熊本の菊池恵楓園の絵画展が
京都で行われています。
恵楓園とは深いご縁がありまして
祖父の代からお邪魔しています。
恵楓園開設当時からでしょう。
息子の住職を入れると
4代にわたりお参りしています。
とても身近に感じ、
早速絵画展へ足を運びました。
東本願寺の「しんらん交流館」の
ロビーに展示してあります。
とても明るい色が目を引きます。
画に添えられた
「海は広い 大きい
魚はおしゃれ だから魚大好き
自由でいいな」
この文句にも、わかりやすそうで
その心情を思うと
恵楓園という場に置かれた
そのご苦労が伝わってくるようです
九十九島の画も明るい色使い
長崎出身の方にとって
自慢の景色だったのでしょう。
「生の輪廻」という題が
付けられています。
『この病気になってなげやりに
なったり、落ち込んで気持ちが
弱くなったりしました。
こうした生活に打ちひしがれないで
この人生に勇気を持って
立ち向かって、
負けずに生きて行こうと、
そのときそのときの精一杯を込めて
描きました。』
と、書いてあります。
故郷の神社を思い出して
描かれたのでしょう。
「故郷の社」と
題が付けられています。
「遠足」という題です。
6歳でハンセン病を発病し、
学校に通ったのは1年足らず、
学校ではいじめられて
泣いてばかりいたそうです。
満開の桜を見に列を作って
菜の花畑を歩いた遠足は
友だちと行動を共にした
唯一の記憶だそうです。
らい予防法が廃止された年
作者の方が82歳の作品です。
82歳とは思えない若々しい
構図と色使いに驚きます。
「鎖」という題です。
恵楓園内に残っている監禁室と
隔離の壁が描かれています。
らい予防法廃止後に描かれた作品ですが
作者は、
「差別は絶対になくならない、
口に出さないだけでその感情は
ずっと残っている」
と、いつも穏やかな方ですが
珍しく断言されていました。
「日向ぼっこ」
のどかな写真ですが
このが描かれたのも
80歳を過ぎてからということです。
生きてこられた人生を思うと
察して余りあるものがあります。
猫(愛娘)とあります。
このネコちゃんが友となり
娘となって一緒に生き抜いて
こられたのでしょう。
『生きんとね。
生きて生きて、
生き抜くばい
それがわしらのプライドだけんね』
という言葉が身にしみてきます。
東本願寺としても
立派なパンフレットもつくり
力を入れておられます。
ぜひ足をお運びください。
1月29日までです。
入場無料。
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