一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第3期白玲戦・女流順位戦A級、B級4回戦の結果

2023-01-31 13:47:33 | 女流棋戦
第3期白玲戦・女流順位戦A級、B級4回戦が30日に指された。では、結果を記しておこう。

◆A級4回戦◆
(優勝は白玲挑戦、降級2名)
【4勝】
②伊藤沙恵女流名人(○上田→加藤桃)
【3勝1敗】
①西山朋佳女王・女流王将(●加藤桃→加藤圭)
③加藤桃子女流三段(○西山→伊藤)
【2勝2敗】
⑤加藤圭女流二段(○中井→西山)
⑥甲斐智美女流五段(●中村→渡部)
⑦山根ことみ女流二段(○渡部→中井)
⑨中村真梨花女流三段(○甲斐→上田)
【1勝3敗】
⑧渡部愛女流三段※(●山根→甲斐)
⑩上田初美女流四段(●伊藤→中村)
【4敗】
④中井広恵女流六段*(●加藤圭→山根)

伊藤女流名人が上田女流四段に勝って4勝。しかし西山女流二冠は加藤女流三段に屈し、一歩後退した。次、伊藤女流名人と西山女流二冠の対戦がある。A級はどの組み合わせも面白い。
渡部女流三段は山根女流二段に敗れ、1勝3敗。渡部女流三段は順位も悪いので、早く安全圏に逃げたいところだ。

◆B級4回戦◆
(昇級2名、降級3名)
【3勝】
③塚田恵梨花女流初段(室田→山田)
【3勝1敗】
②鈴木環那女流三段(○北村→千葉)
⑥香川愛生女流四段(○岩根→野原)
【2勝1敗】
⑧室田伊緒女流二段(塚田→石本)
【2勝2敗】
①石本さくら女流二段(●千葉→室田)
⑤千葉涼子女流四段(○石本→鈴木)
⑩野原未蘭女流初段(○山田→香川)
【1勝3敗】
④北村桂香女流初段(●鈴木→岩根)
【4敗】
⑦岩根忍女流三段(●香川→北村)
⑨山田久美女流四段(●野原→塚田)

鈴木女流三段、香川女流四段の実力者はそろって勝ち、勝ち越し。有力な昇級候補である。
岩根女流三段、山田女流四段は初日が出ず、順位も悪いだけに相当厳しい。
5回戦はちょっと飛んで、A級、B級とも3月13日。
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第72期王将戦第3局第2日目

2023-01-30 23:35:47 | 男性棋戦
第72期王将戦第3局第2日目、羽生善治九段の封じ手は、玉をナナメ上にやる手だった。大方の予想は玉をまっすぐ上に立つ手だったから、意外だった。
藤井聡太王将は、玉上がりによって生じた隙間に角を打った。当然羽生九段も織り込み済だが、その解答は、何と玉を四段目にやる手だった。私は絶句である。
むかし大野八一雄七段との六枚落ち10秒将棋で、中空に要塞を作られ、惨敗したことを思い出した。まあそれはともかく、中盤の早い段階で玉が屋上に乗るのは珍しい。
羽生九段は銀角を使って飛車をいじめる。しかし、これが羽生九段の構想とは思えなかった。
いっぽう藤井王将は限られた駒を的確にシュートし、羽生玉を追い詰める。
気が付けば、藤井王将勝勢。最後は金打ちで羽生九段が投了した。以下は例によって、歩以外は駒が余らない綺麗な詰み。藤井王将にはこの類の詰み形が実に多い。
羽生九段は惜敗だったが、第1局につづき、悪手らしい悪手はなかった。それなのに手数が進むと、自然に形勢に差が付いてくる。書き遅れたが、第1日目終了の時点で、厳密には藤井王将が有利になっていたらしい。羽生九段有利、と見ていた私は不明を恥じるのみだが、とにかく藤井王将が先手番の利を活かし勝ち切ったというしかない。そう思えば、終了時のギリギリの詰みにも合点がいく。お互い悪手を指さなければ、一手違いの綺麗な投了図になるのである。
それにしても藤井玉の懐の深さよ。本局も、とても囲いとは思えない簡素な形だったのに、キッチリ逃げ切っている。神の将棋を見ているみたいだ。
が、藤井王将は「分からないところの多い将棋だった」と、相変わらず優等生的感想を述べた。
いっぽう羽生九段は、「封じ手が良い手ではなかったかもしれない」と述べた。これはうなずけるところで、やはり玉はまっすぐ立つべきだったのではなかろうか。
さて、3局を終わって藤井王将2勝、羽生九段1勝は、羽生九段から見れば善戦である。とはいえもはや藤井王将の防衛濃厚だが、私としては1局でも多く、ふたりの対局が見たい。
第4局は2月9日、10日。
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第72期王将戦第3局第1日目

