20日放送のNHK杯将棋トーナメントは、木村一基九段VS佐藤紳哉七段だった。これはなかなか面白い組み合わせで、期待して見た。
木村九段は今期、予選からの出場だったが3連勝して本戦出場を決めた。驚くべきは、これが27年連続の本戦出場だったこと。これは隠れた大記録だと思う。
対して佐藤七段も予選3連勝。13年ぶりの本戦出場だという。……あれっ? ということは、「豊島? 強いよね」の将棋以来ということか?
あのコメントはいまや伝説的で、以降豊島将之九段の棋風は、あのコメントの形のまま紹介されることになった。
なお当ブログでもそのときの模様を取り上げている(2012年4月24日「佐藤紳哉六段のパフォーマンス」)。当ブログも無駄に歴史が長いが、アーカイブ的な味も有するようになった。
今回も対局前に、両者のインタビューが紹介される。インタビューアーは室谷由紀女流三段である。
「13年ぶりのNHK杯本戦です。お気持ちはいかがですか?」
「久しぶりだね。この日のために、ずっと! ずっとやってきたよ!」
出た! この日のために温めてきたであろう、佐藤伝説の開幕である。
ここでカットが変わり、佐藤七段が大写しになる。
「きょうは、木村九段との一局です。意気込みをお願いします」
室谷女流三段も内心は大笑いなのだが、そこは散文的にインタビューを続ける。この落差も面白い。
カットが元に戻った。
「木村さんは、俺より、はるかに強いと思う。だけど、勝負はやってみないと分からない! きょうこそは、俺の駒たちが、(そこで両手を広げて)躍動してくれると、信じてる。皆さんも、応援してほしい」
最後に佐藤七段が二、三度頷いた。
佐藤七段渾身のパフォーマンスに、私は心底笑った。佐藤七段はやはり、一流のエンターテイナーだ。
そして、解説の豊川孝弘七段と室谷女流三段が映った。きょうの解説は豊川七段だった! 確かに、佐藤七段のパフォーマンスを正面から受け取れるのは、豊川七段しかいない。NHKも粋な人選をしてくれる。完全に「狙って」いる感じだ。
「はい、ということで、佐藤紳哉節、炸裂していました」
と室谷女流三段が言う。
「いやキテましたね。相当準備したんでしょうね。盤上作戦以上に、いやーあの、チカラ入っていました。佐藤紳哉流ですハイ」
「13年ぶりに私も見れてうれしかったです」
「伝説になりそうですねハイ」
ここまでのやり取りだけで、全国の将棋ファンは大満足である。
なお本編の対局は、佐藤七段が終始首を横に振りながら、鬼の形相で果敢に攻めた。しかし木村九段が頑強な受けを見せ、最後は玉自ら寄せに参加するという木村流が出て、木村九段の快勝となった。
佐藤七段には残念な結果で、次のNHK杯出場は、また13年後なのだろうか。それhこっちの体がもたないので、また来年もぜひ、本戦に出場してほしい。
木村九段は今期、予選からの出場だったが3連勝して本戦出場を決めた。驚くべきは、これが27年連続の本戦出場だったこと。これは隠れた大記録だと思う。
対して佐藤七段も予選3連勝。13年ぶりの本戦出場だという。……あれっ? ということは、「豊島? 強いよね」の将棋以来ということか?
あのコメントはいまや伝説的で、以降豊島将之九段の棋風は、あのコメントの形のまま紹介されることになった。
なお当ブログでもそのときの模様を取り上げている(2012年4月24日「佐藤紳哉六段のパフォーマンス」)。当ブログも無駄に歴史が長いが、アーカイブ的な味も有するようになった。
今回も対局前に、両者のインタビューが紹介される。インタビューアーは室谷由紀女流三段である。
「13年ぶりのNHK杯本戦です。お気持ちはいかがですか?」
「久しぶりだね。この日のために、ずっと! ずっとやってきたよ!」
出た! この日のために温めてきたであろう、佐藤伝説の開幕である。
ここでカットが変わり、佐藤七段が大写しになる。
「きょうは、木村九段との一局です。意気込みをお願いします」
室谷女流三段も内心は大笑いなのだが、そこは散文的にインタビューを続ける。この落差も面白い。
カットが元に戻った。
「木村さんは、俺より、はるかに強いと思う。だけど、勝負はやってみないと分からない! きょうこそは、俺の駒たちが、(そこで両手を広げて)躍動してくれると、信じてる。皆さんも、応援してほしい」
最後に佐藤七段が二、三度頷いた。
佐藤七段渾身のパフォーマンスに、私は心底笑った。佐藤七段はやはり、一流のエンターテイナーだ。
そして、解説の豊川孝弘七段と室谷女流三段が映った。きょうの解説は豊川七段だった! 確かに、佐藤七段のパフォーマンスを正面から受け取れるのは、豊川七段しかいない。NHKも粋な人選をしてくれる。完全に「狙って」いる感じだ。
「はい、ということで、佐藤紳哉節、炸裂していました」
と室谷女流三段が言う。
「いやキテましたね。相当準備したんでしょうね。盤上作戦以上に、いやーあの、チカラ入っていました。佐藤紳哉流ですハイ」
「13年ぶりに私も見れてうれしかったです」
「伝説になりそうですねハイ」
ここまでのやり取りだけで、全国の将棋ファンは大満足である。
なお本編の対局は、佐藤七段が終始首を横に振りながら、鬼の形相で果敢に攻めた。しかし木村九段が頑強な受けを見せ、最後は玉自ら寄せに参加するという木村流が出て、木村九段の快勝となった。
佐藤七段には残念な結果で、次のNHK杯出場は、また13年後なのだろうか。それhこっちの体がもたないので、また来年もぜひ、本戦に出場してほしい。