、Hon氏、Is氏、Fuj氏、Minamiちゃん、私。今夜はクルマでだいぶ走ったところにあるガストに行く。
車内では植山七段が「大沢さん静かだねえ」と声を掛けてくれた。六枚落ちで負けて落ち込んでいる?私への配慮である。
それはありがたいが、私は元もと寡黙である。だが今回はそれが言い訳になってしまう。
店は混んでいて、4人掛けと2人掛けのテーブルに8人がすわったからキツかった。私ははみ出した端っこの席にすわり、ブスーッとしていた。
私は牡蠣の料理にライス・ポタージュのセットを頼む。料理が運ばれてきたが、いつまで経ってもポタージュがこない。
店員に問うと、怪訝な顔である。「あ、これ?」とHon氏が自分の飲んでいるポタージュを指さした。…!! Hon氏、目の前にあったポタージュを、自分の頼んだセットと勘違いして、飲んでいたのだ。
何をやってるんだHon氏。自分の頼んだメニューぐらいは把握しといてくれよ。
きょうは女流最強戦の上田初美女王×室谷由紀女流初段の一戦が行われているが、Fuj氏がその将棋を見たいと所望する。やっぱり来たか。室谷女流初段がタイトル保持者相手にどういう将棋を指すか楽しみではあるが、私は将棋より戦う表情を見たい。
将棋は上田女王の貫禄勝ちだった。室谷女流初段は、最後の数手が余計だった。
きょうはもう一局、将棋日本シリーズの決勝戦が行われ、久保利明九段が羽生善治王位・王座・棋聖を破り、うれしい初優勝を飾った。
大野七段が久保九段に電話をし、W氏に代わった。W氏は久保九段の大ファンで、うれしそうに会話をしている。W氏は棋士との交友範囲が広いが、私は狭い。
私は翌日以降の業務を考えると憂鬱だったが、それでもみんなと談笑して、しばしそのウサを忘れることができた。
今夜は午後10時40分退店。しかし1年が経つのは早い。今年大野教室に行けるのは、あと何回だろう。
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三十七たび大野教室に行く(中編)・悔しい負け

2012-11-27 00:03:37 | 大野教室
25日、出先から帰宅すると、将棋ペンクラブの湯川博士幹事から封書が届いていた。24日に着いていたものらしい。
湯川幹事から通信が来ると、あの鬼瓦を思い出して狼狽してしまう。恐る恐る中を開けると、年末に行われる「将棋寄席」の案内が入っていた。
昨年は出席を見合わせたのだが、「今年は忘れなさんなよ」という湯川幹事のメッセージらしい。
今年は12月24日の開催。なんで聖夜に落語を聞かなくちゃなんないんだと思うが、当日はとくに用事があるわけでもない。今年は出席の意向である。

(きのうのつづき)
(再掲)
上手(角落ち)・植山悦行七段:1一香、1五歩、2三銀、2四歩、3二玉、3三桂、3四歩、4二金、4三金、4四歩、5四歩、6一飛、6四銀、7三桂、7四歩、8五歩、9一香、9四歩 持駒:歩
下手・一公:1七歩、1九香、2八飛、3六歩、3七桂、4六歩、4七銀、4八角、5六歩、6六歩、6七金、7六歩、7七銀、7八金、8七歩、8八玉、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩
(△7三桂まで)

以下の指し手。▲9五歩△同歩▲9三歩△同香▲6五歩△同桂▲9三角成△7七桂成▲同金上△7五歩▲同歩△6五銀▲6六歩△2五桂▲同桂△7六歩▲6五歩△7七歩成▲同玉△3七金▲9八飛△4七金▲9五飛△8六歩▲同歩△8八歩▲同玉△4六金▲8三馬△8一飛▲9二飛成△8三飛▲同竜△5八角▲7七玉△5六金▲同金△7六銀 まで、植山七段の勝ち。

