裏側を向いた太陽が
卵の空を流れる川をひからびさせて
死んだ魚が飛び跳ねている海
今にも生き返ろうとしている魚もいる
すでに死んだ魚もいる
尖った銛で突いて焼いて食べると
炎のオレンジ色が空に溶ける
裏側を向いたインディゴの太陽
ねえ、ぼく、書いてもいいかな
たとえば、あなたへのラブレターっていう狂気の詩
だって、もうこの脳も使えないぼくなのに書いているんだから、こんなこと
狂気ってほどでもないけど
どうせ、ことば使ってんだから
理性はあるんだよね
それが問題、なのかもしれない
ほんとうはあなたをメチャクチャにしたくなる
わかる?
でもできないんだ
ぼくが優しいからじゃなくて
あなたをメチャクチャにする武器が腐っちまったんだ
素手で戦えるのは敵だけだ
ニーチェはどんな鞭を持って女の所に行ったんだろう?
ぼくは、鞭なんか持って行きやしない
熱くなった神経の固まりを持って行くだけだけど
鉄の棒みたいに熱いうちに打てないから
僕は脳から溶解していく妖怪のような気分になって
自分の亡霊に怯えてるんだ
あなたは、完璧に、ロザリオの祈りのような微笑みを浮かべて
ときどきはぼくを昇天させてくれるけど
それは本当に神の恩寵なんだ