2023-01-29 00:56:47 | 男性棋戦
第72期王将戦七番勝負は、第2局で羽生善治九段が1勝を返したことで、俄然ヒートアップしてきた。
そして第3局はきのう28日から行われた。今シリーズは羽生九段の作戦が注目されるが本局もそうで、角道を開けあったあと、後手番の羽生九段は角道を止めた。すわ振り飛車か、と周りが騒然となった。
羽生九段は今年度後手番で好調で、横歩取り(取らせ)を主軸に大きく勝ち越している。現在藤井聡太王将は先手番21連勝中で、それに対抗するにも横歩取りが有力視されていた。それだけに、よけいこの構想が意外だった。
ところが、今度は藤井王将が角をひとつ上がったので、またビックリとなった。もはや説明不可能で、天才にしか分からない閃きのだろう。
羽生九段もそれを感じ取ったか、雁木に舵を切った。当ブログでたびたび振り飛車を渇望していた私はガッカリだがそこはそれ、序盤から大いに楽しませてもらったのであった。
その後も藤井王将は、玉の囲いも中途半端なまま、果敢に仕掛ける。しかしこれ、天下の五冠王が指しているから文句はないが、冷静に見ればアマチュア初段みたいな指し手である。羽生九段は自然に対処し、3筋と4筋を歩で制圧した。
ここで藤井王将は大長考に沈む。結局、ふつうの手?で応接した。そこで羽生九段が次の手を封じたのだが、この局面をどう見るか。
素人目には3筋と4筋の後手の歩が大きく、羽生九段が指し易いように思える。全盛時の羽生九段なら、8割方勝つ。
問題は相手が藤井王将ということで、このくらいの指しづらさは何でもあるまい。
封じ手予想は、現地棋士の島朗九段、森下卓九段、高見泰地七段は「△5二玉」。ちなみに私は、強攻の「△4七角」。ただこれは、後の反動がきつく、指さない。
29日はネット各所からの無料の情報を取り寄せ、楽しもうと思っている。
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Minerva交流将棋団体戦2022(4)

2023-01-28 11:21:21 | LPSAイベント

第4図以下の指し手。△5七桂成▲4一馬△6七成桂▲同銀△4八飛▲7八金△4一飛成▲6四歩△4九竜▲8八玉△8五桂打▲8六銀△6六歩▲同銀(第5図)

第4図で中倉宏美女流二段は、「ちょっと無理気味だけど……」とつぶやいて△5七桂成とした。
島井咲緒里チームは当然?▲4一馬と飛車を取る。しかし△6七成桂▲同銀に、私が打った△4八飛が好打。詰めろ馬取りで、これで逆転した。もちろんここまでが宏美女流二段の読み筋で、それを後続者が実現させれ、理想的展開といえる。
戻って▲4一馬では、黙って▲5七同金と成桂を取っておく手もあったかもしれない。
△6六歩▲同銀を利かし、また私の手番。ここで決め手がある。

第5図以下の指し手。△6七銀▲7九飛△7八銀成▲同飛△6七金▲7九銀△7八金▲同玉△6七歩▲1三角△4六歩▲7七銀右△5八竜(第6図)

私はノータイムで△6七銀。もし▲同金なら△7九角▲9八玉△8八金で詰み。ミスター中飛車氏は▲7九飛と不屈の粘りだが、後手は△7八銀成から△6七金と食いついて、勝勢は動かない。
島井女流二段の▲1三角に、私の△4六歩が友達をなくす一手。私はもとから友達がいないので、打てたわけだ。
△5八竜の王手も厳しい。

