本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

痛いところを突く

2021-08-24 20:49:08 | 住職の活動日記

パラリンピックが始まりました

日本の旗手を務めるのは

卓球の「岩渕選手」です

これからの入場のようです

 

岩渕選手のドキュメントが

あって

その時の言葉に驚いたのですが

試合になると

相手の選手のハンディーの

ところを攻めるということです

せめてそのハンディーの部分は

遠慮して他のところで

正々堂々と戦うかと思いきや

ハンディーを持ってるところを

あえて攻めるというのです

 

なかなかきつい

岩渕選手は足にハンディーが

あって

左右の動きが苦手

すると

左右に振るような

球を打ってくる

それで岩渕選手は上下の動きで

素早く打ち返す

 

相手の弱点を攻めるというのは

定石かもしれませんが

パラリンピックでもそうなのか

と驚きました

 

しかし、

これは人間を鍛えるには

一番いい方法かもしれません

仏道修行においても

ただ傍から見て立派そうに

見えるような修行は

本当は自分を鍛えないのです

 

師匠もそうでしたが

聞法会の後とか

よく私自身の煩悩を見つけては

今までの人生を

全否定されるような

痛いところを突いてきます

これは堪えます

 

しかし

そこまでしないと

自分に潜んでいる煩悩は

発見できないし

対治する手掛かりも

見つからないのです

それほど煩悩の根は深く

しぶといのです

 

岩渕選手もずいぶん悩まれた

ようです

自分の弱点を見つけては

そこを突いてくる

それでその弱点を超える

練習を積み重ねて

克服していく

それで強くなっていく

その繰り返しのようです

 

師匠も自分でも分からない

煩悩を見つけては

厳しく注意していく

それは自分も同じものを持って

その煩悩に悩まれた結果

私に潜む煩悩がみえてくる

注意できるということは

同じものを自分も持っている

という証拠のようです

 

お釈迦さまも

さとりを開かれたということは

自分にある煩悩をすべて見つけて

その煩悩を克服されて

さらに、その克服できる道筋を

見つけられたというのでしょう

 

自分にとって、

痛いと突いてくることは

反面教師で

それこそが自分を鍛え上げる

一番の教師でしょう

 

優しい言葉だけでは

私たちがもっている煩悩は

対治できないし

本当の自分も出てこないのです

厳しい言葉にこそ

自分が翻るヒントがあるようです

不動明王のあの怒りの表情も

そういう自分で持てあますような

煩悩を対治する一つの

表現のようにも思います。

 

岩渕選手の試合も

楽しみに応援しようと

思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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