マジカル・ミスってるツアー

MMT社
猫と水どうとするめイカ面達との非常識の中の常識的日常

ノルウェイの森・その2

2010-12-13 09:27:15 | 映画・本・DVD・CD他
トラン・アン・ユン監督の「ノルウェイの森」を鑑賞

キズキと直子との関係に始まり、キズキの自殺そして直子との再会を境に、ワタナベは現実社会とは反対側の深い森の中にどんどん迷い込んで行く。


全ての男女関係を「セックス」と結びつける映像は、見る者によっては、ひどく陳腐に映るかもしれない。


しかし、春樹文学を少々齧っている人にとっては、セックス=人の心に付いた鍵を開ける為の一つの装置と見抜くであろう。


若者達は必死になり、愛する者の心の奥底に何が存在するのか、知りたいともがき苦しむ。

時には、生死をかけて。


その中で、永沢だけは、薄々分っていたのではないか・・?

他人の心の中の全てを知る事など、おこがましい行為であると言う事が。

彼は沢山の鍵を手にするが、誰の扉を開ける事を拒否し続ける。

恋人だったハツミの扉さえも。


レイコは、ワタナベに長年閉じていた扉を開けさせ、混沌とした社会に戻る決心をする。


だが、当のワタナベは、依然森の中に存在する。

はたして、彼の精神はミドリによって解き放たれるのであろうか・・。

それとも、孤独な森と現実の世界を結ぶ扉は、一生開く事がないのであろうか・・・。









コメント (5)
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