本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

いのちは分断して連続している

2019-03-22 21:56:42 | 住職の活動日記

 

池の水も緩んできて

金魚たちの動きも活発になって

きました。

しかし、よく見ると

 

 

なにやら、藻の中に体をもぐらせ

頻りに動き回っています

 

 

どうやら産卵のようです

白いつぶつぶが卵です

残念なことに

 

 

その後からたくさんの金魚たちが

集まってきて

たまごを食べているのです

藻の中からたまごと取り出そうかと

思いましたが

全部孵化してしまうと

池の中は金魚だらけで

みなが住むには世界が狭すぎます

食べられて、

あわよく生き残った数匹の金魚が

生き残っていくのです

自然の淘汰により

バランスを保っているのでしょう。

何匹生き残るか楽しみです。

 

先日植木屋さんに剪定してもらて

いるときに分かったのですが

 

 

池の上の松の木に

野鳩が上手に巣をつくっていたのです

ちょうど卵を温めている最中

植木屋さんにあまり刈り込まないように

お願いしたのですが

ちょっと刈り込み過ぎたようです

 

 

ハトにとっての我が家が

丸見えになってしまいました

その後、運悪く雨が続き

それでも

しっかり卵を守っていたのです。

災難は続くもので

時折やって来るアオサギに

見つかったようで

気が付いた時には

ハトは卵と巣を捨てて

いなくなってしまいました。

 

 

アオサギに取られたのでしょうか

たまごは無くなっていました。

自然の中で命を守り続けることは

至難の業です。

 

先日の京都新聞

 

 

「哺乳類初の絶滅か」の記事

温暖化で海面が上昇、島が浸水して

生息地が奪われたのが

原因ということです。

ネズミの名前は

「ブランブルケイ・メロミス」

という聞きなれない名前です。

 

地球が生まれてから

いろんな環境の変化により

絶滅した動物たち

また新しく生まれた生きもの

いのちは分断しながら

いのちは連続しているのです。

 

公園墓地の菩提樹苑

墓参に訪れると

事務所はいろいろのご相談お方で

職員の方は対応に追われている

様子でした。

今までのお墓を返還して

後は永代供養墓へ移すという、

また

今後どうしたらよいかの相談です。

これからお墓も

難しい問題が生まれてきます

最近ではお骨はいらない

という方もおられるようで

先祖に対する意識も変わり

お骨も物として扱うという

そういう気持ちの変化もあるようです

 

高野山へ行くと

小さな五輪塔の石塔がたくさん

出てきてそれを一か所に集めて

供養塔のようになっています

弘法大師のお膝元である高野山

何とか供養したいとの気持ちでしょう

手に持てるほどの小さな五輪塔を

納めたのでしょう。

 

今自分があるのは

過去のご先祖さまのお陰

未来へ向かって受け継ぐ子孫のため

という意識が希薄になってきている

ようです

遺骨をモノとしてしか見ることが

出来なくなってきたところに

現代が抱える大きな問題があるようです

モノと見ることによって自分もモノに

なってしまっているということです。

 

一つ一ついのちは分断しているのですが

いのちという大きな流れから見ると

いのちは連続しているのです

形のない世界までモノ扱いしてしまう

そこに今の私たちが持つ

大きな病があるのかもしれません。

 

自分は一代で

終わるのかもしれませんが

先祖から受け継いだいのち

それを次の代へバトンタッチする

そういう連続性を忘れると

人間自体が絶滅危惧種に

なりかねない

そういう危険性を

はらんでいるように思います。

 

 

 

 

 

 

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