私は▲9五歩と突っかけた。△同歩に▲9三歩。この素朴な垂らしが意外に利いた。次に▲9五香があるので△9三同香だが、▲6五歩以下二枚換えとなった。正確には銀・歩3と桂・香の交換だが、私は馬を作って十分と見ていた。
植山七段は△7五歩以下手順を尽くし、私は手に乗って▲9五飛と捌く。しかし△4七金とボロッと銀を取られたのも大きく、気がつけば金・銀と桂2・香の交換である。これは下手がおもしろくない。
もう少しうまくなる順があったはずだが…と頭の中で局面を戻してみると、△7六歩に▲7八金引きがあった。とてつもない利かされの上に△6六銀と進出されるのでまったく読まなかったが、以下▲6六同金△同飛は▲6八香で上手の飛車が捕獲できて下手大優勢。
対局中にこの手が見えたのはマズかった。私は後悔を引きずったまま指し手を続けるが、こういうときはえてしてよくない。△8六歩に▲同歩、△8八歩にも▲同玉とさんざん利かされ、▲8三馬の飛車取りには△8一飛と切り返され、ちょっとクサッタ。▲7二馬は△8六飛なので勢い▲9二飛成だが、△8三飛▲同竜に△5八角と金取りに打たれては、大勢決した。
以下4手で投了。感想戦で私は開口一番「▲7八金」を主張する。植山七段は怪訝そうだったが、私の見解は正しかったようだ。
しかし植山七段、私との駒落ちをいやがる割には、きのうもきょうも快勝だった。どうもよく分からぬ。
4局目はHa氏と。Ha氏は四間飛車を得意としている。私とは2局対戦し、私の2敗。もう負けられないところだ。
将棋は後手番Ha氏の藤井システム。私が▲3六歩と急戦を示したのに、Ha氏は居玉のままだ。それならと私は仕掛けたが、意外にうまくいかなかった。どこがマズかったのだろう。
しかし数十手進んで見ると、後手の銀は2二に凹み、美濃囲いの△6一金は5二に上がっている。これは先手が優勢だと思いきや、△8四角とノゾかれ、これで存外手になっている。
しかしその後、Ha氏にお手伝いの手が出て、結果は私の快勝。とりあえず初勝利を挙げることができ、ホッとした。
Fuj氏はまだ姿を見せない。この2日間は将棋づけを想定していただろうから、これは大きな誤算だったろう。しかし彼は私と違って毎日が充実しているので、同情はしない。
5局目。
「Honさん、将棋指す?」
「指しましょうか」
「好きだなあHonさん」
という訳の分からない会話を経て、Hon氏と対局。
私の先手で▲7六歩△3四歩▲6六歩。Hon氏は変態三間飛車穴熊を得意としているが、きょうは私がそれを指してやろうと思った。ところがHon氏は△4四角! 見たことのない手で、Hon氏の指し手は私の理解を越えている。その変態度は筋金入りだと思った。
私はそれでも三間飛車に振り、相振り飛車になった。しかし△4四角が睨んでいるのに、美濃に囲ったのはマズかった。Hon氏は左桂を跳ね、着々と端攻めの態勢を整える。傍らでは植山七段がこの対局を眺めていた。
△1五歩。ついにHon氏の端攻めが来た。▲同歩△2五桂に▲2六歩△同角▲2七銀と受けるが、これは危険だったようだ。以下Hon氏に巧妙に攻められ、私の玉は露出した。しかしそれ以上の攻めはなかったようで、後手の指し切りになってしまった。
局後の検討にはそのまま植山七段が付き合ってくださったが、△2五桂には▲1六香!があったという。こんな手筋があったのか! これは勉強になった。
本譜△1七桂成▲同桂に、Hon氏は当然のように△同歩成としたが、植山解説によるとこれが疑問手だったというから将棋はむずかしい。ここは黙って△1五香と走るのが正着で、これならむずかしい戦いが続いていた。
きょうは5局指して3勝2敗。5勝0敗の可能性もあっただけに残念だが、詰みを逃して負けるのも実力である。
このあとは食事会だが、Fuj氏が食事に来るという。Fuj氏、自宅最寄駅を通り越してここまで来るとは、将棋バカなのか、ただ人恋しいだけなのか。
しかし彼が到着するまで時間がある。私は大野八一雄七段に二枚落ちの指導対局を申し込んだ。
実はこれには伏線があって、大野七段や植山七段が、研修会員相手に何度も二枚落ちで勝ったという話を聞いていたのだ。
研修会員は最低でもアマ三段の実力がある。その彼らに二枚落ちで勝つなんて、プロはどんだけ強いんだ、その秘技を見たいと、私やFuj氏はかねてから、その手合いでの対局を所望していたのだ。
研修会は持ち時間が30分なのでそれにならいたいが、大野七段がガンとして首をタテに振らない。「初手から1手10秒」を主張するが、それは下手にあんまりだ。私は「30秒」を主張する。
間を取って、「初手から1手20秒」という条件に落ち着いた。
駒を並べて、対局開始。これが悪夢の始まりだった。
(つづく)
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三十七たび大野教室に行く(前編)・不思議な逆転勝ち