第6図以下の指し手。▲6八桂△同歩成▲同銀引△6五桂▲4六角成△7三桂▲8五銀△4九飛▲3六馬△6九飛成▲8八玉△6八竜寄▲同銀△同竜(投了図)
まで、宏美チームの勝ち。

▲6八に歩は打てないので桂合いだが、これもつらい。△同歩成▲同銀引には△6七金▲8八玉△6八竜▲同銀△7八飛まで詰みだったが、本譜は△6五桂のノコギリ引き。▲4六角成に宏美女流二段も△7三桂とし、万が一にも負けない態勢である。
▲8五銀に△同歩はまだるっこしく、私は△4九飛とおろした。
最後は△6八同竜まで、島井女流二段がみなの了承を得て投了した。
もちろん感想戦も行う。先手は、仕掛けたあとに▲2四歩を垂らせなかったところに悔いが残った。
第4図の▲3二馬では▲2三角が私の読みだったが、それは△4一飛と寄って、後手も指せないことはなかったようだ。

ともあれこれで、10点獲得。しかし入賞まではほど遠く、諦めていた。
隣の部屋に行くと、上川香織女流二段チームVS礒谷真帆チームが熱闘中である。こちらは対局者が椅子に座り指すスタイル。チームによって仕様が違うのが面白い。
局面は礒谷チームが勝勢。ほどなく上川チームが投了した。上川女流二段は「私が悪手を指したせいだわー」と嘆いた。
これで礒谷チームは3連勝で、優勝が確定した。
そして2位はと見ると、なんと宏美チームがすべりこんだらしかった。同じ18点が複数いたのだが、なぜか私たちになったらしい。
表彰式である。優勝の礒谷チームには、豪華な副賞が贈られた。そして2位はやはり、私たちでだった。
大庭美夏女流初段「2位は同点のチームがあったんですけど、これは団体戦です。団体戦での勝利が多かったチームを上位としました」
何とも不思議な入賞があったものだ。副賞は醤油やお米など生活必需品で、リーダーの宏美女流二段ももらえた。「欲しかった」と、マジで悔しがっている女流棋士もいた。
なお、入賞を逃した渡部愛チームは、渡部女流三段直筆のミニ色紙が贈られていた。ファンからすると、こっちのほうが価値があったりする。
これでお開きである。私は久し振りのイベント参加で、女流棋士を交えた団体戦も初めてだったこともあり、とても楽しめた。
またこうしたイベントがあり、私が心身ともに健康だったら、また参加したいと思う。
LPSAの皆様、ありがとうございました。
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Minerva交流将棋団体戦2022(3)

2023-01-27 00:04:42 | LPSAイベント

第4図以下の指し手。▲2五飛△3四馬▲2七飛△3七歩成▲同飛△2六角▲4八金△3七角成▲同銀△3九飛▲4九歩△1九飛成▲4四金△2五馬▲5三金△7一玉▲5二と△6七香(第5図)

ここまで先手の駒で働いてないのは、▲2九の飛車である。そこで▲2五飛と浮いたが、大悪手。苦しめの将棋を、決定的に悪くした。
▲2五飛の心は△3四馬に▲5五飛の転回だが、そこで△6四角がピッタリなのを軽視した。
本譜は反省して飛車を引くことにしたが、▲2九飛は△3七歩成▲同銀△4七歩成▲同金△3八角があるので▲2七飛。だがそれでも△3七歩成が利いた。
やはり▲同銀は△4七歩成▲同銀△3八角で先手敗勢。よって▲同飛と取ったが、△2六角の準王手飛車を喰らってしまった。
個人での対局ならバカバカしくて投げているところだが、団体戦では投げられない。▲4八金は辛抱の一手だった。
しかし礒谷真帆女流初段は徐々に優位を拡げ、得した香を△6七に据えた。

