マジカル・ミスってるツアー

MMT社
猫と水どうとするめイカ面達との非常識の中の常識的日常

トゥインクルフェス・その3

2008-11-21 11:03:23 | ラーメンズ
フィナーレだ。

出演者全員で、締めの歌を合唱。

マイクの数は限られていて、司会のみの数本しか用意されていない。

それでも大部屋扱いの自分は、舞台上段隅で余韻に浸りながら歌っていた。

いつか、この観客全員を自分にむかせたい。

しかしそんな夢心地な気分が、だんだん覚醒していく。

観客1300人の、顔が、体が、瞳が、自分から見て左端一点に集中されていくのが見える。

舞台中央ではなく。

左端にだ。

異様な光景。

観客が注目している先には、黒くでかい男が左右前後に揺れている。

そして、その男の放つオーラに吸い寄せられるが如く、

ある者は、歓喜の雄叫びをあげ、

あるものは、高揚感一杯の笑顔を作り、

ある者は、心酔しきって拝め奉る仕草をし、

老若男女全てがこの男の、虜となり陶酔しきっている。

彼は本日の役回りで、決してカッコいいイケテル立場ではなかったはずだ。

厳密に言えば、分厚い着ぐるみを着て汗だくで前フリをし、司会者より目立つ発言を避け、自分達のネタでは一言三言しゃべるだけで、終始控えめのスタイルを貫いていた。

そして、私服もまったく垢抜けでなく、訛りに訛っている。

なのにだ。

何故、この男が、こんなにも大勢の人間の心を一瞬の内に、鷲づかみに出来るのであろう。

誰か答えを教えてくれ!!




[解答]

「だって賢太郎じゃない」