2012-11-26 00:04:38 | 大野教室
プライベートの出来事で、読みの甘さから大失敗をすることがある。先日もそんなことがあった。この歳になると来年のことなど考えられないから、それはこの世の終わりのような大ショックに膨れ上がる。もう、あすを生きるのも辛いくらいだ。それを癒してくれるのは「時間」である。時が経てば薄皮が剥がれるように、ショックも和らぐ。たぶん、私にも来年がやってくるのだろう。同じ状況が訪れたとき、同じ失敗を繰り返さなければいいのだ。

18日(日)は前日に続いて「大野教室」に行った。きょうはきのうとうって変わって晴天。結局どんな天候でも、将棋が指したければ指しに行くのだ。
きのうと同じような時刻に入室。何人か生徒はいたが、不思議なことに誰も大野八一雄七段に将棋を教わっていなかった。これは珍しいことがあるものだ。
まずはきのう購入した「LPSA詰め将棋カレンダー2013」を、ポーチに仕舞う。きのううっかりして、持って帰るのを忘れてしまったのだ。
これで用が済んだから帰る…というのは悪い冗談で、もちろん将棋を指して行く。
きょうは大野七段から教えていただく。相居飛車の立ち上がりだったが、私がまたヘタをやって、矢倉城に入城できなくなってしまった。大野七段△3八歩。と金を作らせるわけにはいかないから私は泣く泣く▲4八玉だが、数手後▲3八玉としたところでは、玉が孤立している。これはまた負けたと思った。
△7四飛、△7五銀の形で、大野七段は金頭に△6六歩と叩く。これに▲6八金引では勝負どころがないので、私は▲9七の角で△7五の銀を取る。
大野七段は少考して△6七歩成。角を取らなかった。
私は▲3三銀△同桂▲同桂成△同玉▲3一角成。結果金損の攻めだが、下手陣は▲2六歩、3五歩、3六飛、3七桂、3八玉、4五歩、4六銀、4七銀で、意外に手厚い。大野七段は△5七とと捨ててきたが、▲2五桂以下私が華麗に寄せて、拾わせていただいた。
局後の検討では、△5七とで△3二金が提示された。しかしこれは私が読んでいて、▲2五桂△同金▲3四歩△同銀▲同飛△同玉▲3二馬で下手勝ち。ということで、私が▲3一角成としたところでは、すでに上手に勝ちがなかったらしい。
遡れば△6七歩成が疑問で、ふつうに△7五同飛と取るところだったらしい。これには敵歩を取りつつ▲6六金が幸便で、これがあるから大野七段も見送ったのだが、△8五飛とよろけておいて、次の△6九角(▲7八金取り)がすこぶる厳しい。こう指されたら下手が順当に負けていた。
大野七段には意外に逆転勝ちが多い。
きょうは人が少ないが、Sai氏が久しぶりに顔を見せた。ちょうどきのう、噂をしていたのだ。元気そうで何よりだった。
2局目はMa君と。(先手)Ma君の得意は石田流だから警戒したのだが、アッサリと中飛車できた。まあしかしこれはこれで一局の将棋だ。
私は中央を厚くするが、Ma君に千日手模様で様子を見られ、四枚美濃に組まれてみると、どうもこちらの具合が悪い。
ここで千日手は味が悪いので、打開する。しかし捌き合ってみると、こちらが悪くなっていた。
時刻はもう3時。休憩の時間だが、私たちは指し続ける。
私は△4七歩。これに▲4四歩と叩かれたらヤバかったが、▲4七同銀だったので△5七飛。▲4七銀、5五金、5九金の三方両取りだ。
以下▲4四歩△5二銀▲5八金△5五飛成▲4三角△2二玉▲5二角成△同金▲同竜△4二歩。ここでMa君が▲4三歩成としたが、この局面が下である(盤に並べる読者には、ご面倒をお掛けします)。

