四季・めぐりめぐりて

近隣の城館跡・古墳などの史跡めぐりなどをぼちぼちながらやっています

足立遠元館跡(埼玉県桶川市)

2021年11月26日 | 100名城以外の城館跡


2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」には埼玉県ゆかりの人物が多く登場する予定のようです。
足立遠元もその一人で、武蔵国足立郡を本拠とした地方豪族で源頼朝挙兵直後から頼朝に従い側近となり
ました。文武に優れ、武士ながら公文所寄人となり、「十三人の合議制」(鎌倉殿の13人)の一人でもあ
りました。
足立遠元の館跡と伝わる場所は、さいたま市に1か所、桶川市に3か所あるようですが、これらのうちどの
場所が真実の足立遠元の館跡なのかを決定する資料は得られておらず特定はされていません。そのうちの
一つである桶川市総合福祉センターを訪ねてみました。遺構はなく『伝足立右馬允遠元館跡』の石碑が建
つのみでありますが、地元では昔から一本杉のところが足立右馬允遠元の館跡と言い伝えられています。
かつてはこの一本杉の根元に板石塔婆6基と、足立右馬允の家紋と共に「神明宮建久三歳城主足立右馬允建
之 文化六巳歳再建 府川甚右衛門尉義重」と刻まれた石祠があったことから、ここを足立遠元館跡と推定し
ているようです。


名 称:足立遠元館跡あだちとおもとやかたあと
別 名:伝足立右馬允遠元館跡、足立氏館、足立遠元屋敷、足立館
形 態:館
時 期:平安末期
築城主:足立遠元
遺 構:-
指 定:桶川市指定旧跡(名称:伝足立右馬允遠元館跡 指定日不明)
現 状:桶川市総合福祉センター
所在地:埼玉県桶川市末広2-8-29



桶川市総合福祉センターの一角に建つ『伝足立右馬允遠元館跡』碑
揮毫は当時の桶川市長によるもののようです
「一本杉」と呼ばれた古木は、この石碑の奥の白い建物のあたりであったということです




『碑陰』 碑文は下記の通り
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遠元は源氏の家人で平治の乱に武勇と友情の誉れを挙げ 源頼朝の公文所設立には寄人に登用され
 やがて勲功十人の一人として左衛門尉に任じられた 鎌倉幕府の宿老である この碑は古くから
この地が遠元館跡と伝えられて来たが、近時人口急増し この伝えを知る人の少ないのを嘆き 当
市下日出谷出身の岸義弘氏が 当市へ贈られたものである
  昭和五十三年二月吉日
                                  桶川市教育委員会 
                                    文 田中利治
                                    書 坂巻 紀
                                    石工 本木石材店
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石碑と生垣の間が狭いため斜めから撮るのがやっと・・・

余談になりますが、石工は本木石材店とあります。同じ桶川市内に「加納城」跡がありますが、加納城は、岩槻太田氏の
支配下にあった「鴻巣七騎」と呼ばれた土豪の一人である本木氏によって築かれたと推定されるようです。同じ本木です
のでもしかしたら。更に、俳優として活躍する元シブがき隊のモッくんこと本木雅弘さんも桶川市出身ですので、やはり
もしかしたら。





桶川市総合福祉センターと石碑  日影になっていたため石碑がはっきりとは映りませんでした

散策日:令和3年(2021)11月13日(土)