第5図以下の指し手。▲6八銀打△同香成▲同銀△4七歩成▲6一と△同銀▲4七金△同馬▲4八金△3八銀(終了図)
まで、一公の時間切れ負け。

△6七香にはA▲6八銀と引きたいが、△同香成に▲同金は馬筋が恐いので▲同玉とする。が、すかさず△6九馬▲同玉△6七銀で負けである。それで、泣きの涙でB▲6八銀打とした。しかしここに駒を投入するようでは戦力が乏しくなり、負けである。
最終△3八銀には慌て気味に▲5八角と打ったが、ボタンを押すのが遅れ、時間切れ負けとなった。しかし間に合ったとしても、「△4六歩」(礒谷女流初段)くらいで負けである。

感想戦は、礒谷チームの若手会員が加わった。途中2図で私は▲3二成桂としたが、▲5六金(参考図)と打つのがよかったようだ。

参考図でA△3四馬は▲4三銀。B△4四馬は▲2三飛成で先手有望である。Aで▲4三銀を打つための▲5六金で、ややもったいない気もするが、手厚い金ともいえる。
不慣れな将棋を頑張っていい展開にしたのに、急所の局面で読みを欠いた。まあ、これが私の実力である。礒谷先生、ありがとうございました。
2回戦は結局、宏美チームは0勝だった。これは入賞が厳しくなった。
3回戦は隣の部屋に移り、島井咲緒里チームとのリレー対局である。対局に先立ち、中倉宏美女流二段と作戦会議を行った。すると振り飛車党が多く、振り飛車で行くことにした。問題は島井チームも飛車を振った場合だが、それでも振り飛車で行くことにした。
振駒で島井チームの先手となる。チームにはミスター中飛車氏、Akuさんなど、知った顔がある。島井女流二段とAkuさんは同じモスグリーンのお召し物で、意気投合したようだ。ことに、AkuさんがLPSAファンクラブに入っているとは意外だった。
持ち時間はなく、初手から30秒。▲7六歩△3四歩▲1六歩と始まり、△4四歩とやったら▲2六歩と、島井チームに居飛車を明示された。私たちはよろこんで四間飛車に振る。作戦通りに進み、これは負けられなくなった。
島井チームは腰掛け銀。小堀清一九段が得意としていた戦法で、シンプルだが破壊力がある。宏美チームも慎重な受けが要求されるところである。
しかし島井チームはすぐに仕掛けず、左美濃に組む。宏美チームも呼応し、格調高い戦いになった。

第1図以下の指し手。▲2五桂△2二角▲3五歩△2四歩▲3三桂成△同角▲3四歩△2二角▲2五歩△同歩▲1五歩△同歩(第2図)

咲緒里チームは▲2五桂と待望の仕掛け。▲3五歩に私の番が回ってきて△2四歩と桂を取りにいったが、どうだったか。桂得しても角頭のキズが大きく、のちのち苦労が多くなる。
そこへミスター中飛車氏の▲3三桂成が軽手で、やっぱり後手が苦しくなった。これも私の△2四歩のせいである。

第2図以下の指し手。▲1四歩△同香▲3八飛△4五歩▲同歩△同銀▲3三歩成△同角(第3図)

両チームとも、みな立って指している。それでぐるぐる回るわけではなく、自分の番が来たら一歩前に出て指す。でも私はほかの人の番を飛ばして指そうとしたりして、どうもいけない。
第2図でAkuさんは時間に追われ▲1四歩としたが、ここは▲2四歩と垂らす手も有力だった。
▲3八飛には△4五歩が振り飛車らしい一手。以下△4五同銀まで振り飛車も捌け形だが、咲緒里チームの▲3三歩成も味のいい手だ。△3三同角に次の手は当然であろう。

第3図以下の指し手。▲3三同飛成△同桂▲6五歩△5六銀▲同歩△4五桂▲3三角成△4一飛▲3二馬(第4図)

▲3三同飛成は騎虎の勢い。△同桂に▲6五歩で島井チームも勢いが出てきた。
▲4五同歩に△4五桂も駒損を防いで味のいい手だが、ここは△4九飛成を優先させる手もあった。
△4一飛には▲2三角かと思ったが、島井チームは▲3二馬。ここで宏美チームは宏美女流二段の番である。その指し手は。

(つづく)
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