幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 僕は感情のままに赴く

2013-11-15 23:52:45 | Weblog

 
 
  ぼくは感情の赴くままに行く
 
  風が吹いてきて木の葉が舞うように
 
  風が吹くところどこにでも行く
 
  時には翼を羽ばたかせて、風に逆らうけど
 
  それは上昇気流に乗る時だけ
 
  上昇気流に乗ると
 
  成層圏を超えて宇宙まで行ってしまうこともある
 
 
  だから、ぼくは何処にでも行くのだ
 
 
  もちろん様々な代償を払った
 
  もう神経はボロボロだし
 
  言葉だって浮かんできやしない
 
  それなのに明日が来るなら
 
  その明日は僕をどこかに連れて行ってくれるはずだ
 
  
  僕はアートをやらなければいけないんだ
 
  線と、色彩と、マチエール
 
  そこには思想もあるし、記憶もあるし、感情もある
 
  純粋な、絵画のための絵画、純粋芸術ではないかもしれない
 
  例えば言葉で詩を書くときだって
 
  ぼくなんて、古語を知ってるわけでもないし
 
  日本語だってよくわからない
 
  純粋な、言葉のための言葉の芸術なんて書けないだろう
 
  
  試行錯誤の職人のような創作
 
  僕にはそんなやり方はできない
 
  直感と感情による偶然、そして必然
 
  熟練もしなければスキルも身につかない
 
  それが僕がやっている全てのこと
 
  文章を書いても、詩を書いても、絵を描いても
 
  上達なんてしないし、技法をマスターする訳でもないし、頭がよくなるわけでもない
 
 
  僕は感情のままに赴く
 
  水のように流れ
 
  低きに堕ちていく
 
  時に気化し
 
  空に上昇もし
 
  成層圏を超えることもある
 
  激しい雨となって降ることもあるし
 
  雪になって吹雪くこともある
 
  大洋の一滴となって全地球を感じることもある