根のハタラキ
土を耕し、肥料をやり
水を遣れば、
樹自身は自ずから
育ってくるということです
デンドロビウム
というのでしょう
昨年頂いたものですが
花が咲いた後
そのままにしていたら
下から新しい葉が出てきて
それを仕立てていたら
花まで咲きだしたのです
見れば見るほど不思議で
どうやってこんな美しい
花が咲いてくるのだろう
根元には白い根らしきものが
伸びだしています
この根がわずかな水を吸い
それが茎に入り
花というものを咲かせる
どこでどうなって
花になっていくのか
考えても分かりません
こういうことを先人たちは
根コン というはたらきと
みたのでしょう
六根・五根ということを
いいます
眼根・耳根・鼻根・舌根・
身根、というのが五根で
それに意根を加えて六根と
六根清浄というのは
こういうハタラキを清める
ということです
眼球というのは見るハタラキ
その見たものを意識するのは
眼識です
ハタラキそのものを
根コン といったのです
こういう、種子(しゅうじ)と
いうことや、根(こん)という
そういう植物の働きから
人間のあり方を分析したのは
非常に面白いと思います
ですから、
花よりも根なのです
根のハタラキがなければ
花は育ちません
根のハタラキを有効にする
のは土のハタラキです
「土」ということも
仏教ではとても大事です
『十地経』というお経も
あるように
人間がよって立つ場所も
大地です
地がなければ安住することも
できないのです
自分の依って立つ
大地を見つけるということが
大変なことで
それが見つからないと
あちこち迷って
自分自身も見失って
しまうようです
依り所となる大地を
見つければ、例え迷っても
いいように思います
迷うということも
自分の依り所となる地が
見つからないでしょう
しかし、案外
今いるところに
足を着けてみると
妙に心も落ち着いてくる
ように思います。
花の咲く不思議さに
感動しながら
しばらくは楽しめそうです。
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