先手・Ma:1六歩、1九香、2六歩、2七銀、2八玉、3六歩、4三と、4七銀、5二竜、5八金、6七歩、8七歩、9六歩、9九香 持駒:角、金、銀、歩
後手・一公:1一香、1四歩、2一桂、2二玉、2三歩、3四歩、4二歩、5三銀、5四桂、5五竜、6四歩、8一桂、8五歩、9一香、9四歩 持駒:角、金2、桂、歩3

以下の指し手。△5八竜▲同銀△3七金▲同玉△4五桂▲4七玉△4六金▲4八玉△3七桂成▲5九玉 まで、Ma君の勝ち。

私は△5八竜と切って詰ましに行ったが、詰まなかった。正確にいえば、詰まし損ねた。
△4五桂では△4六角と打ち、簡単な詰みだった。たまたま後方で見ていた大野七段が呆れて、どうしてもっと考えないの? と苦言を呈す。
たしかにその通りで、この時点では30秒の秒読みだったが、△5八竜は文字通りノータイム。△3七金は2秒。△4五桂も数秒しか考えていなかった。なぜもっと落ち着いて考えられないのか。突然勝ちになって、喜びすぎてしまった(注:読者からの指摘で、△4五桂▲4七玉にも、△3七金▲5六玉△6五金!▲4五玉△5六角!で詰みがあることが分かった。本当の敗着は△4六金だった)。
初めに戻るが、局面図の▲4三歩成が負ければ敗着で、ここは受けに回っていればMa君の明快な勝ちだった。
3時前にHon氏が来たが、Fuj氏はまだだ。Fuj氏はきょうも仕事だが、昼前には片付く予定で、午後には来ると言っていたのだが…。Fuj氏、2日連続で将棋が指せず、いまごろ悶絶しているに違いない。
3局目は植山悦行七段と。渋る七段に角を落としていただく。
△6二銀▲7六歩△5四歩▲5六歩△5三銀。これは対居飛車決め打ちの銀の動きだ。よほど飛車を振ろうかと思ったが、きょうは矢倉に組みたかったので、▲2六歩。数手後の△6四歩には、躊躇なく▲6六歩と受けた。
「もう△6五の位は取らせません」
「それならそれの指し方があるんですヨ」
と植山七段は△6二飛。数手後、少考して△7三桂。

上手(角落ち)・植山七段:1一香、1五歩、2三銀、2四歩、3二玉、3三桂、3四歩、4二金、4三金、4四歩、5四歩、6一飛、6四銀、7三桂、7四歩、8五歩、9一香、9四歩 持駒:歩
下手・一公:1七歩、1九香、2八飛、3六歩、3七桂、4六歩、4七銀、4八角、5六歩、6六歩、6七金、7六歩、7七銀、7八金、8七歩、8八玉、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩

ここで私はどう指したか。
(つづく)
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